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名作中の名作。ユゴーの代表作の一つ。何人かに訳された中の1つで佐藤朔訳版。訳が古いので文体なども古く、いま読むと読みづらい作品です。ユゴーの作品はストーリーを追うだけではなく、当時の物語の背景などわき道が多く更に読みにくい。しかしユゴーワールドに入り込んだら最後、次を次をとどんどん惹かれ最後まで目が話せなくサイドストーリーなども楽しみになってしまう。フランスに興味が出てくる作品です。 この1冊目は中学生のころ昭和48年版を古書店で買った。読み終るまで当時は若かったのでなかなか難しく、この作品を読んで以降難解な作品を読破するのが達成感となり楽しみに。思い出の1冊である。
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小学校低学年のとき、担任の先生から、この小説のさわりを聞き、『僕は死ぬまで、こんな悲惨な小説は読まないぞ』と心に誓ったのでした。しかし40年の時を経て、やはりこの小説を読む運命にあったのだ。昔の微罪に最後までさいなまれ償おうとする主人公ジャン・バルジャン、重ねてきた悪事を屁とも思わないでさらに悪事を重ねるテナルディエ。そこまで罪を償おうとする人間とは何か?を考えさせられるベストセラー名作!いやあ、この小説、HappyEndでなかったらホント、救われないよ。
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レ・ミゼラブルを通して、一番おもしろかったのは1巻でした。理由は、物語に関係のある話しかないから。他の巻では歴史の話や文化の話がでてくるので読むのに苦痛ですが、読んで物語も読むと感動します。
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ミュージカル(あれは別物)より何よりやはり原作が一番良い。ユゴーはお涙頂戴をかいたつもりは一向にないらしい。
しかし人々が無情に散っていくさまには涙が止まらない
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貴方の為に、私は生きる。
時代考証に何度本を置いてもいい。
長いから何度に分けても構わない。
最後まで、読め。
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[08.2月読了]
私が読んだのは、別の版元の全集のヤツなんですけど、それはもう古いヤツなので、とりあえず。
時代背景がわかっていないと、わかりにくいところがあるので、理解を深めながら読むのに時間がかかりましたが、面白かった!
絶対に完訳版を読むべきでしょう。
ABCの友の周辺の話、そして1832年の暴動の話の辺りは、つい繰り返して読んでしまったり。
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数日かかってやっと1巻が終わった。まだまだ4冊も残ってる。
主人公ではなくて作者が語り続ける小説。
昔の読書、映画鑑賞の体験も関係してか、懐かしい感触だった。
(ジャン・ギャバンがコゼットを取りに来る暗闇の場面と
映画を観終わったあとのぐったりしたような気持ちを
20年以上たった今でもけっこうしっかり覚えてる)
大きな視点だけど神さまはもっと大きなものとして語られていて
熱く人間愛に燃えているけど冷静な記述で
”ヒューマニズム”なんて一言で片づけていてはいかんだなと思わされる。
でも単純に面白いとはいえない、ていうか面白くはない。
といいつつも、児童書には書かれていなかったエピソードがたんまりあるから
やっぱり最後まで読みたい、ような気がする。
昔読んだ『死刑囚最後の日』のほうが面白かった。でもいろいろ忘れてしまったなぁ。
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全てはここから始まった。
ミリエル司教が素敵すぎる。
ジャンバルジャン!ジャンバルジャン!
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「悪習を壊すだけでは、十分ではない。風習を変えるべきです。風車がなくなったのに、風がまだ残っている」
「私の兄弟のジャン・ヴァルジャンよ、あなたはもう悪の見方ではなく、善の見方です。あなたの魂をわたしは買います。暗い考えや、破滅の精神から引離して、あなたの魂を神にささげます」
「この不幸な男より1800年前に、人類のあらゆる聖性と、あらゆる苦悩を、一身に集めていた神秘な人キリストも、オリーブの木々が、荒れ狂う無限の風におののいている間に、星にみちた深い空の中で、影をしたたらせ、闇をあふれさせていた恐るべき杯が差出されたのに、それをいつまでも手で押しのけていたのである」
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激動の人生を歩んだ心やさしき聖人の物語。感想としては引用文が多く、当時の人々が理解できたかどうかが疑問だった。また、人間関係は善と悪がはっきりわかれているところで物足りなさを感じた。天国にとどまって悪魔となるか!地獄に戻って天使になるか!エゴに負けず誠実でいられるかどうかの人間の葛藤が描かれている。
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「本好きと言う割には読んでないなんてちょっと恥ずかしいんじゃない?的本をこの際だからまとめて読んでしまおうキャンペーン」第…いくつだっけ?
ストーリー自体は難しくはない…と思うんだけど。
途中途中で出てくる歴史だったり文化だったりが…おバカさんなんですごめんなさい。
教科書やらウィッキー君やらにこんなにお世話になった本はありません。
フランス人だったら面白く読めたと思うんだけどなあ。
読んでも読んでも先に悲劇や破滅の気配がして、手が止まる止まる。
まあラストは落ち着くところに落ち着いた感が。やれやれ。
章のタイトルやちょっと言い回しが洒落てて、フランスっぽいなあ、と。
原語で読めたらもっと楽しいんだろうけど。
訳すの大変そう。
しかしこの長いお話、どーやって舞台になったんだろう?
いつか観なければ。
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わずか一片のパンを盗んだために、19年間の獄中生活を強いられることになった男、ジャン・ヴァルジャンの物語。
その第一部「ファンチーヌ」。出獄したジャンは、マドレーヌと名乗って巨富と名声を得、市長にまでなる。
娘を産むも、育てることができずにテナルディエ夫婦に託し、その後娘の顔を見ることなく逝ったファンチーヌ、ジャン・ヴァルジャンと間違われ、終身刑の罰を受けたシャンマチウなど、不幸の中で生きる人の姿がとても切なく、胸に迫った。
ジャンがミリエル司教との出会いによって改心し、その後の人生を大きく変えていくところに、一人の人間の精神の変革の重要性を見る重いがする。
ファンチーヌの最期は、あまりにも哀れで痛々しかった。
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時代も文化も言語も越える。
この物語が持つ大きな人間への愛の普遍性とヒューマニズムは
長い時を軽々と越えて伸ばされた
ビクトル・ユーゴーの腕に抱きしめられているような感じ。
児童書では読んでて、ミュージカルの大ファンなので
筋は全部知っているし
多分ストーリーのベースとなる一つ一つのイベントは変わらないのだけど
それらに対する、心の移ろい、葛藤、喜び、絶望
揺れ動く感情の書き込み方が膨大かつ丁寧で
とても深いところで理解をすることができるし、感動するなぁ。
訳も読みやすいです。
翻訳ものだとか関係なく名文が多すぎる!
***
1巻はファンチーヌの死とジャンバルジャンの再逮捕まで。
2巻に行きます。
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文庫本で5冊とかなりの長編となっていますが、読む価値はあります。
ここまで長くなった理由といいますと、読んでいてわかりますが、あいだあいだにこの作品の時代背景となる歴史をつづっているところがいくつもあり、それが物語と全く関係ないせいでかなり飽きがまわってくるのですが、しかしそこを読まずしてこの話の全貌を理解しようなどというのは邪道であり、また非常に困難であるといえます。
最後には本当に感動すると思います。
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『ナポレオン三世』の評伝を読んで、興味が沸いたので手にとってみた。岩波少年少女文庫で一度アブリッジされたものを読んだ覚えがある。第一巻は「ファンチーヌ」を収めており、「正しい人」ミリエル司教の生活や、ジャンバルジャンの境遇などが語られ、ファンチーヌがパリ大学の学生であったトロミエスにすてられ、その間にできた子供のコゼットをテナルディエ夫婦にあずけ、失意のまま故郷にかえるという内容が語られている。山場は、巨万の富をえてマドレーヌと名のり、市長となったジャンバルジャンが、自分と間違えて逮捕されたシャンマチウを救うために裁判所へ赴く所の心理描写や、馬車の故障や裁判所の雰囲気などであろう。ファンチーヌがコゼットのために髪を売り、歯を売り、売春婦に没落していく様子はまさにタイトルのごとく「悲惨なる人々」を表現している。この巻は、ジャンバルジャンがファンチーヌとの約束を果たすため、コゼットを母のもとへ連れ帰ろうとするが、刑事ジャヴェールに逮捕される所で終わる。ファンチーヌは死んで共同墓地にすてられる。善人と悪人の書き分けがはっきりしすぎているとの評価があるようだが、ジャヴェールのなかにある「正義」への屈折した感情や、テナルディエ夫婦の悪のなかにある狡猾さなどは、決して一面的な人物描写ではない。善人とされるジャンバルジャンも、自分が逮捕されたら、市政がだめになる、最大幸福を考えれば、自分が逮捕されるのはよくないことだと、逡巡を見せ、そこに神の意図を読み取ろうとする。こちらも決して一面的な描写ではないのである。ここで問題になっているのは、功利主義的正義観と良心の呵責の問題である。マイケル・サンデルの正義論との関係も指摘できるだろう。また、格差社会や孤独死などがクローズアップされている現代にあっても「レミゼラブル」は存在するのであり、意味を失わない小説であろう。