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およそ30年前の「岳物語」からずっと続くシーナ家の私小説。驚くことにシーナせんせいにはもう3人の孫がいるのだ。今回は日本に帰国した岳一家とその孫たちとのほのぼのとしたエピソード。あの武闘派のせんせいも立派なじいじいになっていることに軽くオドロキを覚えたりするのであった。
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三匹、もとい三人の孫との日々を描いたエッセイ。
震災後沖縄に避難し、そのままアメリカへ?の章から
次の章では日本に留まる事になっていて
その間の経緯が読みたかった。
【図書館・初読・1/19読了】
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もう何と言うか、しみじみ面白く、感慨深く、あたたかーい気持ちでいっぱいになるシーナ隊長の新作でした。
「大きな約束」で隊長は「じいじい」となり、「続 大きな約束」はアメリカに住むマゴの風太君が日本にやってくるところで終わっていた。「岳物語」からもう三十年、「大きな約束」で、岳少年が中学生になって以降のことが語られなかったいきさつを少しだけ知り、胸が痛くなったものだが、見よ!ショーネンは三児の父となり、「子煩悩で心配性」なのに不在がち、というまるで父を真似したかのような姿を見せてくれている。
以前よりは時間的に余裕のあるじいじいは、岳ファミリーを後方支援すべく、三人の孫たちの遊び相手をし、幼稚園の送迎を引き受け、病院に連れて行き、と大活躍である。その様子が何ともほほえましい。三人と過ごすドタバタした午後を「黄金の時間」と書かれていたが、本当にそうだろうなと思う。我が子とそうして過ごしているときには、そういう時期は思いのほか短く、すぐに過ぎ去っていくものだということを知らなかった。孫たちとの時間を喜び、大切にする隊長の心の中にも、同じ思いが色濃く流れているに違いない。そこが切なく、また、優しい。
岳君には結構厳しい父だったシーナ隊長が、孫には大甘だというのがまた可笑しい。まあ、そういうものなのだろうなあ。書かれたものから窺い知るシーナ家の子育ては、深い愛情を注ぎつつ、子供の自立心を大事にして親が自制するという、そうありたいがなかなか自分ではできない姿に見えた。私も(隊長や岳パパと同じく)心配性なのだが、自分が安心したい気持ちと愛情とをごっちゃにしてしまいがちだ。隊長はエライ!と思うのは、たとえば、息子が日本に帰ってきたはいいがなかなか定職に就けないときも、自分のコネでどこかに押し込もうとしたりしないところだ。あくまで自分で何とかするのを、親も子も当たり前だと思っている。そういうところが清々しくて好きだなあ。
本好きの風太君、お姫様海ちゃん、やんちゃ坊主琉太君、三人それぞれの個性も楽しい。また、大震災後に東京で子育てする人たちの気持ちにさりげなく寄り添う内容にもなっていると思う。何よりも、隊長の穏やかな日々の様子が読めて、長年のシーナファンにはこれ以上ない一冊でした。
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じいじは孫には勝てないのであります。
辺境、僻地で命を危険にさらしていたシーナさんもしかり、であったのだなぁ。
アメリカで暮らす岳くん、近所で銃声が聞こえたり、子どもの騒がしさに近所に気を遣ったり、あまり環境がよいとは言えない暮らしをしていましたが、三人目の子どもの出産を機会に、日本に帰国することにしました。
そうなると、受け皿作りにじいじは俄然張り切るのであります。
アメリカと日本の文化の違いにとまどう孫たちとの毎日、岳君の新しい仕事探し、
それぞれのめいっぱいの奮闘ぶりが楽しいのです。
ぶじ孫ちゃんも三人になって、じいじ奮闘記はまだまだ続きそうでなのです。
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岳物語を読み始めたのが25年くらい前だろうか。岳くんが父親になった以上に、椎名さんが孫大好きのお祖父さんになったことが時間の流れを感じさせる。
怪しい探検シリーズより孫日記が板につき始めた、椎名さん、なんか物悲しい。
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「岳物語」「続 岳物語」「かえっていく場所」「大きな約束」「続 大きな約束」そしてこの「三匹のかいじゅう」椎名家の30年にわたる私小説。
あのメチャクチャな青春。青年時代を生きてきたシーナも孫ボンノウな「じいじい」になっちゃている。
孫は可愛いんだねぇ。このストーリーは孫たちが独り立ちするまで、ぜひ続けて欲しい。
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大好きな「岳物語」の岳くんがアメリカから妻子と共に帰国。
じいじいと孫たちの日々は温かく、また、当然のことながらシーナ流(*^_^*)。
理想の「男親と息子の話」といった位置づけで繰り返し読んでいた「岳物語」。
その後、長じた岳くんの抵抗にあい(うん、そうだろうね。そこがまた岳くん、という気がする。)
思春期、青年期の彼の話は時折エッセイに出てくるくらいでしか存じ上げなかったけど、
一家を構えた岳くん(くんづけでゴメン!私の方がかなり年上だから許してください。)にまた会えるのが嬉しい。
岳くんはアメリカで結婚して二児の父親に。
そして、妻の三度めの出産をきっかけとして一時帰国。
このまま日本に住み続けるのか、また、アメリカに戻るのかは未定、という私だったら心配でたまらない不安定さを持ってシーナ家の近くに住むのだけど、ご本人も妻も椎名さんご夫婦も、そこはなんとかするだろう、という太っ腹ぶりが実に面白い。
中心となっている話は、シーナさんと孫たちとのあれこれなのだけど、その間に、岳くんの生計を得るためにゼロから出発する就職活動の話が織り込まれ、そのたくましさ、潔さが実に爽快なんだよね。椎名さんも岳くんも、父親のコネは一切使わない、ということが話し合われるまでもなく当たり前のこととなっていて、その都度、ほんのアルバイトから始め。雇ってくれるところに機嫌よくトライする岳くん。段々に自分らしさを出せる職に近づいていっているように思えるのが、私のような凡人とは全く違う思考回路で、ある意味、カルチャーショックだった。(*^_^*)
椎名さんと、風太くん、海ちゃん、琉太くんとの日々はお互い、とても楽しそう。
夫の家族が近くに住んでいる、というのは妻としてどうだろう、とつい岳くんの奥さんの気持ちにもなってしまうのだけど、入り込みすぎず、でも、手助けはマメに、という関係って、髪振り乱して孤軍奮闘した自分の子育て時代を思うと、その風通しのよさ、実際に手があるありがたさ、で、よかったんじゃないですか、と思える・・・。
風太くんがインフルにかかったら、他のふたりに伝染らないように、とシーナ家に隔離したり、保育園の送り迎えを季節のあれこれを楽しみながら行ったり。
午後、孫たちがやってきて一緒に遊んだり、原稿書きの仕事をしながらひとり遊びをさせたり、また昼寝の時間を持ったり、を、椎名さんは「黄金の時間」と呼ぶ。
こんなゆったりした午後を過ごせる子どもたちとじいじい、は双方、なんて幸せなんだろう、と。
じいじいは、孫たち三人とも、くんづけ、ちゃんづけで呼び、そこはやはり自分の子どもではない、という距離感を自然に持っているように思われる。
琉太くんが骨折して、病院通いが続いたときにも、車で琉太くんとお母さんは送っていくけれど、病院の中には入らないで待っている。母親の領域には入らない、親子の関係を侵犯しない、という感覚が随所に感じられ、心地いい。
そして、岳くんは今、海外を含めた長期出張が多い職務についていて、そんな父親と風太くんたちとの関係を見て、若き日の���分と子どもたちのことを思い出したり、岳くんの心情を思いやったり。
孫たちは、かいじゅう、と言われるだけあって、それぞれ個性的で可愛らしい。(*^_^*)
そして、そんな孫たちを通して、今の社会、文化まで語ってしまう椎名さんはやはり椎名さんで、あぁ、好きだなぁ。
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ほほえましくも、冷静に見ているとこらがあるから椎名誠の半分私小説的なものって、楽しく読めるのかな。
孫が欲しくなってきた。
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「岳物語」から始まる椎名さんの家族の物語も孫の代に変わり、はや3冊目。孫たちも3人になり、アメリカから日本に戻り3・11を超え、お兄ちゃんは小学生になり、じいじいはどんどんジジ馬鹿になっていく。
じいじいは、3匹のかいじゅうたちに眼を細め、観察おこたりません。
作風はぜんぜん違うけれど、庄野潤三の孫とのふれあいを描いた一連の作品と共通する暖かさを感じます。
孫と祖父母というのは、本当にゴールデンな関係になれrと思う。それは、小さいころから祖父母の近くで育つ子ほど、お互いの信頼関係が築かれて、いいなあ。
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親と子ではなく、祖父と孫という、少しだけ関係が遠い家族の話。穏やかでしみじみとした、読み心地は悪くない話。
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久しぶりに椎名誠さんの本を読みました。椎名さんおじいちゃんになっていたのですね。サラサラと読みやすく読後もホノボノとした気持ちになりました。
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20代のころ、シーナさんの小説にハマってて、「岳物語」「続・岳物語」は大好きな作品でした。あれから30年、岳くんも父親になり、3人の子供がいます。本書はシーナさんと3人の孫たちの、ほほえましさ満載の物語。
岳くんと子供たちの年齢差が、「岳物語」の頃のシーナさんと岳くんとの差に近いということに、そもそも時の流れを感じる。そして、長男の風太くんの本好きっぷり、次男の琉太くんのワンパクぶりに、シーナーさんの血筋を感じます。こういうのは、じいちゃんとして嬉しいんだろうな。
2011年3月の大震災の時期を含んだ3年間の「じいじい=シーナさん」と「かいじゅう=孫たち」との交流記。自分と子供たちの関係を振り返りながら読んだりもして、ワカルワカルと頷いたり、ドキっと反省したり、いい時間を過ごせた1冊でした。
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作者のイメージから、ぶっ飛んだ内容を想像してたのだが、なんとほのぼの。で、気取ってないところが読んでいてとても心地良い。スラスラ読ませる筆力に脱帽。
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焚火の前の椎名さんには、憧れを感じるが、三匹のかいじゅうと一緒の椎名さんも微笑ましくって、読んでいて非常に気持ち良い。
原発事故や病院前の駐車問題なども、椎名さんらしくさらっと述べているし。
岳物語、大きな約束、そして、三匹のかいじゅう、次作が待ち遠しい
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椎名誠氏もおじいちゃんか。
孫達を見守る文章がほんのり暖かくて、でも椎名節は健在。
心がまあるくなる本だ。