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◆ お風呂でミステリ ◆
・・・ 第九回 「9マイルは遠すぎる」 ・・・
ジェームス・ヤッフェと同じく、ユダヤ人の作家、ハリイ・ケメルマンの、ミステリファンなら知らない人はいないであろう、超有名短編です。
大学生に英文を教えているニッキイ・ウェルト教授が、11語の文章
「9マイルは遠すぎる、まして雨の中ならなおさらだ」
という文章からなにが推論できるか、という遊びをやってとんでもない結論を導きだす、というもので、もうこれは古典というか、教養になっているクラスだと思うので、司書なら読んどいた方がいいよ、と思います。
2017年08月01日
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本のタイトルにもなってる「九マイルは遠すぎる」が特に面白かった。
ただ、あらすじにかなり重要なネタバレが書いてあるから、これから読む人は気をつけて欲しい。
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久しぶりのミステリ。「9マイルは遠すぎる」という言葉。指紋の残る誘拐犯の手紙。コーヒー党の若者がならした湯わかしの音。などなど、ちょっとしたヒントから推論を組み上げる安楽椅子探偵ニッキィの活躍。
正直にいうと上記の三編以外はいまいちに感じて。なんでだろう?一言でヒントを示せないから?いや示せるな。ただそれがクリアに、強調して示されない分印象が弱くなってるのかもしれない。
いまいちに感じた、ってだけで、安楽椅子ミステリとしてもちろん面白かった。翻訳から45年近くたってるのに古く感じないのもすごい。言語学者の知識を礎としてるこの作品ならではなのかな。
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「9マイルもの道を歩くのは容易じゃない、まして雨の中となると尚更だ」という何気ない一文から推論の末、殺人事件の真相を暴き出す、という裏表紙のあらすじに惹かれて手に取った短編集。
表題作を含めどの話も、常にちょっと上から目線のニッキイ・ウェルト教授がその場にいないにも関わらず、ほんの些細な手掛かりで表面上分からない犯行(ほとんど殺人)を解き明かすという“安楽椅子探偵”の作りで構成されています。
狭い世界で登場人物も少ない中なので犯人はすぐ分かりますし、トリックも難しいものではなく、ハラハラドキドキはありません。
ニッキイ・ウェルト教授のキャラクターを楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれそうな。
個人的には裏表紙のあらすじに勝手に騙されたなぁという気がしました。
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父が貸してくれた本。
読んだらめっちゃ好きなやつでした。主人公のニッキィと語り手である「わたし」のやり取りに、最初はイギリス人かと思いましたがアメリカが舞台でした。ウィットに富んだ登場人物の会話、少ない手がかりから導き出される意外な答え。オチの付け方もオシャレ。お父さん素敵な本をありがとう!
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よく聞くタイトルだったので読んでみなくてはと思っていました。安楽椅子探偵ものですね。面白かったです。読めて良かった(^^)
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私が買っていた本で(当然私は読み終えている)、ダンナが大好きな「ののちゃん」に載ったと言う事で俄然興味を持ち「アンタ持ってたよね?」って読んで「もっと早くに読めば良かったー」ってダンナが言った推理短編が「九マイルは遠すぎる」です。
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ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」読了。ニッキィ教授が活躍する推理小説の短篇集。1話目が秀逸。何気に思い浮かんだ文章”九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、ましてや雨の中となるとなおさらだ”から引き出される論理的な推論がまさかの展開にとても驚いた。
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書店の棚で見つけ、背表紙のあらすじを読んで、面白そうなので買った。
ミステリの短編集である。
面白いのだが、やはり短いものばかりなので、物足りない。
「金曜日ラビは寝坊した」はおそらく品切れか絶版だろう。
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文句なしの星5つ。
タイトルだけは知ってたけど、今まで読んでなかったのが悔やまれるような、むしろもっととっておきたかったような素晴らしい短編集。
ミステリによけいなものはいらないとばかりに削ぎ落とされた文章なのに、どうしてこんなに魅力的な人物を描けるのだろう。表題作でニッキィが大好きになり、この本におさめられている物語以外にはニッキィはいないと知り、大事に大事に一話ずつ読んだ。
ほんと好き…
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なんか急に翻訳もののレジェンドミステリが読みたくなりまして。有栖川有栖が著作で薦めていた本書を読んでみました。
作者実体験による「九マイル」から著作に落とし込んだって経緯がそもそも興味深いですね。内容は・・・若干無理矢理じゃないか?と思ったりもしたものの、一種の思考実験と思うとこれもまた面白い。そこから徹底した安楽椅子探偵のニッキィが大活躍。表題作を読みたくて選んだんですが、むしろそれ以外の方がだんだんと話がこなれてきているようでとても楽しめました。
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安楽椅子探偵ものでよく引き合いに出される「九マイルは遠すぎる」今回初めてこの話が14年間も練られて完成したストーリーであることを知りました。推論を重ねてたどり着いた先に、出題者にも思いもかけないラストが待っているところなどはやりすぎと思えるほど見事です。この本はこの話で探偵役だったニッキィ・ウェルト教授の短編集ですが時代背景と異国ということから多少想像しにくい面はあるもののニッキィとわたしとの掛け合いも楽しく言葉遊びも含め翻訳はかなり読みやすいと思います。好みは「エンド・プレイ」「時計を二つ持つ男」。
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20世紀アメリカの推理小説家ハリイ・ケメルマン(1908-1996)の短篇集。
白眉はやはり表題作。まず思いつきの言葉だけが脈絡もなく与えられて、そこから推論の力だけで或る物語を導出し、最後にそれが現実と結びつけられていく。所与の状況に依存したやや強引な推論が見られるのも確かだが、論理性以外の要素を極力排して純化された無条件的な知的遊戯のこの展開の仕方がなんとも心地よい。
「たとえば十語ないし十二語からなるひとつの文章を作ってみたまえ・・・そうしたら、きみがその文章を考えたときにはまったく思いもかけなかった一連の論理的な推論を引きだしてお目にかけよう」
「序文」に書かれた本作品誕生までの経緯も面白い。なお、有名な文句「九マイルは遠すぎる、雨の中ならなおさらだ」の原文は、次の十一語からなる。「A nine mile walk is no joke, especially in the rain.」
名のみ知っていたこの作品を手に取ろうと思ったきっかけは、2019年7月10日の朝日新聞朝刊に掲載された四コマ漫画『ののちゃん』。作者のいしいひさいち氏に感謝。
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transcendentalさんのレビューを読んで、
https://booklog.jp/users/transcendental/archives/1/415071102X
恥ずかしながら、まったく知らなかった作家・作品だったのだが、
興味を持ち、購入。
大学の英文学教授ニッキイことニコラス・ウェルトの名推理を、
友人で、法学部教授を辞し、
郡検事となった語り手の「私」が綴るシリーズ、全8編。
表題作の原題は「The Nine Mile Walk」。
推論について論じるニッキイと「私」。
ニッキイは、単語10~12語で短文を捻り出せば、
その内容から意外な論理的結実を引き出せると言う。
「私」が何故か、ふと思い浮かんだワンフレーズ、
A nine mile walk is no joke, especially in the rain.
――九マイルは遠すぎる、雨の中ならなおさらだ。
を口にすると、ニッキイはそれを深堀りして、
ある犯罪を暴き出した――。
ごく短いセンテンスに複雑な意味が込められている場合もある、
という話。
行間を読むこと、頭の中でイメージを膨らませ、
思考の筋道を通すことの重要性を再認。
以下「屁理屈安楽椅子探偵」(笑)の活躍が描かれるのだが、
初手のインパクトが強すぎて、
他の7編はあまり頭に入らなかった(トホホ)が、
論理にこだわる人たちがチェスを嗜むという辺りがリアル。
殺人現場の写真を見て、
チェス盤の状況から犯人と犯行の手口を言い当てる(「エンド・プレイ」)
なんてカッコよすぎ。
ちなみに、入手したのは新品で、
2017年12月、17刷(初版は1976年7月)――
ということは、コンスタントに需要があるのですね。
カバーデザインがお洒落で、しかも、
「The Nine Mile Walk」理解の一助に。
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安楽椅子探偵。事件の現場に行かず状況を聞いただけで物事を特定できる探偵。
探偵ものではかなり好きな部類。
主人公のニッキィと語り部の郡司との掛け合いがホームズとワトソンを連想させる。
短編集で1話1話程良い長さで読みやすい。
とにかく題名がかっこいい!!
「一連の推論が理にかなったものであっても、かならずしもそれが事実とは一致しない」
それをことごとく自分で論破してしまうあたりカッコ良すぎる!