投稿元:
レビューを見る
■著者・作品紹介
リンダ・グラットン。
ロンドン・ビジネス・スクール教授
タイムズ誌が選ぶ、世界のビジネス思想家15人(2011)
■出会ったきっかけ
ちきりんのブログで紹介されてて興味を持ちました。
■期待値
自分が転職して半年、それなりに仕事のやり方もわかっていく中で、身近な人達が働く事に関して抱える色々な悩みを聞き、自分にとっての働く事の意味を見つめ直したかった。
単なる内省的な自己啓発ではなく、科学的、社会的に起こりうる未来を前提にした上での自分の未来を考えたかった。
■内容
2025年の世界を予測しながら、どのようにこれからの働き方を”シフト”していくかを書いた本書。
著者は、これから起こる変化として以下の5つのテーマを挙げ、それぞれによって起こるであろう変化を読む。
・人口
・エネルギー
・グローバル化(新興国)
・テクノロジー
・社会
テクノロジーの発達とエネルギー価格の高騰により、仕事の場としての”オフィス”は無意味となり
世界中の人が様々な形で一つの仕事に関わるようになる。
そして新興国が対等、既に起こっている単純労働のオフショアだけでなく、
世界中でイノベーションが起き始め、グローバルなレベルでクリエイティブクラスと下位下層が分断。
それを分けるのはこれまでのように国籍や学歴ではなく、意欲と技能。
既得権や常識が覆されていく中で、有意義に働いていくため、著者は以下の3つのシフトが必要になると説く。
・ジェネラリストから連続スペシャリストへ
・孤独な競争から、協力して起こすイノベーションへ
・大量消費から情熱を傾けられる経験へ
浅い情報の価値が低下する中で如何に専門性を磨き、かつそれを複数会得していくのか、
個人で閉鎖的に仕事をせず、如何に専門家と協力してアウトプットを出す環境を作るのか、
消費のためのお金、お金のための仕事ではなく、自らが情熱を傾けられる経験を生み出せるか。
これらによって、グローバルな競争の中で埋もれることなく、幸せに生きていく方法を書いています。
■考察
個人的に、この本はここ何ヶ月かで読んだ本の中で一番いい刺激をもらえました。
自分の人生において漠然と持っていた前提を疑う視点を持てたし、
これから何年かで世界に起こるであろう変化をリアルにイメージすることができました。
就活時代から、自分の未来について、色々考えてきましたが中々うまく理想を描けていなかった中で、
本書を読み、社会の未来や変化を考えずに自分の未来など描けるわけがないと気づきました。
同時に、これまで自分が社会に関心を持ち、調べてきたことの意味が、すっきりと明確になり、
個人的には、やっと次のステップに進める気がします。
なんとなく未来に不安を持っていたり、自分のこれからを考えたい全ての人に読んで欲しい1冊です。
本当におすすめ!
投稿元:
レビューを見る
未来の「働き方」はどんな感じだろうかと真面目に考察した本。描かれる未来はいかにも実現しそうなリアルな働き方で、あまりハッピーじゃない働き方も紹介されている。「仕事」というものを考え直すタイミングで何回でも読み直したい。発売から5年が経過したが、ここで書かれたような未来はまだ訪れていない。
投稿元:
レビューを見る
自分自身が未来の働きかた、生活に不安を抱きながら生活しているだけに、定年がなくなること、世界が繋がって真に競争もグローバル化することなどとても共感できる内容が多かった。
主題にもなっている「シフト」のうち、第1のシフト(ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ)、第2のシフト(孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ)については、共感しすぐにでも実践したいと思うが、第3のシフト(大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ)については、ある主高尚な悟りの境地まで行ってはじめて取り組めるないように感じる。経済的な基盤、精神的な安定が確立されてこういう領域に行けるのかなと。
アメリカの起業家(ビルゲイツとか)、日本でも孫さんやワタミの渡辺さんがそうであるように。
投稿元:
レビューを見る
働き方の未来図とな⁈…どうやらますます忙しい時代になりそうですな(-。-;Shift1ジェネラリストから連続スペシャリストへ、Shift2孤独な競争から協力して起こすイノベーション、Shift3大量消費から情熱を傾けられる経験へ‼とのこと。著者のパッチワーク状に未来を描き出す手法にとても共感しました。個々人が著者のように、日々の生活において未来の断片を読み取りながら、自己をShiftしていくことが求められると感じました。全体に自己を自己の意志で位置付ける力がますます高まる時代になりますね。
投稿元:
レビューを見る
.@InsideCHIKIRIN さんのSocial book reading w/Chikirin の課題図書をやっと読了。想定される未来への動きが既に始まっていることに気づく。再読して、「自分の頭で考えよう」
投稿元:
レビューを見る
(2012/9/12読了)ちきりんさんのソーシャル読書の課題図書ってことで購入しました。
これからのグローバル社会で下層に没落しないために必要となる、働き方の3つのシフト
①ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
②孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ(ポッセ・ビッグアイデアクラウド・自己再生のコミュニティ)
③大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
このようにシフトすれば「明るい未来」が開ける--というのが本書の主論だし、きっとそれは「正しい」。「才能とやる気のある人」にとっては、限りなく正しい。
しかし、第4章に描かれているような「聡明な頭脳と強い意欲の欠けている人」(P132)が、才能とやる気と人脈のないままに「明るい未来」を得られることは、結局は無いのだろう。スペシャリストどころか、ゼネラリストにさえなれない多くの人の未来やいかに?
誰もがスペシャリストになれるわけでもなく(高価値のスペシャリストになるには努力と鍛錬が必要で、ある道のプロになるには一説には1万時間が必要だが、その努力をする気になれず怠惰に日々を過ごしてしまう人のほうが実際は多いだろう)、誰もがポッセやビッグアイデアクラウドを築けるだけのコミュニケーション能力や意欲があるわけでもない。
よって、1万時間の努力などしたくなく、スペシャルな領域を持つ意欲もなく、ポッセやビッグアイデアクラウドをグローバルに築くことなどできない、(自分を含む)平凡で怠惰な多くの人々は、貧困層に没落するしかないのか・・・と思うと、ちょっと暗い気持ちになった。(笑)
やる気はあるが方向性が見えていない人に、こっちだよ、と正しい方向とやり方を指し示す--- それは多くの書が行っていることです。でも、やる気の無い人に、意欲と勤勉さを持たせる方法を「正しく」解説した書には出会ったことはないなあ。だってそれって人間技じゃないもん。
宗教による救いを求めていない人に、宗教の必要性を強引に持たせることはできず、本人が「気付く」のを待つしかないのであります。それと同じじゃないかなあ。
この本の指摘によって目覚め、努力する人は、そもそも本人の中に意欲の種がある人。自覚的にせよ無自覚にせよ、必要性を感じている人。
投稿元:
レビューを見る
ここ数十年続いた社会の仕組みが大きく変わろうとしている最中なのは頭では理解するけど、実感もしくは自分の行動として生活にどう変化が起こるか・起こすか、なかなか難しいものである。
この本はいくつかのメガトレンドを軸に未来を単に予想するのではなく、ペルソナ的な個人レベルの生活のストーリーとして提示してくれる。それを見て感じて2025年の世界を垣間見るのだ。確かにこういう手段で見せられるといろいろ考えるべきことが浮き彫りになる。
それらの中から著者は3つのシフトを提示している。この中で自分としては第三のシフト「大量消費から情熱を傾けられる経験へ」のところが、まさに今まで漠然とした不安というか自分の中でよく見えなかった塊というかその部分であることに気付かされた。
価値の変化、お金と消費に価値を持つことが常識だった社会からの脱却。
つまり人生における日々の選択の基準、これを自分としてどう持つか。今までの人生で染み付いてしまっているものから「シフト」できるか。難しいけどなかなかやりがいがある課題である。
投稿元:
レビューを見る
10年先の働き方について予測する本。
環境の変化、いくつかの構造的問題を挙げ、2025年のある一日の生活をシュミレートしている。物語風でリアルに伝わるのは良かった。
その上で著者は3つの働き方のシフトを提案している。
------------------------------
第一のシフト ゼネラリストから連続スペシャリストへ
第二のシフト 孤独な競争から『協力して起こすイノベーション』へ
第三のシフト 大量消費から『情熱を傾けられる経験』へ
------------------------------
実際に現在の仕事の中でも大きなトレンドとして感じている内容だった。特に第二、第三のシフトは突き詰めれば仕事、生活におけるテーマ探しになると思う。今の仕事の質にもっとこだわっていくことが近道になるのかも。
投稿元:
レビューを見る
書店で立ち読みしたら、目が離せなくなり、購入!
未来の働き方のSHIFTが描写されているけど、
その現状とのGAPは、まるでSFを読んでいるかのよう。
とはいえ、それがただの空想物語で終わってしまうのでなく、
現実味という重力を持ってこちらに来るのは、
膨大なリサーチと、そこからの正確なロジックの組み立てがあってだと思う。
だからといって堅苦しいのでなく、短いストーリーを用いて書いているので、
個人的にビジネス小説にありがちな無駄に長いことや、
専門書にありがちな、理論ばかりで頭が混乱するのを避け、
非常に読みやすかったし、理解しやすかった。
更に、諸々の同じテーマに扱った本の中でも、
一番、説得力と具体性があった。
とはいえ、もっと深読みして自分にひきつけないといけないから、10回ぐらい読み返すだろうな~。
そして2025年ごろに再読して、どこまで予言が当たるか確認したい。
今後も、自分の想いをかたちにしながら働き続けたいあなたには、
是非、読んで将来に備えていただきたい、そんな一冊。
投稿元:
レビューを見る
話題の本なので読んでみたけれど、退職して瀬戸内に移住した自身のシフトの事後確認みたいなものだった。
結論として、概ね自分のシフトを肯定できる内容。少なくとも漫然と生きていく(例えば、大企業に務めて安心という)のではなく、意思と勇気を持って生き方や働き方を選ぶべきだと思います。
前職の知人たちには一読を勧めてもいいかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
これからのグローバル化をはじめとする環境変化に対して、我々は働き方をどう変えてゆくべきか、という問題提起です。著者のリンダ・グラットン女史は英タイムス誌、世界のトップ15ビジネス思想家、らしいです。社会構造や産業構造の転換の話ではなく、今、企業勤めをしている個人の立場から、今後、どう自分の市場価値を高めてゆけばいいのか、どういうスタイルが満足感が得られるのかという話が具体的に語られています。未来を形作る5つの要因として、
1.テクノロジーの進化
2.グローバル化の進展
3.人口構成の変化と長寿化
4.社会の変化
5.エネルギー・環境問題の深刻化
をあげていて、何もしないでいると、テクノロジーのおかげで、24時間仕事とつながった世界の中で、時間に追われる生活、地域社会や家族、あるいは企業の中でも分断され、孤独にさいなまれる生活、グローバルな競争社会の中で、多くの新しい貧困層ができ、そこに陥る(自分の市場価値がなくなる)不安と戦う生活が待っている。
そうならないためには、
1.今後はゼネラリストは意味を持たないので、(グローバルで通用する)専門的な技能や知識を磨きましょう。それも、老後の長いこれからは一つではだめで、連続した2つ以上のスペシャリストであることが望ましい。また、企業に属することが自分の身分証明出会った時代は変化しているので、セルフマーケティングが必要。
2.孤独に陥らないように、オンラインで仕事に協力してくれる人や知恵袋となってくれる人を意識的に探して関係を維持しましょう。また、地域や家族を中心に、支えや安らぎとなるコミュニティを育てましょう。これは、以前のように誰でも自然に持てる物ではなく、自分で住む場所を選び、多様な家族形態の中から選び取るもの。(これからの家族形態は、離婚再婚、同棲、シェアハウス等、何でもありの状況です。)
3.「仕事は高い給料をもらって消費するためにある=幸福」という価値観は壊れつつあり、経済的にはある程度不利であっても、「仕事を通じて得られる経験に価値を見いだすこと」に変化している。仕事や働き方の定義自体が、「会社の中で9時から5時まで働く」から、在宅勤務、育児のための時間を考慮した働き方等、場所や時間にとらわれない働き方になり、NPOやNGOの活動、社会起業等の「働き方」も単独で、あるいは会社勤めと併行したキャリアとして認知されつつある。会社の「犬」として出世を目指すのではなく、自分なりの経験値を高める努力をするべきで、それがキャリアとしての価値となる。
といった内容です。
就職してしまえば会社やその役職が身分証明であり得た安定した時代から、セルフマーケティングや社会活動を含めたキャリア形成をしないと、社会から認められない不安定な時代になったとも言えます。流動的で柔軟な思考が必要です。そのために、インターネットが時空を超えたつながりの手段を与えてくれたといえるでしょう。
インターネットで世界や共感の幅が広がることは素晴らしいのですが、物事が表層的、表面的になる傾向が出てくるでしょう。また、グローバル化��世界の均一化を進めると思うので、一方でよほど多様化の深化に努めないと、グローバル化自体もその意味を失ってしまうでしょう。なぜなら、多様なものがグローバル化されることに意味があるので、世界中がアメリカになってしまったら、新しい物も生まれないし、おそらくグローバル化の感動はないでしょう。(オリンピックがあっても誰も見ないかもしれません。)
世界中の個人が自分の認識能力を超えた競争の中で生き残るためには、筆者のいう努力とともに、地域単位の目に見える範囲内での社会や経済の確立も必要でしょうね。基本的には、グローバル化の中で個人は競争にさらされていて、これまでそれを隠していた企業はその役割を担えなくなっていますが、それに変わるバッファーがないと、それこそ多くの新しい貧困層が出現してしまうでしょう。
投稿元:
レビューを見る
内容としては話題になる程ではない。ただし未来の現象ということで5つの要因と32の要素としてまとめられているのは便利。これをどのように使うかがポイントだと思う。
投稿元:
レビューを見る
これからの働き方は孤独の競争から他人との「協力で起こすイノベーション」へとシフトしてゆく。
自分のブランディングも必要。ひとつの会社でしか通用しないスキルでは通用しなくなる「連続スペシャリスト」へのシフト。IT化で24時間仕事に拘束されるようになった現代では、時間に追われ専門的な技術を磨きにくくなってる。
平均寿命がのびている今、70歳まで働くことも現実になるかもしれない。
今後の職業選択の重要な基準は「豊かさ」「贅沢」から「幸せ」「再生」が用いられることが予測される。
今後希少な専門技能となる分野は、生命科学・健康関連、再生可能エネルギー関連、創造性・イノベーション関連、コーチング・ケア関連の4つが挙げられる。
投稿元:
レビューを見る
経営組織論の第一人者で、「世界のトップビジネス思想家15人」にも選ばれているリンダ・グラットンのはじめての日本における翻訳本。未来の働き方を予測する、2025年という具体的な設定での物語や豊富なデーターから読み解いた分析は大きな道筋を示している。あらゆる人に必読の書と感じた。
未来を形づくる五つの要因
1.テクノロジーの進化
2.グローバル化の進展
3.人口構成の変化と長寿化
4.社会の変化
5.エネルギー・環境問題の深刻化
細部の予測は不可能でも大きな流れ、方向を見渡すことは出来る。これは田坂広志の論文で何ども書かれてきたことであり、田坂広志自身もその大きな流れを的中させている。
産業革命や戦後と同等の大きな変化の真っただ中にあると言われている、しかし、人は日々に流されてしまう。上記5つの要因は誰もが感じている、現在の我々の技能がテクノロジーに奪われる、日本においては新興国のマンパワーがとって変わる、70,80歳でも働き続けなければいけない時代が来る、ネット社会が生みだす問題、エネルギー問題がもたらす様々な状況など、全てを結びつけることで具体的な物語が見えてきた。
時代は変わったのだ、真摯に受け止めたときに、すべきことが見えてくる。やはりテクノロジーだけでは生きてゆけない、人間が持つ最強の力、つながり思いやれるという特性が未来を救うだろうという確信。やはり時代は「競争」から「協力」へシフトしたんだと思う。
久しぶりの万人にオススメの書。更に深く。
投稿元:
レビューを見る
20年後の近未来におきうる仕事や生活の変化についての予想図。平均年齢が70歳を超える今私たちは、たぶん70まで働きつづけていくんでしょうね。それは新しい価値観をもって生きていくということです。勉強になりました。