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1978年生まれで小説家志望の主人公は、ナオコーラさん自身がモデルになっているのだろうか?
心の動きや情景描写がイキイキと描かれていて、とてもおもしろかった。
人生とは?仕事とは?恋愛とは?
いろいろと考えさせられた。
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社会派小説を装った恋愛小説なのか、恋愛小説を装った社会派小説なのか。
ロストジェネレーションといわれる世代の、この日本というよくわからない国で、よくもわからないままに色々悩みつつ、でもまあ結局はそれなりになんとかやってる感じ。
いつの時代にもありそうな男と女。男尊女卑。女尊男卑。
好きだ、嫌いだ、愛だ、恋だ。
まあどっちでもいい。どっちでなくてもいい。
でも、ただ淡々と描かれる、そんな日々から紡がれるとりとめもない想いというのが、いちいち共感させられる。じわじわと。
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女性であること、として自分を見てほしくないのに、女性であることに縛られている、栞の考え方には、なるほど面白いなあ、と思いながらするっと読み終わりました。
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2013/04/18
良かった。まずタイトルがものすごく良い。
読み終わってタイトルを見返すと、またさらに良い。
書き出しで視点がぐぐっと身近に寄って、ラストでそれが穏やかにのぼっていく感じもすごく好きだなぁ。
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思ったことをただ書き連ねて、結論をやんわりと避けるナオコーラ的文章の完成。一気読みでなく、センテンスごとゆっくり読むと、とても面白かった。社会とのつながりや関わりを目指す主人公の態度が、女性という立場もあるがそれも含めた上で、はっきり伝わった。
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みんな二人組になろうと一生懸命な世の中、婚活だの合コンだのいろいろあって。
必ずしも二人組でなくてもいいのかなあ。
紙川さんとても好きでした。ふにゃふにゃした感じが。それでいてしっかり勉強してるし。
栞ちゃんも魅力的。こんなしっかりした自分を持ってる子あんまりいないのでは、。
紙と栞。
百万葉のクローバーになりたい。
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一気に読めてしまった。
栞に共感したり、紙川のダメさ加減になんともいえなかったり。
「入籍」という言葉や、戸籍の考え方になるほどと納得したり。
そして文章というか言葉の雰囲気が好きです。
2013.6.10読了
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ナオコーラの表現は心に突き刺さってくる。
《本文より》
紙川さんと一緒にいるとき、心の震えがあるというか、共振、というのが起こるように思う。
大好きだ、というのではなくて、「身近にいると一緒に震える人」、そんな感じだった。
心の中の一番柔らかい部分を握りつぶされるような。
私の動き方も、喋り方も、紙川さんには明りに見えたのに違いない。
私が紙川さんの生活の喜びになっていることが、私にはよくわかっていた。私のおかげで、紙川さんの暮らしに色彩が生まれたという考えは、うぬ ぼれではないだろう。
ときどき欲情してくれて、私が生きていることを全肯定していた。
そんな人は他にいなかったのだ。
ばかな人だけれど、私にとっては大事な人としか言いようがない。
私は初めて明かりになれたのだ。
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栞の主張の矛盾や、時々理論をぶっ飛ばして感情的になる彼女の言動は、元来女という生物の象徴として描かれてきた像からはまだ脱しきっていないように思う。新しい性別になりたい、という決意には胸を打たれるが、人間の命の縦の繋がりを「汚らわしい」「自分には絶対にできない」などとまで言ってのけるところには、幼さを通り越した傲慢さがあると感じた。社会の風潮というものの暴力性に、おなじ否定という暴力で向かい合っている時点では、本当の自由を主人公が手に入れる日は、まだ遠いのだろうと思う。
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シオちゃんは近いけど違うなと思う。ちょっと生きるのが下手そう。名言多数。
山崎ナオコーラさんの本最近読んでるけど、根底にあるものは変わらないのに表出がちゃんと違う形になっていて良い。なにより名言が多い。
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もうこれわたしじゃん、って思う人って今の世の中にどれくらいいるんだろう。
かくいう私もその一人です。
もがいてもがいてもがきまくっていた、
22~25くらいまでのことがありありと思い出された。
読みすすめるたびにビリビリして、かなりエネルギーがいった。
でも、何度も読み返して、この頃の気持ちを忘れてはいけないような気がする。
こうゆう子って、めちゃくちゃ生きにくいけど、
でもそれだけに瞬間瞬間をすごく大事に生きてると思う。
人より辛さが倍なだけに、人生の喜びも何倍も感じることのできる人だと思う。
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「金のこと。国のこと。時代のこと。
働きながら小説を書く私は、社会とどう繋がっていくのだろうか。
主人公の挑戦と葛藤を描いた
ポップな社会派小説!」
私の地元・たまプラーザが舞台。
栞・紙・川。
生きること。
電車に乗って川を越えること。
恋をすること。
言葉を紡ぐこと。
働いてお金を稼ぐこと。
誰にも侵されない自分を持つこと。
シオちゃんの日々、
紙川さんの日々、
縮こまったストローの外紙に水を垂らすと、ぶわっと伸びるような。
そんな物語です。
相変わらずナオコーラさんの言葉選びの綺麗さには
嫉妬みたいなものを覚えます。
山崎ナオコーラに恋して焦がれて嫉妬して狂っちゃいそうになった
西加奈子も短編の物語を思い出します。笑
「川を何度も何度も渡ることで、
私は生を実感する。
流れ続ける川の上を乗り越えるのだ。」
「死んだあとの世界をより素敵にできるような
今を生きたい。」
「人はひとりで完全だ。
だからベターハーフなんて探していない。
価値はひとりの人間に十分ある。」
「人間は遺伝子の乗り物というだけでなく、
文化の乗り物でもあるのだ。」
くっついて離れて
少しずつ少しずつ変わっていく二人の関係と感情と
静かな予感。
ただただ過ぎて行ってしまうような
見落としてしまいがちな
奇跡みたいな一瞬。
それをしっかり掴むこと。
繋がりたい。
私もそう思いました。
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「しどろもどろで喋る人が抜群のアイデアを持っていることもあるというのに、それは切り捨てるのか。」
私自身も話すのが得意でなく、自分の考えや思いを伝えるのが不得手である。この一文に出会い勇気をもらった。
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初めての山崎ナオコーラの作品。あんまり好きじゃないかなー。でもこの世は二人組ではできあがらない。納得。
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ナオコーラさんの文章は、いつまででも噛みしめていたい。独特な味がある。
シオちゃんの揺れ動く心は私の揺れ動く心でもあった。