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紙の本
みんなが好き勝手する街
2015/09/15 11:25
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本連邦関東州スピアシティの地下都市は、人種と犯罪の坩堝だ。そんな街で図太く生きる少女が二人いる。もぐりの賞金首ハンター・ファイと、彼女にひっつく元ストリートチルドレンのカイだ。スピアシティに置いた古いキャンピングカーをねぐらにし、地下都市でちっぽけな賞金首たちを狩る。初めは生きるために始めた仕事だったが、今では狩りの魅力の虜になっている。
そんな地下都市に隠然たる力を揮うのが、宗教法人《犬の家》だ。しかしここは今、二代目教祖ソン・ハミルの急死のより、跡目争いが起きていた。三代目の座を射止める寸前にいるのはジミー・マオなのだが、それを快く思わない勢力が、先代の隠し子を連れて来るというのだ。
そして、治安局治安官リズが乗り合わせた護送車で、7人の犯罪者が脱走する事件が起きる。デリーズ・グライド、岸山直人、杉村健、フランキー・ギース、ボブ・ミゲル・ジャクソン、チョウ・チョキン、伊田英夫という、それぞれに理由のある脱走犯にかけられた賞金は、いつもよりも桁の多いものだ。いきせきこんだファイとカイは、その賞金をゲットすべく活動を始める。
一方、《犬の家》からは幹部のトゥアンとその部下のロウが、リズは治安局地下担当の胡散臭い治安官ベンジャミンの情報を得て、脱走犯を捕まえようとする。その過程で起きる、互いの思惑が錯綜する騒動とは…?
前作「バベル」と世界観と一部の登場人物を共通させた、若干暴力的でブラックなアクション群像劇となっている。しかし群像劇というほど群像でもなく、主人公たるファイやカイは段取りをぶち壊す役で、最初から物語を組み立てて来た裏の主役たちは、あとから来たやつらに全てをかっさらわれるという、ともすると筋立てが崩壊しそうな展開だ。だがそこをギリギリ収束させているところは、主人公の面目躍如というところだろうか。
口絵のお尻と脚線に、異常なまでに力が入っている気がするよ?それに、髪を切るとかどんな変態プレイだい?好きだけど。
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