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飼い主以上に長屋でハバをきかせている鯖三毛のサバ(♂)
それにはちゃんとしたワケがあって、永代橋が落ちるのを予見し、同じ長屋に住む夫婦を威嚇し足止めしたという。
そんなこんなで、同じ長屋の面々はサバに全幅の信頼をよせ、長屋の名前もいつからか「鯖猫長屋」となったそうな。
長屋の人たちの横のつながりや人情話はやっぱりいい。
人死がでるけれど、うっすらとぼかしているためか、厭な気持ちにはならなかった。
善い人は善いひとのまま、そうでないひとはやっぱりそういう感じで、
そういうところも読んでいて安心できたところ。
続編が出ているそう。機会があれば読みたい。
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久しぶりの再読。
雄の三毛猫サバが親分ばりに活躍。ふてぶてしさと頭の良さと俊敏さと、正に長屋の主という貫禄。実際に動くのは子分の絵師・拾楽だけど。
怪しげな儲け話に飛び付く店子、サバを大金で買い取ろうとする男、幽霊騒ぎにフラりと現れた犬の敵討ち…様々な事件の裏で少しずつ拾楽や新入り店子の秘密が明らかになっていく。
途中に挟まる『問わずがたり』で大体のことは分かるものの、最後はバタバタしたような感じ。
もう少し早い段階から明らかにしていっても良かったような。
拾楽の過去ともケリがついて、新しい一歩を踏み出すというところか。
続編もあるので読んでみたい。
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猫好きにはたまらない、
猫が活躍する江戸時代の推理もの(?)
しかもこの猫は、
縞三毛とよばれる、白、茶、鯖縞柄の模様を持つ雄猫で
雄の三毛猫はとても珍しいときている。
雄の三毛猫が生まれる確率は100分の1。
(・・・と何かで読んだ記憶がある)
生命の不思議で生まれてきた雄の三毛猫サバは、
猫しか書かない売れない絵師拾楽の飼い猫だ。
拾楽の住む長屋の住人が、
川向こうへ出掛けようとしてサバに阻止され、
その後すぐに川にかかる永代橋が落ちたと言う話は有名になり、
以来、その長屋は鯖猫長屋と呼ばれるようになったそうだ。
長屋の差支配人はちゃんといて、
とりまとめ役のような面倒見のいいおかみさんもいるが、
一番えらいのは、このサバということになっている。
サバと拾楽ののんびりとした長屋生活を軸に、
長屋の住人たちをひきこんで騒動が次々とまきおこる。
7章からなるストーリーが展開していくにつれ、
飄々とした売れない絵師拾楽の素顔が
徐々に明かされてくる。
なんでも知っている感じのサバは
やはり人間よりもエライのかもしれない。
個人的には、第2章の「開運うちわ」が面白いと思った。
猫の絵を書いたうちわで宝くじを仰げば大当たりする、とは
胡散臭い話だが、それでひと儲けをたくらむ輩がいるから
ひと騒動おこるのだ。
でも、猫柄のうちわがあれば、私も買ってしまうだろうなあ。(笑)
サバがなぜ拾楽の元にいるのか、もう一つ理解できなかったが、
100分の1の奇跡の猫だから、
自分が一番必要とするところに居るのだろう。
周りの人に好かれること、
これもサバが生まれつき持っている不思議な力にちがいない。
このコンビもまた次回、お目にかかりたいコンビである。
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長屋に住んで猫の絵ばかり書いている売れない絵師、拾楽さん。
その拾楽さんが飼っている鯖縞模様の三毛猫、サバの大将がこのお話の主人公(笑)
長屋に住んでる誰よりもえらくって、誰よりも信頼されてるサバの大将を中心に訳アリ住人のいざこざを拾楽&サバが収めていくお話^^
長屋の住人ととりまく人々の人情劇といったカンジですね♪
昔口調の昔言葉が出てくるのですぐに呑み込めない言葉があったもののすらりと読み進められました^^
おはまちゃんとのその後、気になります!
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連作短編であとへあとへとひっぱられるところは楽しめたが、ときどき文章がわからなくなったり、会話の話者がつかめなくなったりするところがあり残念だった。続編をどうしても読みたいかと聞かれれば、あれば読む、程度かな。
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時代物だからという以上に読みにくく、序盤は面倒くささが勝る。しかし読み進めると話がおもしろくなり、最後まで読めた。
猫が見守る長屋の、日常の中で起こる小さな事件を通して、主人公が長屋に住むきっかけとなった大きな事件が解決されていくという大道展開。
猫が神がかりすぎるところもあるが、時代物はファンタジー感が加味されると思うと違和感もない。
文章の面倒くささが、続編を買ってまで読みたいと思わせない。内容的にも重くないので、文もサクッと読める程度のリズムのよさが欲しかった
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内容(「BOOK」データベースより)
ところは江戸の根津宮永町。鯖縞もようの猫が一番いばっている長屋があった。人呼んで「鯖猫長屋」。猫の名はサバで、飼い主は、三十半ばの売れない画描き拾楽。なぜサバが一番えらいかって?それはサバが永代橋が落ちることを予見し、長屋の面々を救ったから―。そんな猫様が仕切る長屋で次次と起こるふしぎな事件。謎を解くのは、画描きの拾楽?それとも…。突然越してきた美女、大道芸が得意な浪人者…。「わけあり」な人々と猫が織り成す大江戸謎解き人情ばなし。
令和5年4月9日~11日
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ところは江戸の根津宮永町。鯖縞もようの猫が一番いばっている長屋があった。人呼んで「鯖猫長屋」。猫の名はサバで、飼い主は、三十半ばの売れない画描き拾楽。なぜサバが一番えらいかって?それはサバが永代橋が落ちることを予見し、長屋の面々を救ったから―。そんな猫様が仕切る長屋で次次と起こるふしぎな事件。謎を解くのは、画描きの拾楽?それとも…。突然越してきた美女、大道芸が得意な浪人者…。「わけあり」な人々と猫が織り成す大江戸謎解き人情ばなし。
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初読み作家さん。
猫が活躍?しそうなあらすじに惹かれて読んでみました。
私が幼い頃の、隣近所同士のワイワイガチャガチャな繋がりが、この物語を読んでると懐かしく思い出されます。
その頃はそれはそれでお節介とか、面倒とか思う時もあったけれど、今になればこういう人の繋がりって大切なのかもなぁと思いました。
そんな長屋で起こる穏やか賑やかな、そして不思議な日常のお話。
長屋なので、登場人物は結構多いです。
名前とどういう人かが一致するまで結構大変でしたが、それが分かるようになると話の流れに集中出来ようになって、ぐいぐいと物語に入っていけるようになりました。
読むのにお目当てだった猫「サバ」も、期待通り、いや期待以上に良い感じの存在感です。
サバと拾楽(主人公)とのやりとりが楽しい。
そして羨ましい!
章の合間、合間に綴らる別面の出来事が不穏で、話が進むにつれ、その不穏がじわりじわりと話に中心に近づいてくる感じが不気味です。
後半、それがこれまでの話、そして謎の部分が一本の線に繋がり、大きな事件になります。
最後まで謎の男・・・犯人は誰か、・・・いや、どっちか。
分からなかったなぁ。
一件落着も最後まで「鯖猫長屋」で締めくくられてるのも良かった。
今の時代だからこそ、こういう人情ものって心に染みる。。。
ひとまず「謎」は明らかになったけれど、この先も「鯖猫長屋」のワイワイガチャガチャぶりが続いてそうなので(シリーズもの)、続きも読んでみたいと思います。