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女子高って陰湿そうだよね、とイメージで聞かれてた。
そんなことはない、けどそうとも言い切れない
あのとき感じていたもやっとしていたものがここに書いてある。
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一話のフォーゲットミー、ノットブルーは自分にもちょこちょこ共通点があったので読んでてあ~と声が出てしまった…
女の子独特の面倒臭さがサラリと読めました。
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高校生、大学生の少女から大人になっていく時の心の難しさを描いた4編。
ちょっと大人になり、自分の自分らしさを求め足掻く感じが、自分のその時代と照らし合わせて、心にチクチク響く。
女の子の嫌らしさみたいなものを見せつけられるように感じた。
それでも、自分らしく生きようとする女の子たちにエールを送りたい気持ちになった。
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何度読み返しても涙が出てくる。
登場人物を描きだす力がものすごくあるから、誰もが生身で血のにおいを感じさせます。
読み返すたび違った人と自分が重なって、高校生や中学生時代を思い出して、心の中で入り乱れて、でもとてもなつかしくなる。
本当に不思議な感覚をくれる本です。ただただ凄い。
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お嬢様学校に通う女子高生達(とその後)の日常風景と心理的な葛藤を、
4つの短編からなる連作ストーリーで綴った物語。
そのストーリーとオチは『ビタースイート』と呼ぶのがピッタリな印象で、
様々なタイプの女性心理を細やかに描かれている。
特に女性同士のグループ間係で少しでも悩んだことのある方には、
心に突き刺さるはず。そんなシャープな切なさに包まれる描写もありながら、
行間と情景にはほんのりとだけ甘さも感じる物語になっている。
物語の中で扱ってるテーマ性を突き詰めればわりと重く、
エゴイスティックな感情も忌憚なく表現されているが、
それがあまりにも人間的に汚なかったり、エグイほどダークには感じないので、
後味の悪さはない。ライトなノリで感情移入できるのも魅力。
ページ的にも軽めで、文章の読みやすさは保証できるので、
普段は小説を全然読まないティーンから、学生時代を思い返して耽りたいマダムまで、
暇を持て余す時間に手に取れば、スイスイ読めるはず。
男としても、「女子のグループっていろいろ大変だよなぁ」という呑気な感想から、
「女子」が「女性」に目覚める過程と自覚のリアリティもあって、興味深く読めた。
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絶賛されている通り、女子高生の心理描写が秀逸。
だけど、きらきらの青春ではなくて、どれも最後に切なさが残る。
それがまた、何とも言えない気持ちにさせられる。
恭子と保田さんの話が好きだった。
どのキャラクターも嫌なやつ、で終わらないから良いなと思った。
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女の子なら、誰もが経験したであろう、
思春期の友達との距離感のもやもや。
みんなこの時期を経て、女の子は成長するんだ。
この経験が、人格を形成していくんだ。
「あなたの恋人を返せなくて、ごめんなさい」
というセリフに、きゅんとした。
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女子って怖い...。僕が高校生だった頃も思っていたが、この作品を読んでいる時もそう思った。表面的には仲良さそうにみえるけれども、実は心の中では「このブスがっ!」とか思ってるのだと思うとめんどくせえと感じる。
物語の中で一番のインパクトを残しているのは朱里だろう。学校を遅刻・欠席することは珍しくなく、学校をさぼって江の島行こうぜと同級生にけしかけるなんとも自由奔放な少女だ。そんな彼女の不思議な魅力に取りつかれるクラスメートもいたが、彼女の自由気ままな発言(俗に言うKY発言)もあってか、クラスでいじめの対象になる。最後の章で7年後の話(朱里22歳)が描かれるが、友人に放った言葉が印象に残った。
――人と一緒がそんなに楽しいのっ?――
僕はどちらかというと朱里タイプだと思ってる。人と一緒というのが嫌いだ。でもそれゆえに孤独を感じることもある。人とは違う、特別な誰かになるということは、一見するとクールに見えるが、でもその反面、集団から外れる危うさも兼ね備えている。自分らしく振る舞うというのは難しい。自分らしくしてるつもりでも、無意識に他の子と同じ行動を取ることもあるからだ。どっちが良いとか悪いとか言うつもりはない。集団で行動してる連中に「おいお前ら。もっと自分らしく行動しろよ!」とか言ったところでお前何様だよって言われるのは容易に想像できますから。
話がだんだんとズレてきそうな予感がするので、ここらへんで軌道修正しておくと、この作品では様々なタイプの女の子が登場します。僕みたいに朱里に共感できる読者もいれば、夏に自分を変えたいと目論む森ちゃんに共感する人もいるかもしれません。この作品だけに限ったことではないですが、感情移入する人物によって、この作品の印象が変わってくるのかなあと思います。本作の登場人物はほとんどが女子なので、男性の僕にはわからない感覚もあったのですが、女性(特に今、女子高生のあなた!)からすれば「あ、こうゆうのわかるわかる」と感じるのではないでしょうか。最後にもう一言。女子ってめんどくせえ。
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柚木先生の作品は初めて読みましたが、素晴らしい観察力のもと、女子高生独特の繊細な心理とどろりとした関係が鮮やかに描かれていて、とても読みやすい作品でした。
一つ目は女子校での「いじめ」の話。
二つ目は一作目の主人公の友達の一大決心の話。
三つ目はクラスの女王様と地味な文学少女との一夏の友情の話。
四つ目は未来の話。これのみ大学生の話です。
どの話も誰が徹底的に悪いというわけでもなく、話を読み終わるごとに切なさが込み上げてきました。
そして黒々どろりとしていても何処か爽やかで青い。
これは女性‥‥特に10代、20代といった若い世代の方なら共感を得やすく、難なく読み進められると思いますが、男性の方にはあまりオススメできません。
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【26歳性別男の感想】
女の子って良くも悪くも考える生き物だと思った。自分についても他人についても。
多分それが、男が「女子って怖い」と言う原因。そうして距離をとることでしか女性との関係を構築できないし、男は自分たちの領域を守ることが出来ない。
この作品に登場する女の子は皆めんどくさいけど、何かと戦っている。間違った方法であるとしても。だからこそ、男は女性が愛おしいし、愛して欲しいとも思うのだ。
この本を女性はどう読むのだろう。
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面白かった。
3Dかっ!っていうくらいそれぞれの人物がはっきりと浮かび上がってました。これが本当の裸眼3Dだね。タイトル『終点のあの子 3D』でもいいよ。
中学や高校の女子って、こんなにもややこしくも面倒くさいものなのですか。そのころの自分を思い返せば、やっぱ男子はバカだ〜、との思いを強くします。それにひきかえ、女子の自分と世界の格闘っぷりはハンパない。
読み終わったあとその後が気になるのは、面白かった証拠だね。
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痛くて切なくて、熱っぽくて恥ずかしくて、懐かしくて苦しくて、自意識過剰で可愛くて。
女子高校生の話です。
狭い世界での一生懸命。
タイプの違う女子高校生たちが、それぞれ自分の居場所を探して、もがく様子をリアルに。
典型的なタイプのようで、ちょっとずつ意外な面も持っている。
さわやか、というとちょっと違うけど、基本は前向き。甘さもないではない雰囲気。
読後感も良いです。
[追記]
世田谷にあるプロテスタント系の私立女子校。
最寄り駅はいつも何かの工事をしている。
希代子と森ちゃんは、中学から進学した内部生で、真面目なタイプ。
高校の入学式に、一人だけ制服を着ないで来た子がいた。
奥沢朱里という子は、写真家の娘で帰国子女。
どのグループにも属さず、気分次第で色々な子と一緒にいた。
希代子は強く惹かれていくが…
やや取り残された森奈津子は、校則では禁じられているバイトを始めてみる。
マイペースな朱里は、だんだんクラスから浮いていった。
希代子の気持ちは、こじれていく…
恭子はクラスでも目立つ華やかな美人で、大学生の恋人がいると評判になっていた。
ところが、その彼が朱里を車に乗せたことから、別れてしまう。
退屈な夏休み。図書館で偶然、早智子と出会い、本の話をして、意外に楽しい時を過ごす。
漫画研究会に入っている早智子は、クラスでは全く別なグループなのだった。
おかしかったり、哀しかったり。
朱里の大学時代の話で締めくくり。
忘れたかった希代子のこと、その気持ちをふと思いやる…
ぶつかりながらも成長していく彼女たち。なかなかいいですよ~。
著者は1981年生まれ。
立教大学卒。
2010年5月発行のこの作品が初の単行本。
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少女の心理を的確に捉えた繊細で華やかな描写の数々に
思わず引き込まれてしまいました。
第三章にあった「二人でいるのに読書ばかりしている」(ちょっとタイトルの記憶が曖昧)が一番好きです。正反対の二人の少女たちのひと夏の友情の甘酸っぱさと苦しさにうっとり。
第一章、第二章ではそれぞれの主人公が違ってくるので
全てを理解した後にもう一度読み返すとまた違った物語が見えてくると思います。
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女子高に通う、女の子たちの物語。
『ふたりでいるのに無言で読書』の空気が好きだった。
でも、どの話も心があたたかくなるものばかりじゃない。
心にぐさっとつきささる。
他の子を羨ましいという気持ち。
周りの目が気になってしょうがない。
気にしてないように見える子を羨ましいと思いながらも、自分は出来ない。
思いのすれ違い。
傷つけられた。とその相手に対して怒りを向け、
自分も同じことをして別の誰かを傷つけている。
自分で気付けるか、
傍にいてくれる人が気付かせてくれるか。
それでも、きちんと声に耳を傾けて、受け止めなきゃ、前に進めない。
読み終わってみて、
そこまで読後感が悪いものじゃなく、ちょっとほっと出来たことにひと安心。
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女の子特有?の感情がここまで言葉にしてしまうことができるのが凄かった。天真爛漫な森ちゃん×憧れ恨む朱里×男子慣れしたい奈津子×大人びた恭子×自分を貫く早智子×森ちゃんをこなせる杉ちゃん