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ペリー来航(1853)から西南戦争(1877)までの25年間を語っている。この25年間の密度のなんと濃いことか。
ただ、半藤氏は司馬遼太郎がお嫌いなようで、所々で司馬作品の批判をされているが、これはいかがなものか。所詮は作り話である小説に対して「史実と違う」と文句を言うのはお門違いであろう。歴史の話に歴史小説の話は不要。こんなことで折角の講義が床屋談義めいてしまったのは誠に残念。
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江戸時代末から明治初期の大政奉還を軸とした 前後25年の歴史を解説した本であり 著者が講演で 語った 内容を纏めた書であります ペリー来航のさい 将軍が 諸藩に対し 意見を求めたのだが 日和見主義が多かったそうです
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通常の歴史読本と違い、薩摩長州史観を批判する目的で書かれている。
今まで意識したことがなかったが、指摘されるとなるほどと思わされる。
如何に歴史教育が重要か、そして中立的(思想の入らない)書き物が少ないかを痛感する。
やはり中立的な文章はあり得ないと心に刻み、自分の芯を確立していくしかない。
文章も、口述したものを起こしたものとしてはかなり読みやすい。
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従来の薩長観とは異なるとはいえ、日本史が弱い人間には取っつきやすい内容。これを足場にもうちょっと歴史物を、と当時は思い、今も思っているのだが、なかなか進まず。もうちょっと歳とると、興味がもっと出てくるはず。日本史のここらへんは面白い。
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東京育ちで父方の実家が長岡という半藤さんが、反薩長史観で書いた幕末史。特に幕府が瓦解してから、権力奪取が優先で国家の枠組みづくりが後回しになる明治政府のダメっぷりをよく書いてくれている。そして、西軍の戦死者を英霊として祀っても負けた東軍の戦死者は朝敵としてうっちゃっている靖国神社に対してモニョってる半藤さん、私も同感です。勝海舟の活躍にページを沢山割いていて、江戸無開城から箱館戦争までを思いっきり駆け足にしているところだけが残念。
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江戸っ子の気持ちを持って見た幕末史。勝と西郷にやや甘い気もするが、
薩摩と長州がやる必要のない戦争を仕掛けたというのは、その通りだと思う。幕府も挽回のチャンスは何度かあった。明治新政府が曲がりなりにも軌道に乗ったのは、西郷の胆力、木戸の理想主義と調整力、大久保の剛腕があった上で、戦勝国すら廃藩するという常識的にあり得ない決断があったからか。
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著者の半藤さんが慶応大学の丸の内キャンパスでの特別講座で講義した内容がまとめられているので、平易な表現で書かれているのでとても読みやすく、理解しやすい。
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幕末から明治初期にかけての激動期は我々を惹きつけてやまないドラマで溢れている。そんな時代を彩った数々の人物と出来事を著者自らの歴史観も取り入れて簡潔にまとめた好著。巻末の参考文献と関連年表もうれしい。
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半藤さんが、昭和史の先駆けのしての幕末史を解説した本。
講義録をまとめたものなので、話口調で書かれており、それが通常の解説本よりもわかりやすい。
太平洋戦争終結時と、江戸幕府滅亡時の比較は多いに共通点があると思う。
更にいうと、幕末と現代の政治体制も大いに共通点があると思う。
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幕末の雰囲気が伝わってきた。
教科書や、ある特定の人物に焦点をあてた歴史ものではうかがい知ることのできなかった背景が読めた。歴史には埋もれてしまうリアル(圧倒的な細部)の一端が垣間見れた気がする。
以下に教科書で習う歴史が記号だったのか、今になって気づく。まあでも頭のいい人は教科書から、こういうところに降りていけるのかな。
ともかく、人物に焦点をあてた歴史小説で気になっていた背景が知れて、知的好奇心を満たせた。できれば、日露戦争までを読んでみたかったけれど。
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幕末は、戦国時代などと並んで日本史の中で人気のある時代のようだが、個人的にはあまり縁がなく、詳しくもない。そんなところへ、日本史に詳しい半藤一利の「幕末史」が文庫で読めるというので、手に取った。
が、結果的には、いまひとつ合わなかった。理由の一つとしては、本書の座談風な語り口、実際に市民大学的な講座での講演が元になっているようだが、これがあまり好きでないことが挙げられ、いま一つには、本書が単純な幕末の通史というよりも、一般的な通史の知識があることを前提として、作者の興味が強い部分に重点を置いて語られているという点で、幕末史の入門には適さなかったことがある。それと、作者も本書中で自認するように、戦前に教えられていて、作者が学校教育で教わった「薩長史観」への反発という観点が強くて、癖があるということも、入門編としては適していないのかもしれない。もちろん、歴史本を書く上で、何らかの視点や史観を持たず、まったくフラットに話をつなげることは、事実の羅列にすぎず、読んで面白いものでなくなることも事実であるが。
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開港後の井伊直弼の部分や、明治維新後の混乱期においての木戸孝允のポジションなんかが印象的だった。
坂本龍馬好きだけど、すごい客観的で中岡慎太郎とかの薩長同盟の時の行動も面白かったし、幕末史の勉強になりました。
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幕末の歴史を、明治側からの視点だけでなく、旧幕府側として排斥されたり不満をもったりしている側からの視点も織り交ぜて語る一冊。
口頭の授業を文字起こししているため非常に読みづらいが、司馬遼太郎の小説のウソホントや幕末の偉人達の、語られない一面が垣間見えてとても面白い。
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うーむ、足りない。物足りない。
色々と事情があるのは分からないでもないが、昭和史が二冊あったのに、幕末は一冊?
半藤氏の話が好きなだけに、物足りない。
だから、星4つ。
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黒船来航から西郷隆盛の敗死までの、波乱と激動に満ちた25年間の歴史。こののち日本が近代に移行する。
歴史は勝者が作るものだが、作者が長岡出身とあって、薩長史観によらない幕末史というのが新鮮。あえて明治維新をタイトルに使わなかったのも、その辺の意図があるのだろう。今年の大河ドラマと立場的に近いものがあって、読んでおくと理解しやすそうだ。
尊皇攘夷が尊皇開国となり、さらに尊皇倒幕になる流れは相変わらず狐に化かされた感があるが、今回それはおいといて。とりあえず徳川幕府は倒したものの、なんのビジョンもなく新政府が成立したんだなあ、と。中心人物はどんどん死ぬし、スローガンだった天皇なんかそっちのけだし。よく西洋列強が乱入してこなかったものですよ、危っかしい。そんな中よく300諸候が軍事力をすんなり放棄したものだ、殿様たちもダマされたようなもんだろう。
それにしても、靖国神社に戊辰戦争の敗者が祀られていないことには違和感を感じた、、むくわれんよな。それを思うと、よく会津出身の西田敏行が西郷さんを演じたものだなあ。
一日一章、長風呂のいいお伴でもあった。