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投稿者:ぽにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集。
面白かったので、読み出したら止まらなかった。この人の作品は考えさせられることが多い。だからこそ読みたくなってしまう。
紙の本
やりきれないストーリー
2019/06/14 21:44
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
娘を植物人間にされたことをキッカケに刑事に転職した夏目刑事を主人公とする連作短編集。どれも読みやすく考えさせられますが、一方で、夏目刑事の見事な洞察力で感情移入していた犯人が逮捕されてしまうので、なんだか複雑な心境になりました。特に、表題作の『刑事のまなざし』はその典型。過去に犯罪を犯したとはいえ、せっかく幸せに過ごしていたのに、なんかやりきれない気持ちになりました。
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2012/6/16 Amazonより届く。
2017/11/14〜11/15
2年半開いてしまった薬丸作品。
刑事、夏目信人シリーズの一作目。幼い娘を通り魔に襲われて、植物状態にされてしまって、少年鑑別所の法務技官から警察官へと転職をした夏目信人を主人公とする連作短編集。薬丸作品の共通モチーフである被害者家族の視点を中心に、涙無くしては読めない作品がずらり。特に表題作はものすごい展開であった。続編もあるようなので、読む時を楽しみにしたい。
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7つの短編…どれも読み応えがあった。短編の刑事物でこんなに面白いのはスゴい。著者4作目で外れがない、これからも読み進めていこう。
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娘が通り魔事件に巻き込まれたことを機に、法務技官から刑事に転職した夏目信人が七つの事件に挑む連作短編集。
犯人や展開の見当は付く短編もありましたが、それを補って余りある事件の裏に隠された様々な人の思いや人間ドラマが深く心に突き刺さる短編集です。
印象的なのは『ハートレス』ホームレスの殺人事件に夏目刑事が挑む話です。
冒頭のホームレスの生活描写や、人間関係が生々しくそこから引き込まれたのですが、夏目刑事がホームレスに見せる優しさもまた温かい話。
展開も意外でミステリーとしてもよく、犯人の覚悟には胸が震える思いでした。
こういう話を読むと、どうしても犯人に対し厳しい気持ちになりきれません。犯人のある意味での潔い行動からも余計にそういう気持ちを持ってしまいました。
『休日』は高校時代の友人に頼まれ、友人の息子の素行を調査する話。
友人の親子関係が切ない…息子の叫びや父親の後悔なども読みごたえがありますし、この二人の将来の様子も気になってしまいます。
『オムライス』は死者が出た不審火の事件に夏目刑事が挑む話。
事件の裏に隠された真相には慄然とする思いでした。それとともに事件を解決するだけでなく、厳しい真実を自白のもとにさらし真の解決を目指す夏目刑事の優しさと厳しさが感じられた一編です。
『傷痕』はリストカットを繰り返す女子高生の周囲で起こった殺人事件の話。
これも展開が意外でサスペンスの面白さも十分ですが、人間の優しさや弱さも描いた作品になっています。話に直接出てこない登場人物の行動には胸が打たれる思いでした。
最終話で表題作の『刑事のまなざし』は夏目の娘が襲われた通り魔事件とも関連した話。
人間の悪意の描き方が上手いなあ、とも思うのですが、薬丸さんが他の作品でも書いてきた犯罪と贖罪というテーマにも踏み込んだ力作にもなっていると思います。
そして犯人に対しかける夏目刑事の言葉も印象的。『ハートレス』で加害者に同情を覚えた自分にも深く突き刺さる言葉でした。その心境に至るまで夏目自身にさまざまな葛藤や思いがあったに違いないと思うのですが、夏目自身の心理描写ががないので、そこを読者である自分たちが想像することもまた重要なのだな、と思います。
夏目が作品を通じての主人公なのですが、各短編ではわき役にまわりあくまで事件の当事者たちや事件の関係者たちを正しい道筋へ導いているあたりがとても印象的でだからこそ、それぞれの短編で事件の関係者たちの苦悩や思いが伝わってきます。
夏目刑事のシリーズ化や長編、法務技官時代の話もぜひ読んでみたいです!
単行本からわずか一年ほどで文庫化してくれた薬丸さんと講談社にはホント感謝!この調子で『悪党』も早く文庫化してくれないかな……
日本推理作家協会賞〈短編部門〉候補作『オムライス』収録
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著者の作品をいくつか読んできたが、
本作品が今までで一番のお気に入りとなった。
今までの作品は共感もでき、面白さもあったが、
読後に悲しい気持が残った。
この作品も事件の背景などについては、悲しい気持ちにあるが、
主人公である夏目刑事の人柄、信念に清々しさ、感動を覚えた。
あっという間に読める作品であり、多くの人に読んでもらいたい。
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優しい眼をしている異色の刑事 夏目が活躍する短編ミステリー7作が納められた作品。短編と言ってもそれぞれに繋がりがあるから連作と言ってもいいかも。この人の作品は決して明るくはないけど、心の深くに入ってくる作品です。
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こんな刑事がいたらいいのにね。
段々章を重ねていくうちに、なんとなく先が読めてくるけど、まさかそんな・・・って思う結末には毎度驚かされる。
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サイン本があったので買ってみた。薬丸岳さんの本を初めて読んだ。とても、読みやすくドラマとかになると面白いだろうなぁと思った。夏目のキャラがとても良い。最後の『刑事のまなざし』は辛い。夏目はなんて、心の強く優しい人なのだろう。
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夏目刑事を軸にした連作短編集。
どの事件もハードな内容で、いかにも薬丸作品。
うまくまとまっているが、もっと長編でじっくり読みたいものも…。
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面白かった!夏目が違和感を感じるところはいかにも分かりやすかったが、それでもいつも、そうか、と思ってから、更にもうひと展開あって驚かされた。
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娘が事件の被害者となったことをきっかけに仕事を辞め、刑事になった男の話。
著者の持つイメージが悪いのか、夏目の人柄を強調するためか、
刑事という仕事を卑下しすぎだろうと思った。確かに人を疑い追いつめる仕事ではあるけども、それはあくまで手段であって目的ではないのだし。
あと、看護師のイメージも悪すぎ。これはさすがにちょっと傷つくぞ。
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人の心理を探るタイプの推理小説です。
特徴のない文章なのに、装飾のない言葉でここまでひとの行動原理を表現できるんだと、この作家にはいつも驚かされます。
読後感は、爽やかではありませんが、気持ちに引っかかる作品です。
人が胸に秘める決意は、やはり目には見えないけど、行動の何処かに見え隠れするものだろうか…
と、主軸たる人物の心中を考えながら読み進めました。許せないこと、許すしか方法がないこともたくさん考えさせられました。
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夏目という刑事を軸に短編小説が描かれている。
看護師の女性が子供と恋人を天秤にかけているのは、切ない話だったな。女って・・・嫌だなと思ってしまう。
ラストの夏目の姿にも切なかった。
不条理な世の中でも、それでも生きていく事についての後書きにもじぃんとしました。
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警察ものを久々に読みました。はじめましてな薬丸岳さん。連作短編集みたいな感じなので読みやすくてさくさく進みました。ただね、少し、さくさく進みすぎてあっけない感じもありました。すぐ事件が解決しちゃって、その事件を取り巻く人々の背景とか心情とかがちょっと薄い感じ。これはわたしが求めすぎだったのかも知れないけど。でも、ひとつひとつのお話がまとまっていて読みやすかったです。最後の「刑事のまなざし」はラスト涙目。本当にそんなことを伝えたいのか、と叫ぶ夏目さんに心を打たれました。わたしの中で、新しい刑事さんが出てきたなあ。異色の新しいジャンルの刑事さん。薬丸さんの本、他にも読みたい。