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紙の本

戦闘シーンも迫力ある!

2020/01/12 22:18

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る

上巻に引き続き元就夫婦の苦闘が続く。だが、慎重居士で取越し苦労性の元就と対照的なおかたの明るさが救いとなって深刻な場面を明るくさせる。元就のこの性格設定は彼の書簡を数多く読み込んだ作者の努力の賜物だろう。
本当に元就のような土着の武士には生き難い時代だったと痛感する。大内と尼子という二大勢力に挟まれ、どちらについても他方に対する最前線とされ、あげく危険な殿(しんがり)を強制される。ぼろぼろになりながら故郷に落ち延びていくものの追手は諦めない。そこで突然、昔敵方に内通したと疑われ自ら毛利家を去った諜者小三太に救われることとなる。ここで印象的なのは、元就の身代わりとなった家臣が追手を一手に引き受けたときになって小三太が現れることだ。それは、元就に恩返しをするのではなく、唯一自分を信じてくれたおかたに対して恩返ししたいという小三太の気持ちがいささか回りくどくはあるけれど、確かに戦国の世にもあった信義というものを我々に気づかせてくれたからだと思う。
結局、おかたは元就が戦国大名として大成するのを見ずに亡くなるのだが、二人の最後のシーンがとてもいい。かけがけのない二人でも最後まで行を共にすることはできないという儚さが胸に沁みた。

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2014/09/09 17:55

投稿元:ブクログ

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2021/10/12 12:13

投稿元:ブクログ

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