紙の本
衝撃的な料理の数々
2013/09/09 09:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けだま - この投稿者のレビュー一覧を見る
食の冒険家である著者が世界中で出会った特徴的な料理の数々が、著者の経験も踏まえて書かれています。
著者の言う通り世界食遺産を作った方が良いのではということに私も賛成です。
食文化に興味がある方は初級編ということで本作を読んでみてはいかがでしょうか。
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自称、「味覚人飛行物体」の小泉武夫教授の東京農大での講義を本にしたもの。(そういえば、東京農大は経堂の駅の近くだ!)
小泉教授の授業は、一言でいうと「食文化論」だという。つまり、「食」を「文化」として捉えた講義ということ。実際、この本でもそうだけど、「人間は何を食べてきたのか?」という問いから、なんとウンコの化石(糞石というらしい)から昆虫を食べていたと論じる。そして、今でも世界に目を向けると、昆虫を食べる民族は多く、世界中を飛び回っている小泉教授の面白おかしい話しが続く。写真を見せたり、こんな驚くべきものを食べたりという講義が展開したり。さぞかし、学生は楽しいだろうなぁ。
「発酵させて保存する」という講義の、鰹節の話しも興味深かった。鰹節で出汁をとっても脂は浮いていない。よくよく考えると、日本の出汁は昆布、椎茸、鰹節が主役だが、そのどれもが脂が出ない。一方で世界中の国は違うらしい。(韓国でも中国でもフランスでも脂が浮くらしい) 日本の澄んだ出汁は、日本の四季が育んだ情緒と繋がっているという。う~ん、文化論だ。
一方で、科学の目で食文化を切る小泉教授もいる。豚の腿にカビを生やしたものを「火腿(ホウテイ)」というらしいのだが、これは出汁をとるものらしい。中国ではものすごく高価で、国内で消費されず、ほぼ100%が香港に出荷されるらしいのだが、この「火腿」がぶら下げられて、豚の脚からチッタンチッタンと油が垂れているのを見て、「これこそ、探していたものだ!」と喜んだという。なぜなら、融点の低い油が滴るということは、動物性の「脂」を植物性の「油」に変える微生物がいるということだから。「さすが、大学の先生だね!」と感心した。
この方の本は何冊か読んでいるけど、直に授業を受けることができた学生さんが羨ましいな。
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この人はほんとにいろいろなモノを食べる。海外でこんなモノを食べた話が好きで読んでいるがこれは、ちゃんとした大学の講義。料理を文化としてとらえると、人類の歴史の中で何が見えてくるのか、虫を食べる、カビを利用する、元来毒のものを食べる、その理由があきらかになり、おもしろかった。
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帯文:"食欲が生んだ奇跡!" "私たちは食べものでできているのに知らないことだらけ"
目次:まえがき、第1章 ヒトは何を食べてきたのか、第2章 火と灰、第3章 道具と知恵、第4章 原始国家と神の誕生、第5章 酒のはじまり、第6章 塩と人間、第7章 保存する技術1(干す・燻す・葉に包む・灰)、第8章 保存する技術2(発酵)、第9章 毒と解毒食品、あとがき
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教授による講義をまとめたもの。食文化について、興味深い内容で面白かった。美味しそうなものから美味しくなさそうなものまで。
発酵については特に興味があるので他の本も読んでみたい。
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蛇から蚊の塩辛まで!世界のありとあらゆる食を堪能して来た著者が語る食の文化論。珍料理の数々と著者の食べっぷりに驚かされる。酒はどうやって誕生したのか、食べ物を燻すとなぜ保存がきくのか、など様々な身近な食のからくりを生き生きとした語りで説く。食の技術は人類が発見し培ってきたもの。先人たちにも感謝しながらごはんを食べようと思った。
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「食の冒険家」を自称する大学教授による食文化論。わかりやすい言葉で、世界の珍食・奇食を紹介している。
特に食品の保存方法の説明に力を入れている。「干す」のがおそらく人間が最初に得たであろう保存方法であり、塩蔵や発酵など、場合によっては命懸けで先人達が経験から確立してきたものだ。発酵食品は、臭いは強烈でも非常に美味なものがあり、それらを最初に食べた人達の勇気と食への執念に感心する。
中には驚くような、読んでるだけで気持ち悪くなりそうな奇食もある。著者曰くはかなりの美味なものもあるらしいが…ちょっと試すには度胸がいりそうだ。
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かぼちゃで砂糖を作る。刺されると危険な巨大蜘蛛を焼いて食べる。こんなエピソードを挙げると、著者の行動は奇抜で破天荒に見えるかもしれないが、東京農大教授時代の最終講義をまとめた本です。
経験と研究理論の裏付けにより、人類誕生から現在まで、人々の命を支え続けてきた食文化を分かりやすく説明。というか、大学の講義にしては型破りです。ご本人が言うように「今日の食文化の論理はあまりに整然と法則化されている。だけど私の講義はあっちこっちに話が飛び、どっかに跳ねるというミラクルな食文化論を展開するのが特徴」です。まさに冒険、だから面白い。「なぜ、人はアリを食べてきたのか?」「なぜ、神様はお酒が好きなのか?」「なぜ、イヌイットは肉を焼かないのか?」等々、読めば納得の人類の知恵に感動させられます。
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