紙の本
「好き」な気持ちを大切に
2023/09/26 15:49
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投稿者:fuku - この投稿者のレビュー一覧を見る
調律の仕事がしたく、背伸びをするデビーと、ピアニストを目指して欲しい祖父。
そして、好きなことを仕事にする悦びを教えるリップマン。
出てくる大人達全員のデビーへの眼差しが優しさに溢れる。
登場人物の名前も実在の音楽家と重複しています。
ゴフスタインの絵本は他にも読んだことがありますが、これは個人的に特に好きな本。
絵よりも文章が多め。何度も味わいたい。
紙の本
大人の人にも読んでもらいたい児童書
2018/11/15 15:38
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作の翻訳をした末盛千枝子さんの肩書は絵本編集者とされることが多い。
ただ編集者だけでなく、「すえもりブックス」という出版社を設立し、美智子皇后の講演録や良質の児童書などを刊行していたが、そこを閉鎖することになる。
しかし、新たに現代企画室という出版社が「末盛千枝子ブックス」を企画し、かつての名作ももた復刊している。
2012年に復刻版の第1作として、取り上げられたのが本書である。
この本の作者ゴフスタインはアメリカの絵本作家である。
この本のところどころに彼女の独特なタッチの絵もはさまっているが、絵本とはいいがたい。
童話とも少し雰囲気がちがう。
いうなら、これこそ児童書なのだろう。
そして、内容も素晴らしいが、文章はそれ以上にいい。
子どもたちが作文を書くことはよくあるが、何をどのように書いていいかわからない子どもも多いのではないだろうか。
そういう子どもにはぜひこの作品を読ませてあげたいものだ。
主人公のピアノ調律師のおじいさんルーベン・ワインストックとたった一人の孫むすめデビー。この二人の何でもない日常の、それでいて色彩にあふれた生活。おじいさんの思い、デビーの想い。
ある時、街に有名なピアニストがやってきて、デビーはおじいさんのようなピアノ調律師になりたいという夢を語る。
心配するおじいさんにピアニストは言う。
「人生で自分の好きなことを仕事にできる以上に幸せなことがあるかい?」
児童書にもこんな宝石のような言葉がはいっている。
それを読まないなんて、なんてもったいないことだろう。
紙の本
人生で自分の好きなことを仕事にできる以上に幸せなことがあるかい?
2022/04/30 16:02
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投稿者:coco - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分の好きなものを仕事にできたら幸せ?
本当にそうだろうか?
私は好きなことを仕事にしたけれど、そこは搾取が横行する地獄だった。
地獄でも、好きなことにしがみついて生きている人たちは大勢いた。
ある人は心の病を患い退職した。
ある人は体調を崩して退職し数年後、風の噂で、まだ若いのに亡くなったと聞いた。
そこまでして好きなことを仕事にすることはないな、と思った。
自分の好きなものを仕事にできたら幸せ
そんな幸せなファンタジー。
紙の本
おじいさんと孫
2018/02/23 12:23
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアノ調律師のおじいさんとその孫の物語。
おじいさんは孫にはピアノを弾く方をがんばってもらいたいのだけど、孫はピアノ調律師に憧れている…でもわかる気がするな。おじいさんの仕事を見ているんだもの!嬉しいことだと思うけどな。
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ピアノ調律師のワインストック氏は、小さな孫娘のデビーにピアニストに なってもらいたいと考えている。けれどもデビーは大好きなおじいさんのような、世界一の調律師になりたいと思っていた。 そんなある日、世界的ピアニストがワインストックの町でコンサートを 行うことになる。
仕事への誇りや、家族に対する期待や愛情や尊敬、大人の子どもに対する 理解など、優しさにあふれた一冊。ピアノの調律は様々な道具を使う。赤いフェルトを色々と引っ張り出したり、 音がぴたっと合っていく様をみて、子どもの頃はすごくわくわくした。そんな思い出とともに読んだ。
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強く叶えたい夢があるというのはほんとに羨ましい。わたしの人生これでいいのだろうかと暗中模索する日々。将来の夢がたくさんある娘に「おかあさんは大きくなったらなにになりたい?」とよく聞かれるのだけど、言葉を詰まらせてしまう自分が虚しい。つまらない大人だなと思ってしまう。いくつもの夢を語る娘がキラキラして見える。
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帯にもなっている、物語でピアニストのリップマンが語った言葉「人生で自分の好きなことを仕事にする以上に幸せなことがあるかい?」シンプルな物語や絵の中に、ふと立ち止まり自分の心の声に耳をすませるような、深い世界が広がっている。そして、調律の音や、美しいピアノの音色が聴こえてくるようだった。
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『羊と鋼の森』を読んでいるうちに読みたくなって再々読。わたしの手元にあるのはすえもりブックス版だけれど、こちらのほうが新しいのでここにつけます。
読めば読むほどすばらしさがしみてくる本。
今回は、「二年前、よその町に住んでいた息子夫婦が亡くなり、急に小さな孫娘を引き取ることになったときに」というところを読んだときに、この老調律師の悲しみを思って胸がしめつけられるような気がした。
それでも毎日規則正しく、ていねいに暮らすワインストックさん。調律師とは、こういう気質を持つ人こそができる仕事なんだろうなということが伝わってくる。
デビーはそんなおじいさんの気質をまっすぐに受けつぎ、その仕事にあこがれている。それでも孫娘には、もっと華やかなピアニストになってほしいと願うワインストックさん。人間とは因果なものです。
そのあと、ピアニストもからんでの展開は、ひとつひとつすべてのエピソードがいとおしい。胸をつかまれたまま読み終えた。
===
【2023.9.26 再々再読】何度も涙がこみあげてきた。
お使いにだしたデビーがなかなか帰ってこなかったとき、ワインストックさんが、何も手につかないほど心配してしまったのは、きっと息子夫婦の事故があったからだよね。2年前だからまだ記憶に新しいのだろう。淡々と描かれていて、はげしい感情などは記されていないのに、行間や余白にさまざまなものが込められていて、読めば読むほどぐっときてしまう。デビーへの愛情。それだからこそ抱いてしまう理不尽な希望。世界一の調律師でそのことに自分でも誇りを持っているのに、孫娘にはピアニストになってほしいという望みを捨てられないなんて、ばかばかしく思えるだろうけど、人間てそういうものなんだなあとも思えていとおしくなる。それを友情と尊敬で包みこみながらも、ほんとうにピアニストになりたい人しかピアニストにはなれないのだということをはっきりと伝えるリップマンさんもすてきだ。
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「羊と鋼の森」を読み、思い出し、再読。
世界一のピアノ調律師、ルーベン・ワインストックとその姿に憧れる幼い孫娘、デビーの物語。
物語はおじいさんと孫娘の朝のシーンから。
淡々と静かで丁寧な朝。
映像が浮かんでくるよう。
全体を通しても、まるで、
静かな映画を見ているようだった。
孫娘をピアニストに育てたいおじいさんと
おじいさんのような調律師になりたい孫娘。
ある日、町に偉大なピアニスト、アイザック・リップマンがやってくることに。
おじいさんは彼のピアノの調律を任され、
その日に請け負っていたパールマン夫人宅の調律をキャンセルしなければならなくなる。
おじいさんは、そのキャンセルのことづてを孫娘に託す。しかし孫娘デビーはその調律を自分が頼まれたと嘘をつき、パールマン夫人宅のピアノを調律しはじめる…。
静かだけれど、熱い想いがこもった絵本。
おじいさんの気持ちもデビーの気持ちもわかる。
リップマンさんやパールマン夫人の人柄も優しく、暖かく、読むと心洗われる。
「もし、ピアノを弾くことが本当に好きな人だけがピアノを教えてくれたら、世界はもうすこし良いところになっているかもしれないよ。」
「人はそれぞれ、自分は本当は何をしたいのかということを、よく考えるべきだと思うよ」
「人生で自分の好きなことを仕事にできる以上に幸せなことがあるかい?」
偉大なピアニスト、リップマンの言葉が静かに心に響く。
時折、立ち止まり、自分に向き合いながら読みたい本。
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両親亡き後、おじいちゃんの元でげんきに育ってますね〜なりたい、好きな仕事が早くに見つかって良かっだですね
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デビーはおじいちゃんの事が大好きだし、ピアノを調律しているカッコいいおじいちゃんを見てピアノ調律師に憧れを持ったんだね
好きなことを仕事にするっていいな
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有名なピアノ調律師のおじいさんルーベン・ワインストックと孫のデビー・ワインストックのほのぼのとした素敵な物語です。
ゴフスタインの挿絵もとても良かった。
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ピアノ調律師とその孫の女の子のお話。
小さい子にとってはかわいいお話、
大人には大切なことを再認識できるお話でした。
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2017.3.21
ピアノ調律師に憧れた時期があった。好きなことを仕事にできることは本当に幸せだな。おじいちゃんと孫娘デビーのお互いへの強く優しい想いが溢れる物語。
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おじいさんのような調律師になりたいというデビーのまっすぐな気持ちがまぶしい.ピアニストと調律師の固い友情も素敵だ.絵もシンプルでありながらとても力強い.