紙の本
「顔」が見える移民の物語
2023/03/28 18:53
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
映像作家の著者がブラジルで出会った日本人移民の姿を紹介した本。
ブラジル移民と一口に言っても、戦前に渡った人から、戦後に貧しさの中で海を渡った人までさまざま。入植地もさまざまだ。
本書では、広島で原爆に遭った後にブラジルに渡って成功し、ブラジル在住の被爆者を支えている森田さん一家も紹介されている。
分かりやすい文章で書かれているので、さらっと読め、難解さはない。が、ブラジルの移民の歴史などをある程度、知っていない読者には、理解ができないのではないかと少々不安になった。
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日本と遠く離れたブラジルに移民として渡り、死と隣り合わせに近い状況の中でも力強く生き抜いてきた日本人の方々への取材の様子、人々の想いを綴った1冊。ご本人がブラジルに移住し、映像作家としてフリーで活躍されていることもあり、思わず目頭が熱くなる。本職の映像の方も見てみようと思う。
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装丁がかわいい。
前に彼の作品を見たことがあったのでアンバランスに感じた。
そしてあたしは文章のほうがいいような気がしてしまったよー。。。
やっぱり表現というよりは食べていくための仕事として捉えてるからお金のこととか今のテレビ的なものとは違うんだけど、うけるかうけないかが基準となっていて、これだけお金がかかったのに。。。というくだりが何度か。お金をかけらからには元を取らなきゃみたいな(それは経歴とか牛山純一の下で制作していた影響に依るものだと思うんだけど)
でも彼の作品の主人公となってくひとと出会って関係性を築いていく中でそういうものでは測れないものなんだと気づき反省してはまた撮り続けていく。
そういうこのひとの素直さがこの本で書かれているブラジル移民のひとたちの人柄や人生をまっすぐに伝えていくツールになっているんだと思う。
この本で紹介されたひとたちの映像作品もみたいなと思う反面、一人で制作してきたからこそそのひと自身が強固に現れるドキュメンタリーを見るのはちょっと腰が重くなるなと。。。
でも戦争を経験してブラジル移民に行ったひとが少なくないことと(南米に移民したひとの中にも被爆者がいることは聞いていたので考えてみればそれは当たり前のことなんだけど)、祖国が戦争に勝ったか負けたかで勝った論をずっと信じていたひと、そのひとたちが負けた論を語ったひとたちを暗殺したということがあったということは知らなかったので驚いた。
この本の中のひとも言っていたが、教育ってほんと怖いな。教育はずっと政治に左右されてくんだな。。。
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なんといっても岡村さんの人となりが伝わってくる。稼ぎよりも自分を貫き通すその生き方が素晴らしい。ストレスはないのかも知れないが、みじめな思いをいろいろとされているようだ。そうした情けない部分も吐露しているからこそ、読んでいて、引き込まれた。彼が取材した移民の人たちの人となりも素晴らしい。
こうした取材をするには手遅れだ、ということは代替の方が亡くなっていることからもわかる。