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のっけから夫婦仲を否定するような書き出しから始まり、始終不穏な空気が漂うこの作品は夫側つまり男性目線で描いている。
しかし、さりげない比喩表現がとても豊かで一文一文堪能しながら読めた。意外と結末はシュールで私的にはかなりお気に入りになりました。
同時収録の「ペナント」も懐かしい題材を使いつつ、違う世界を堪能できた。
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物語自体に面白さはないけれど、
同じレベルのものを書けと言われても書けない。そういう作品。評価が低いのはつまらないからだから当たり前。
これだけキャラクターにわけわからん雰囲気を纏わせるのも、ちょっとした比喩の積み重ねで作品全体の「終の住処」をつくるのも、技術として尊敬できる。つまらないけど、私は好きです。
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第141回芥川賞作品。
夫である「彼」目線で淡々と物語が進んでいく。サラリーマンとして頑張ってるっぽいのに、空っぽで虚しく感じる。
芥川賞作品、まだほんの数冊しか読んでいないけど、私には難しいです。。むむむ。
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未だに現役サラリーマンの芥川賞作家の芥川賞受賞作。
我慢して我慢して、彼自身の言葉で、一つずつ繋いで文章にしていく。人間も彼の目線もしっかりと地に足がついている。面白い、サラリーマンとかその辺を書こうとすると愚痴っぽくて詰まらないけど、この人は人間見れてる。綿菓子の描写がいい。小説ってこういうもんだよなぁと思うと同時にそういうもんとしかか見れない、もっと違うものとして、再確認以上のものをこの作品から引き出せなかった、自分の力不足。おれはこの話もこの作者も嫌いじゃない。
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えっ、コメディ?(笑)
タイトルから、暗~いしみじみした地味な話かなぁと思ってたら、なんかこのダメ男くんおもろいんだけど!
妻が分からん・・・女は怖い・・・・ともがき続けながらも8人と不倫て!www 逆走くん?なんなの?
8人と次々に不倫してるぐらいだし、会社でも出世してるみたいだからエリートのモテ男なんだろうけど、その内面が結構行き当たりばったりで、本当に直面しないといけないことからは逃げ続けてて、挙句の果てに延々もんもんと悩み続けてる・・・て、なんかもはやギャグですなw
最後はいきなり、えっ、しまこうさく!?と思った・・・。案外そんな出世コースをたどるのかも。
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『ぐずぐずと思い病んでいるあいだに、時間のほうが俺を追い抜いてしまっていたということじゃないか!』『この理論はあきらかにおかしい、因果関係が、時間の進行方向が反転している。』というような、特徴的な時間感覚が描かれている。物語というか、展開というか、話には流れがあるけれど、出てくる人物に名前が与えられていない。第三者の目線で出来事が語られる。男の感情が、客観的に表面に露出したものが描写されるけれども、内面の描写が少ない。登場人物の感情に共感させようと書いた小説ではないように思う。そういう点で、だれもが読みやすいという小説ではなかった。
それでも、起こる出来事がなんだか不思議で、不安定さが漂っていて、牽引力があるので、最後まで読み切られたんだと思う。
作者がどんなことに興味をもって、この小説を書くに至ったのか、気になる。そういうことを踏まえて読んでみたら、もう少し面白がれる点が発見できる気がした。
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サクッと読める。
個人的にはペナントの方が好きだった。
驚くには値しません。あなたのような類の人間は、常に人生最後の1日をいきているのですから…って老婆の言葉が好き。
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ラテンアメリカ文学の影響を受けたという作者の作品。表題作も併録の「ペナント」も、異質な、重層的で、異空間な作風。「ペナント」に関しては全く理解できなかった。
多分「終の住処」に関してもそれほど理解は出来ていないのだと思う。とにかく一文が長く、それこそ海外文学の影響を受けた様で、文章も読みやすくは無いが難しいわけでも無くそれでも複雑だったりする。ストーリーに関していえばあってないような、滅茶苦茶な構造。個人的な本作の魅力はその中に含まれる独白にある。特に、人生経験を積めば当たり前に思うだろうが、「10年の月日よりも今という一瞬の方が長い」といった様な文章が平然と並んでいるこの言葉の引き出しに感嘆を思わず漏らしてしまう。
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あー、芥川賞だねえという感じです。意に染まぬ結婚生活から、ある日を境に妻が口をきかなくなって、次に話したのは11年後。こういうと意外とわくわくしちゃいますが、殆ど散文に近いものとして考えて貰ってよいかと。リズムで文章を読ませる以外のなにものでもないような気がします。全然わからないけど意外と好き。
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妻と11年口をきかなかった男の話。
妻との関係性が強調されるけれど、この男、妻に限らず誰ともコミュミケーションが取れていない。会社勤めはしているし不倫相手もいるし家を建てるのに建築士とも会話をするんだけれど、でも向き合っても会話をしてもなにしても、本当は全て一方通行で、何一つ相手に響いていないし、自分にも響いていない。孤独。でも本当に孤独なのは、その孤独さに本人がまるきり気づいていない点にあると思う。
最初読んだときは意味わからんと思ったけど、再読すればするほど面白くなる物語だった。
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一人の男の結婚から定年間近までを描いた作品。
結婚の時に見た、疲れたような、あきらめたような表情はいつもの時もそこにあったのかと思うと、結婚は嫌なものだなと感じてしまう。安易に結婚してはだめだと言われている気がした。
会社に飼われる男性の哀愁さそわれる作品だった。
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よく分からなかった。だけどなにか不気味に迫るものがある。家庭を持つ父親の一生を表しているのだろうけど。辛いなあ。家族に疎外され、家を建てる決心をしたことで一瞬明るさが差し込むもまたすぐに仕事に家庭の時間を奪われ、ひと段落したころには子供が家を出て行っている。うん、ざっくり言うとそんな感じだよね、一般的な父親の一生って。怖くなった。家庭内に理解者がいないことがこんなに恐ろしいとは。これは極端なフィクションだけども、確かに家庭での役割を互いに理解し合えている家族というのは実際にとても少ないかもしれない。あとは人生のその時その時における時間感覚の違いについて示唆しているのかな。よく分からないけれど。場面移行の唐突さとたびたび起こる非現実的な出来事の挿入に途中、この話は悪い夢なんじゃないか、夢であってほしい、と思ってしまったが、それは狙いだったのだろうか。不気味だった。
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図書館で。
芥川賞だか直木賞取った作品なんですねぇ。ソウナンダ~という感じ。個人的にはあまり好きな作品では無かったなぁ。
なんとなく主人公が一人壁打ちしているような、シャドウボクシングを延々としている様を見させられているような小説だなぁと思いました。主人公と世界しか無くて他に人が居ない感じ。こんなに人間関係って希薄なのかなぁなんてぼんやり思いました。
後、不思議に思ったんですが浮気とか不倫ってそんな簡単に出来るものなんですかねぇ?学生時代には意中の人と、もしくはクリスマス前なんぞは異性だったら誰でもいいから付き合いたいというような思いを持ちながらも独り身だった、みたいな人が結構周りに居たのに対して大人になったらこうも簡単に相手は見つかるものなのか?(笑)需要と供給というのはいつの時代もうまい事釣り合わないものなんだろうかなぁ…しみじみ。孤児がどうのとやたら孤児を連発している後書きだったけどそれもなんか意味がよくわからなかった。
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二十代の恋愛に敗れ、互いに三十を過ぎて結婚した男女。
疲れたような不安定な新婚生活を経て、ある時から十一年間、妻は口を利かなくなる...
百ページに二編の薄い短編集であるが、非常に難解。いや、読みづらい。自分の読解力が乏しい為なのか、場面が唐突に変わりすぎるし、ダラダラ、フラフラ、もやもや。
人生の虚無感を表現したのか、男という存在の浅ましさ、結婚の理想と現実を表現したかったのか。
二編目の『ペナント』に関しては、もはや全く理解できない。なんだったんだ、あれ。
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文と文の流れがスムーズでなくて読みずらかったというのが全体の印象。
これから、彼ら夫婦二人はどうなってしまうんだろう。お互いに、好きでもない同士、死ぬまでの時を一緒にすごすのか。これもまあ、彼が行ってきた報いなのでしょう。人間、日ごろの行いはいつか返ってくるとはこのことか。