音楽でしか消せないしこり
2015/09/29 15:29
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
竜ヶ坂商店街フィルハーモニーというアマオケの指揮者である一之瀬七緒の下でコンマスを続けることにした藤間響介に、父親の藤間統から電話がかかってくる。それは彼に弦を置く様に告げるものだった。
せっかく、車椅子の指揮者をネタに取り上げたい新聞社が取材に来たおかげでドラフィルの名前が売れてきて、次回公演も評判となり始めていたにもかかわらず、肝心のコンマスは精神的なダメージでまともな演奏も出来ない。そこで七緒は、響介の奮起を促すため、彼自身が再度立ち上がるために弾かなければならない曲目を、彼自身に選ばせる。
そんな個人的な問題を抱えつつも、ドラフィルのメンバーにも問題が絶えない。商工会の副会長がドラフィルに反対を表明したり、新ティンパニ奏者の兄弟間の不和が発覚したり、ヴィオラ奏者の高坂幸の母娘の問題が明かされたり、それぞれの問題の根幹には音楽が大きく関わっている。
ゆえに常任指揮者とコンマスは、音楽によってその問題の本質を理解し、音楽によってそれを緩和する解を示すのだ。
示された解が正しいかどうかは必ずしも重要ではない。関係者がそれに納得し、受け入れることが出来れば、それには意味がある。それが他者を理解すると言うことなのだから。
仮にこの作品に続巻があるとすれば、次の相手はこれまでで最も手強いことだろう。
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投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直、前作よりつまらなかった
相変わらずのお悩み相談&解決だが、キャラクターに魅力がない
主人公との絆がまったくないまま奇人変人扱いでは、音楽のために嫌々付き合ってるようにしか見えない
今回のテーマである親子の絆も、結局解決しないまま自己満足と傷の舐め合いでは、馬鹿馬鹿しいにも程がある
音楽センスもなく、なぜアマオケ描こうと思ったのかが不思議
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あのドラフィルをどう続けるのかと不安でしたが、
杞憂でしかありませんでした。
考え、想像を巡らせる楽しみを残しつつ、
王道的に、実にシンプルな展開。
音楽の盛り上げ方も良かったです。
コミカルさなどはいまいちですが、
まじめな作品かなぁという感想。
面白かったです。
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親子、親戚、旧友などなど様々な人間関係のほつれを実在の名曲を介して解決していく。
とある商店街オーケストラによる人間ドラマの第二弾。
前巻に比べ演奏シーンが物足りなかったかなとは思ったものの、相変わらず素敵な作品です。
音楽は素人故登場する曲はタイトル自体はほとんど聞いたことがないんだけど、YouTubeなんかで聞いてみると耳にしたことがある曲ばかり。
テーマとなっている曲を聞きながら読むと、より一層味が出てきます。
また、ドラフィルの中心である七緒がすごくいいキャラ。
さばさばしててぶっきらぼうではあるんだけど、街の皆から信頼されてる様子がよくわかる。
彼女自身の話は前巻で一区切りついているけど、今回も大活躍してくれています。
主人公の響介ともいいコンビ。
もう少しこの二人とドラフィルの物語を読んでみたいです。
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商店街オーケストラ人情物語第2弾!
とても濃密な一冊でした。和解の一冊だった。赦す一冊だった。受け止めて、受け入れて、理解して、許容して、昇華する。旧友、兄弟、母娘、父子……先へ進めるように。
それにしてもこの作品の女性はよく不貞を働きますね。遺憾です……。
恋愛方面は全くありませんでしたね。
もう続きは出ないかな。もっと読みたいけれど。
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人と人を切り離すのが、音楽ならば、人を結びつけるのもまた音楽。余計なエッセンスなしに、そのことを強く語りかけてくれる作品。
前作と雰囲気は変わらず、良い作品に仕上がっている。
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次が出たので終盤で放置だった今巻を読みきった。
どうもこの人の書く話は主人公以外の話のほうが面白い。
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2012 10/11読了。筑波大学春日エリア書籍部(丸善)で購入。
商店街振興のためのアマチュアオーケストラに縁あって在籍している落ちこぼれヴァイオリン奏者と車椅子の元気指揮者のシリーズ、2巻目。
今回はコンマスとそのお父さんの確執がテーマに。
出てくるクラシックやそれ以外の曲を聞きたくなる話が多く、他の創作物に対する欲求を高める創作物はそれだけでよいものだ、法則に従いこれもいい本だと感じたとか、なんとか。
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まさしく親子が紡ぐ暖かい物語でした。
みんな悩んで、でも音楽には一途で。続編ですが、蛇足感はまったく無く、テンポ良く楽しめました。
終盤の下りには胸が熱くなったり。安心して読書出来る作家さんだと思いました。
前巻を読んで面白いと感じた方はきっと今作も気に入るはずです。
お薦めです!
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前作で描けなかった主人公と父親との関係が描かれている。
物語の構成は前作と同様に主人公と指揮者の2人がアマオケに参加している人の悩みや問題を音楽と結びつけて紐解いている。
前作より、演奏の迫力が落ちたように感じたため星を1つ下げましたが、クラシックや楽器に興味を持たせてくれる作品だと思います。
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1作目は指揮者を軸に、2作目はコンマスをベースに家族の物語を絡めつつ、4楽章にそれぞれの小さなミステリーを絡ませて、音楽として纏まっていく素敵な仕上がり。一気に読めました。
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本屋さんで見付けてすぐに買ったのに棚に入れっぱになっていたのを漸く・・・
1巻ではとにかくぶっとんでる七緒に最初はついていけなくて、他のキャラにもなかなか慣れなかったのに・・・慣れると面白く感じてくるから不思議
七緒は内面が、本音が見え切らなくて、美しい嘘を彼女もまた纏っているのだろうか・・・?とか思いつつ、今回はとにかく様々な人間関係のほつれを解いていく内容で、夫々の真実にビックリしたりちょっとあきれてみたり・・・
前回よりも詰まってた感じはする でも演奏シーンの迫力ちょっと落ちた?
あと最期がね・・・彼らなりに仲直り出来たのはよかったんだけど・・・あのヴァイオリンが結局お父さんの手元に戻ったのが、腑に落ちるようで落ちん
父は偉大だって思う響介の気持ちはは分かるんだけど、響介の手で鳴ったっていうのに、手放してしまうのか・・・っていう勿体ないなって気持ちがどうしても抜けない
あと、Raised on RockのRaisedのふりがな/読み方が腑に落ちん 教科書的な音では全然ないし 誰の読み方なんだろう? 英語ダメダメかと一瞬思ったよ
エルビスの読み方かと思って曲聴いてみたけど、おかしな言い方してないし でもwikiだとアルバムの邦題がふりがなと一緒だし・・・分からん
一方で新しく出てきた修一と聡志が結構好きだし
皆がワイワイやってるシーンとか面白かったなぁ
修一と吹子とかちょっと気になるけど・・・あとがき読んだ感じだと続きは出ないかもね
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母は、家にお客様がみえると、
父の歌に私のピアノ伴奏で、音楽のおもてなしをさせるのが好きでした。
若い頃、声楽を習わせてもらったと言う割に、リズムが全くとれないひとだったので
音楽に人一倍、憧れがあったのでしょうか。
私も小学生くらいまでは、母に言われるまま張り切ってピアノを弾いていたのですが
中学生くらいになると、反抗期も手伝って、
お客様みんながみんな、音楽が好きな人ばかりじゃないのに、と
いやいや演奏することが多くなってきて。。。
ある日、父に言われたのです。
「おまえの伴奏、この頃歌いにくいぞ」って。
そうですよね、いやいや弾いている伴奏で、気持ちよく歌えるわけがない。
両親との仲が劇的に悪くなる、というようなことはなかったけれど
この言葉が若かりし頃の私にはかなりトラウマになっていて
父の歌の伴奏をすることは長い間ありませんでした。
でも、実は数年前、故郷の小さなホールで、
父の歌に私のピアノ、娘のクラリネットで、三世代のコンサートをしたのです。
離れて住んでいるので、父との合わせ練習はたった1日しかできなかったけれど
亡くなった母の写真をポケットに入れて歌う父の声と私のピアノが
本番のステージで重なった瞬間、過去の「音楽のおもてなし」に纏わる
いろんな拘りがほどけて、音楽でまた家族が繋がった、と思いました。
そんなことを思い出した、今回の『ドラフィル!2』。
モンタギュー家とキャピュレット家のごとく、寄ると触るとケンカする
祖父たちを仲直りさせようとするけなげな孫がいたり
(あちらの孫娘へのほのかな下心があるあたりも、まるでロミオとジュリエット♪)
同じフレーズを840回繰り返す、サティの珍曲『ヴェクサシオン』を
1日1フレーズ、2年数か月かけて、追悼の想いをこめて弾く母の真意に
やっと思い至る娘がいたり
前作から引きずってきた、母に対する七緒の拘り、
父に対する響介の反発を、音楽がゆるやかにほどいて
赦し、赦され、繋がっていく喜びを、竜ヶ坂商店街オーケストラが高らかに奏でます。
音楽への信頼と愛情を、賑やかに楽しく伝えてくれる1冊です♪
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「お前にこれ以上、ヴァイオリンを続ける価値はない」
そう父から言われ、コンマスを務める主人公の竜ケ坂オーケストラ(通称ドラフィル)はかき乱れる。
そんな中指揮者である七緒のもとにあるものが送られてきて…。
商店街の個性的な音楽好きが奏でる物語の第2弾。
正直、1巻で完結したと思っていたんで続編がでて本当にうれしいです!
美奈川さんの作品は描写がとても綺麗で物語の中にどんどん引きこまれていきます。
最後の演奏のシーンなんて音がホントに鳴り響いているよう。
音楽好きならより楽しめる内容ですが、そうでなくても十分楽しめます。
できることならば書の中で奏でられる「マイスタージンガー」や「ラ・カンパネラ」を聞いてから読むともっと楽しめただろうなぁ。
各章も音楽というものを題材にいろいろな人たちの人間模様をしっかり描いていて読んでいて心地よいです。
あえて苦言をいうならMW文庫なので絵が表紙しかなく、キャラ達の顔がでてこないところか。
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第2巻。
1巻でなんとなく完結っぽかったんだけど、なんとか2巻をひねり出したという感じ。
父子の葛藤をベースに銘器「メサイア」をおりまぜながら進行。
写真屋の倅や魚屋だっけ?の弟さん、ジャズピアニストの娘など新キャラも続々?
ラスボス?のヴァイオリニスト母がまだ派手に登場していないのでもう1冊くらいは引っ張りそうな感じ。