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筆者特有の警句で満載。
「自分と常識とが違っていることが十分に分かっているからそれに従える。」
日本郵政の社外取締役だけれど「(郵便事業は)もう止めた方がいい」
「沖縄の全駐労のように、米軍基地は出て行け、しかし首切りは反対だ。私は困惑した。自分で仕事を探す、ひいては自分たちの安全は自分で守るの覚悟ありや。」
「民主主義社会は停電によって一時的に部族社会に戻る、消える瞬間があるという事です。」
日本のヘナチョコ男子、曽野綾子を読め!!!と言いたい。
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曽野綾子女史の人生論。自分の力で考えることの重要性や人間は自分自身も含めどの人も善悪の両面を持つこと、人生でおこる出来事も善悪で一方的にかたづけられないと考えることを勧める。つねに想像力を働かせ、自分だったらという見方をすることなど人生を深く生きる指針に富んだ一冊。
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面と向かって言われたらグサグサと突き刺さりそうな言葉が多いけれど、それだけ説得力のある書き方だから読んでいて気持ちがいい。「宇宙の法則が...」とか言われる自己啓発書よりかはよっぽど好きだ。
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●生活保護の受給者は医療費の自己負担はゼロ。
●少しでも怪我をさせる可能性のある遊具は公園から除去。
●一部の優先席を設けても誰も譲らないから、全席を優先席に変更。
上記は3つは私が勝手に気がつくところを挙げたものだ。正論に聞こえるが、心のどこかにひっかかるものを感じる。”奥歯にささった小骨”のように、気にはなるけど、それが何か、どこにあるのか、良く分からない。そして、取れない。
みなさんにも、そんな経験がないだろうか?
曽野綾子氏の「人間の基本」は、彼女の豊富な知識と経験、そして卓越した文章能力をもって、我々が人間が生きる上で何かひっかかるもの、すなわちこの”見えない小骨”を取り出してくれる本だ。
曽野綾子氏の次のような一文がある。
『私が考える教育とは、多少なりとも悪い状況をあたえて、それを乗り越えていく能力を付けさせることですが、今は、良い状況を与えるのが教育とされています』
この指摘には自分にも心当たりがある。たとえば私の場合、我が子供達が勉強しやすいように専用の机を買い与えようとか、専用の部屋を与えようとか・・・。できる限りよりよい環境で、との想いから、色々なことを優遇してきた。しかし、きっと子供は、勉強したい・しなければならない・・・という思いさえあれば、勉強する机がなくても、みかん箱をひっくり返してでも、勉強をする、そういうものなのだろう。むしろ、そのようにハードルを超えてたくましくなっていく、ということなのだろうと思う。
この他にも心に響く指摘が数多く出てくる。彼女の指摘はそう、それは酸いも甘いも理解して説教する寺の坊様のようでもある。耳障りではなく、しかし、いちいちグサグサと突き刺さる。
”人生”という名のシャツのボタンのかけちがえに気づかせてくれる貴重な本だ。全ての人が読むべき本だが、特に人に指導をする立場にある人・影響を与える立場にある人・・・そう、教育者や親は必読だろう、と思う。
(書評全文はこちら → http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2012/07/blog-post_23.html)
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足場というか、基本というのは、実に大切なものです。それがないと流されます。流されれば、自分を失いますし、死んでしまうこともあります。でも今の日本は、足場や基本は問題ではなくて、末端が大事な時代になりました。・・・そういう時に、ふと流れの傍に立って、半分立ち腐れのまま、川の中に立っている棒杭の姿に見とれることがあります。この本の背景には、そんな光景があるのかもしれません。(本帯より)
『老いの才覚』で目からうろこを落とされたので、またまた買ってみました。やはり。またしても・・!『老い~』ほどではないけれど、はっきり自分の意見を言うなぁ・・この人・・っていうかんじで、すっきりしました。ここまで自分の考えがしっかりしていると気持ちいいだろうなぁ。『恐るべきは精神の貧困である』・・・なるほど。いつもいつもガツンとやられます。
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効率至上主義の中で、見落とされてきた人間としての基本。自分自身、足りない部分がたくさんあるなと反省。特に、差別についての考え、教育の在り方についての記述は、興味深かった。今までの自分の価値観とはかけ離れている。曽野さんのように自分の足場を固めるにはもっともっと勉強が必要だ。詰め込んだ知識としてのものではなく、自分の頭で考える勉強が。
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本の帯に書かれた「足場のない人は、人生を無駄にする」につられて買ってしまいました
とてもスパスパといろんな事柄を切って書かれてあることに、スッキリ感を読んだあとに
味わえました
もちろん、耳の痛いお話もありましたが(笑)
こうやって年齢を重ねても自律して、様々なことを考え、自分の意見を持っていることに
憧れを感じるし、自分もそうでありたいと思いました
例のごとく付箋だらけなのですが、その中から抜粋すると・・・
・登山の価値は、実際に山に登って辛い思いをすることでしか理解できない。同じように
ニーチェの思想も流行の「超訳」を読んだぐらいでわかるものではありません。
知識と体験は全く別物なのであって、体験に知識が供給される時に初めて、思想としての
命が吹き込まれる。(p11)
・どんな状況でも自分の頭で考え、想像し、工夫して生きることが人間の基本だと私は
ずっと思って来ました。(p33)
・そもそも人間は「他人は自分を理解してくれない」という覚悟の上に、長い人生を
立てて行かなくてはならないのです。(p42)
・個とは、個人主義だとか大げさな思想めいたものではなく、人生を自分の頭で考える
自分の趣味で選ぶという人間としてごく当たり前のことです。(p63)
・もともと人間は、どこかで自分の好みに従って自らを鍛える存在であるはずですが
現実にそれができない人が増えているのは、自分自身の、自分なりの目標も考えも
持たないからだと思います。(p65)
・同じように、人間は平等であると、と望んだとしても、現実にはどこまで行っても人間は
平等ではありません。しかし細部で、平等であるように心がける。その二つをごちゃまぜにして
平等でないとなるとたちまち不平不満を訴えるのは、現実を見ていないんでしょうね。(p76)
・プロとして上に立つ人の仕事には、持って生まれた質だけでなく、それだけの努力の量が
含まれているのです。(p105)
・運というものは人生にも通じます。どれだけ計算したところで、思い通りにうまく行くものではない
ということです。逆に、大した計算もしなくても棚ボタもあるから、その時は素直に喜べばいい。
大事なことは、幸福の絶頂でも、絶望のどん底でも運はゼロではないということです。(p181)
・この先どれほどIT技術が進歩して、ボタン操作一つですばやく答えが見つかろうと、そこには
体験と呼ぶに値するものなど何もありません。限られた人生の時間を無駄にし続ける、硬直した
精神の貧困な人間をつくるだけです。(p191)
私がこの本の中で印象的だったのがp148から始める「生きることへの緊張感」です
著者が骨折した足の金属を抜くために一人で入院した
そうしたら病院関係者に「家族は誰もいないのか?」と何度も聞かれたと・・・
著者は看護師さんがいるから付き添いはいらないのにと思ったと・・・
私はこのエピソ��ドで3月に亡くなった祖母が入退院を繰り返していた頃を思い出しました
母から聞いた話ですが、相部屋になった祖母と同年代の女性、かなり重い病気だったようですが
誰も付き添いはいないし、お見舞いもそんなに来ない、可哀想にと・・・
私はこの「可哀想に」にとても違和感を感じました
なんで「可哀想に」なんだと・・・
まぁここで「可哀想に」論で母を叱りまくった私ですが(苦笑)
その女性がどんな状況なのかは分かりません
でも私にはとても自律した大人の女性に感じました
まぁそれに反して、あれやこれやと手を出してもらった祖母はどんどん我儘になっていきましたが・・・
この話や付箋抜粋以外でも、痛快で共感できる内容が多かったです!
また読み返してみたいと思います
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人間の基本ってなんだ?と思って購入。
人間って思いやりができることがいいよね。でも結局自分勝手な部分があって。でもそれを理解した上で人付き合いができて、楽しい生活ができたらいいよね。
何事に対しても疑問を持って生活することは
生きるという事に対してとても重要なことだと思う。
なんでそういうことをしているのか
常に自問自答することができるのは
人間だけの特性だと思う。
この本では著者の経験をもとに書かれている(ほとんどの本ってそうだが。。。)が、こころのどこかで引っかかる部分が必ず出てくると思う。
当たり前のことを見落としていたり、疑問を持つことを忘れている自分に気付かされる。
そんな本。
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人間性を考え直す本。世の中に平等なんてないし、表裏のない人間もいない。だから決めつけない。ありのままで、自分を認めて、そこからどうするかを考える。人間の基本について考えさせられるいい本でした。
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曽野綾子氏の文章は初めて読んだが、その印象は、しっかりとした芯のあるおばあ様といった感じで、明瞭な言葉の数々には押し付けがましさはなく、むしろ「洗練」という言葉が適切に思う。
『日本の自殺』(文春新書)で指摘されている、文明の内部崩壊のプロセスと共通する内容もあり興味深く思ったが、簡単に言えばその基本にあるのは「これからの日本人に対する憂い」である。
混沌のない世の中など蒸留水みたいで魚も飼えない、という曽野氏の言葉はまさにその通りで、混沌は恐れるものではなく、人生を豊かにする楽しみだ。
混沌を楽しめるか否か。憂いに対する答えの一つはそこにある。
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「人間が人間に対して何を出来るか」ということを考えること。
それが「人間の基本」について考えること。
今、自分や社会がもっている「常識」を事あるごとに疑っていく。
それが現在失われつつある、人間が本来持っているはずの「強さ」を取り戻すことに繋がるようです。
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現代の日本社会への批判の本だ。今のニッポンは、甘ったれすぎ!過保護すぎ!他人任せすぎ!もっとしっかりせい!という説教だな。だが私にとっては共感するところが多かった。世間の言説をそのまま受け入れるのではなく、もっと自分の頭使って自分で考えろと。
100%の善人もいなければ100%の悪人もいない。誰もがその中間にいる。なんでも善か悪かに二分する考え方は幼稚すぎ。
ふむふむ。おもしろいわい。著者はかなり年上だけど。
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ちきりんの「自分の頭で考えよう」と重なる点あり。
作られたルールなんかが急に機能不全に陥った時、人間の基本に立ち返って、自分で考えて答えん出すことはみんな出来た筈なのに戦後の日本教育がそれをダメにしてしまったと。耳が痛いけど、痛いと思えるなら、まだ救いあり。
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曽野さんは、ガツンと励ましてくれるので、読んでいて気持ちいいです。
司書さんと話をしていて、「自分がウジウジしている時に読むと、スッキリするんです。」という会話になりました。
その通りだなぁ、と思いました。分かっているつもりなんだけど、自分の中でグルグル、ウジウジしている時があるので、なんだか励ましてもらいました。
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たまに大量に購入して街頭で配りたくなるほど読んで欲しくなるような本と出逢うことがある。本書はそういう本。
養老孟司ふうに言うとすれば、つべこべ言わずに読んでみろ、と。