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重松清の人と人とを綴る、震災にまつわる物語
短編集
七つのお話
http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-278.html
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震災になんらかの関わりをもった人たちの短編集。
カレンダーの話に泣きました。描かれている人たちがあたたかく、さすが重松清さんだなと思った。
長編で読みたかったかも。
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震災後の世界を舞台にした、心を打つ短編集。
母との別れを記した「トン汁」、カレンダーを巡る話しの「記念日」では、不覚にも目頭が熱くなった。
他の作品も、今を精一杯生きている人たちの想いが伝わり、胸が熱くなる作品たちばかりだった。
大枠のストーリーとしてはありきたりかもしれないが、「おまじない」「夏祭り」「五百羅漢」などのアイテムにより、物語にリアリティ、重みが出ている。
あの時、私は被災地の端っこの方に住んでいて、自身も被災したが、幸いにして身の回りに犠牲者はいなかった。
だから、被災者の方の気持ちも、被災地でない場所から被災地を見つめていた方たちの気持ちも、全部ではないけれど少しずつ分かる気がする。
被災者と、被災者でない人と、様々な立場の人がいて、様々な関わり方がある。
人によってできることもできないこともあるし、よかれと思ってしたことが結果的にそうならないこともあるし、その逆もある。
みんな、一生懸命に考えて、前へ進もうとしている。
未来は決して希望に満ち溢れたものではないが、まんざら捨てたものでもない。
また、次の春はやってくる。
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東日本大震災後の日本を描いた短篇集。
あの災害をどう受け止めたらいいのか、おそらく重松氏自身も消化しきれないまま、書かずにいられなかったのではないか。
まとめ読みするには辛すぎて、1~2編ずつ時間をかけて読んだ。
本書の書きっぷりに賛同する人も、反発する人もいるだろう。
だがそれでいいのだと思う。あの震災への向き合い方は、人それぞれであっていい。失ったものが大きい人なら、なおさら。
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1日1話読みました。
重松さんらしい家族のお話。
まだ心の準備が出来ていない。
直面することを心が拒む。
いつか自分の中で消化できるのだろうか。
そんなテーマの作品でした。
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2011年3月11日──東日本大震災。
多くの人々を死に至らしめたあの震災から2年以上経った。
これまでは作家たちも、あの震災にどう向き合い、どう表現するか試行錯誤していたに違いない。
2年経ち、ようやく彼らもあの出来事をテーマにした作品を書きつつある。
なかでも重松清は、最も積極的に震災に真正面から取り組み、作品を出している。
この作品の前作であるドキュメンタリータッチの「希望の地図」でも、震災を取り上げている。
この「また次の春へ」でも、七つの短編の主人公すべてが、「震災」に関わった人々だ。
その物語の構築の仕方が、何とも心優しい。
七編のなかでは、「おまじない」に涙が止まらなかった。
重松清には、いつもこんな形で泣かされる。
ひとの泣きのツボを心得ているというか……。実に巧みだ。
お互いの思いやりが、ちょっとしたベクトルのズレで悪意と取られかねないこともある。
そんな「震災後の人々との触れあいの難しさ」を描いた表題作「また次の春へ」も秀作だ。
言葉選びが丁寧で、一語一語、会話の一つ一つ、情景描写の一文などが、
心に染み渡る名作だと思う。
震災がまだ終わっていないことを切実に感じられる作品。
毎年訪れる次の春が、より希望の持てる季節になっていることを祈るばかりだ。
オススメです。
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もやし入りトン汁
東北津波の当事者たちの物語。
ぐっとくるものがある。
改めて普通のあたりまえの今を噛み締め、感謝していきよう。
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震災に関わる短編集。
重松さんらしい、家族の。
行方不明って本当につらいと思う。
行き場のない悲しみを思うとこころが痛む。
今、まだあれから3年半しか過ぎていない。改めて心に刻むことができた。
決して変えることのできない過去だけど、人は生きている限り前へ進むんだと思う。
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震災絡みの物語。
『トン汁』と『記念日』は泣けた。
あの時に実際起こったであろう出来事も書いてあって、改めて考えさせられた。
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子どもの頃、今日と同じように明日もあるのだと信じて疑わなかった。『じゃあ、また明日ね』と約束できるのは当たり前のことではなかったんだと改めて思う。
当たり前にあったことを一瞬にして消し去った震災のこと、もう一度自分の中で考えて整理したくて読んだ本。
重松さんもいろんなこと葛藤しながら書き上げたんだと思う。
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震災関連の本をようやく少しずつ読めるようになった。
震災に関する動画を見れなくなってから
ずっと罪悪感が心から離れない。
せめて活字は読まないとと思って読んでいる。
この本を読んで、ますます震災との
関わりあい方の難しさを感じた。
人の気持ちを思ってした行為が
被災地の人にはうれしくないことだったり。。。
色々考えたけど、被災地の人の思いは異なっていたり。。。
本当に難しい。
やっぱり寄り添うことが1番いいのだろうか。。。
色々考えさせられた。。。
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厄災から二度目の春。どう受けとるか?どう受け取られるか?ナイーブな面は十人十色。このタイミングには勇気、決意が感じられるが、七つの短編の内容には押しつけ・畳み掛けは無い。何もできないもどかしさを感じながらも、忘れない事…見守る事…祈る事…しかいまだにできない。"故郷との足の裏でのつながり"はもう一つのテーマかな?田舎と都会の生活感の相違、Uターンや縛り等、ふと辻村さんの作品が頭を過った!
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【また次の春へ】 重松清さん
震災で母親を亡くした家族。納骨をすませ、喪失感に打ちひしがれている時、料理など作ったことのない父親がトン汁を作った。全然美味しくないトン汁。美味しくはないけれど、家族のつながりを再認識する父の作ったトン汁。この日から僕たちにとってトン汁は特別な料理となった。
「トン汁」他、「おまじない」「しおり」「記念日」「帰郷」「五百羅漢」「また次の春へ」の計7編を収録。東日本大震災をテーマにした被災者の物語。
☆
この本の中で「おまじない」は以前にも読んだコトがある。どの本に収録されていたのかな??震災がテーマとは知らずに借りてきました。久しぶりの重松さんだったけれども、少し期待していたのと違った。被災者の方には申し訳ないけれども、震災のテーマは読んでいて心がしんどくなるコトがある。「とんび」や「流星ワゴン」「青い鳥」や「いとしのヒナゴン」
のような物語を読みたいなぁ。。
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震災のその後の7つの短編。
母のいなくなった家庭の味になった父親のトン汁。
小学生の時、1年だけ暮らした街を訪れた主婦が耳にしたおまじない。
読みかけの本にしおりを挟んだままいなくなってしまった幼なじみ。
被災地に送ったカレンダーがつないだ関係ほか。
この日常がどんなにかけがえのないものか・・・
そして、「また次の春」へ。
通勤バスの中で読んでいたら、涙がこぼれそうになりました。
だけど、また次の春へ。続いていく。
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東日本大震災の後のそれぞれの人の気持ちを描いた短編集。
・トン汁
・おまじない
・しおり
・記念日
・帰郷
・五百羅漢
・また次の春へ
の7編収録。
号泣するような話ではないものの、いろんな立場、世代、性別の人々が大震災後の気持ちを優しく描いています。
まだまだ傷はいえないものの、少しだけ、ただほんの少しだけでも再生に向かっていく気持ちが心を温めてくれました。