紙の本
さあ、幸せよりどりみどり
2018/02/14 23:58
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
この恐怖はどう伝えたらいいのだろう。雀野さん3作目だからなんとなく馴染めてはいるけれど、初読みだったらきついなあ。X県の毒素。浸食力がはんぱない。1匹の老犬と女性の怨念も加わってさらに毒が強くなる。最終話に近づくにつれ、X県の本質も如実に明かされていくが、結局この地に足を踏み入れたら、食殺されるのが運命なのか。怖すぎ!いつか老犬と女性の恨みは晴らされるんだろうか。それとキーパーソンの彼女。彼女は救いなのか、それとも弄ぶだけなのか。曖昧な立ち位置がまたおどろおどろしさに拍車をかける。読んだら最後、戻れない。
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各話ともラストで、足元の一枚板をすとんと外されるような感じ。痛快でもありゾゾッともする。最終話ではきちんとオチが付いているが、まさかこういうオチとは……。
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「ダ・ヴィンチ」インタビューで興味を覚えて読んだ。
各地方には各々の伝統や風習があり、それに基づいて作られた地方的価値観というものがある。
「その地方でしか通用しない価値観や幸福観を絶対的なものとみなす、閉鎖的な人たちの話」ではあるが、この物語の怖いところは、彼らが絶対的なものと見なすその「幸福観」というのが、行政によって定義されたものだという点だ。「幸福度ランキング全国1」をアピールするための、都合のいい「幸福観」を定義しているだけの行政に。
「怪談風味でブラックコメディ的なイヤミス」という形を取ってはいるが、これは告発本に近い感じがする。好き嫌いが分かれそうだが、自分にはツボだった。
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日本一幸福な県・X県。そこでは女性の就業率が高く、子育て支援が充実し、子供たちの学力も全国トップレベル。ここに住めば確実に幸せになれる、といわれているのだけれど。
……こんな幸せ、いらない。
数々の「実績」のからくりに唖然。働く女性たちの実態に愕然。旧弊な価値観の押し付けは、鬱陶しいレベルを超えてむしろ恐怖。それでも「幸せ」を謳歌する彼女たち……うわあ、ぜんっぜん羨ましくない!
確実に、日本一住みたくない県ですX県。とんでもなくホラーな作品でした。
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思った以上のブラックだった。X県は男性にとってはよいところなのかな?
正論を言っているようでずれている、ただすごいと思わせるところはあって、洗脳ってこんなところからはじまるのかもしれないなと思った。
早く出て行ってと思いながら読み進めるもどの女性も疑問を抱きつつ住み続けていました。
全部読んであんまりすっきりしないイヤーな感情がうずまきました・・・
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舞台は、一応、X県とはなっていますが…、
ズバリ!「福井県」のことでありますな~。
みなさんの感想を読むと、作者さんの意図されたとおり、
X県民の言動やお話には、嫌悪感なども感じられており、
同郷の者としては、結構、残念なところではありますが、
デフォルメされた県民像やその言動、そして、お話には、
ベースに、同郷の者でしかわからなぃあるある感があり、
そもそも、作者さんも、同郷の方でありまして、
ある意味、自虐的なお話に、ニヤリともしちゃいました。
たぶん、福井県にお住まいの、もしくは出身の、
アラサー、アラフォー女性には、ツボに入るのでは…??
最後に、読者の皆様に、一言だけ…。
この小説は、ホラー作家さんによるブラックジョークです。
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「住んで良かった」「持ち家率」「子育て環境」「女性の働きやすさ」「健康長寿」いずれもNO.1のX県で暮らすことになった女性たちのお話。装丁の可愛いイラストからは想像できない内容でした。私にとっては後味の悪いホラー。これを小説だからと楽しめないのは、どこの田舎にもある閉鎖性と時代遅れの価値観のせいかもしれません。他人事じゃないんだよ……。とにかく、自分の為になんでもするX県の人はお見事。私はこんなところには近づきたくないです。
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日本一幸福なX県で暮らす6人の女性の姿を描いた連作。
怖い怖い。
X県こそが全てに於いて最高と虚像を描く自治体の必死さと、都合の悪い事は見えない振りをして幸福だと言い切る県民。
そして醜いまでの他府県への蔑み。
何の冗談かと思うようなことが次から次へと語られていくので、おぞましさと笑いが交互に訪れる何とも言えない読後感です。
X県に嫌悪感を覚えていたはずの彼女達が、いつの間にやら染まっていってる様も寒々しい。
"ぼくたちの親孝行"と"給湯室だよ全員集合"がツボでした。
道真公の掛軸ということはやはりあの県でしょうかね。
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秘密のケンミンSHOWでは地方の良さを存分に引き出しており、食べ物の変わった食べ方、習慣風習が面白おかしく紹介されているが、特に都会と呼ばれる人がそこで暮らそうものなら、必ずカルチャーショックがあるのは当たり前のことである。「田舎暮らしは2~3日」が限界なのかもしれない。 ご近所との付き合いが盛んなところは「井戸端会議の噂の標的にいつなるか」という恐怖に怯え、女性働きやすさNO.1の触込みは「専業主婦は怠けもの」扱いされる屈辱に変貌、子供の学力・体力NO.1は「井の中の蛙」状態ということを回りは信じたがらない。
県外から様々な理由でX県に夢と希望を抱いてやってきた人達に様々なギャップに苛立ち・怒り・驚きをもたらす。
実際に定年後に田舎暮らしを希望し実現した夫婦が馴染めずに戻ってきた事例をTVでやっていた。
ホラー小説も書く著者らしく最初と最後の章はちょっとホラー要素あり。
さくさく読めます。
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隣の奥さんのイビリに苦労する蒼子、地元の風習に絶句する絵里花、小学生のわざとらしい自動車事故ゲームに苦慮する穂菜美、夫婦で地元に移住してきた漆原夫妻、おせっかいなママさんに悩まされる心菜.第6話でこれらの県外組が打ち解け合う話だ.
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ううう。読んでてめっちゃ嫌でした・・・。
表紙の絵も、読んでから眺めるとめっちゃ怖いしー(泣)。
一話目で早くも挫折しそうになりつつ、頑張って読んだけど
読まなきゃよかったです・・・。
これってF県のことかなあ・・・と思ったらそうだったんですね。昔、少し関わりがあったので「ああ。」って。。
まあ、うちの田舎も似たようなもんですが。
男性上位なのは男にはサイコーでしょうが、女には地獄ですね。。
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20160715リクエスト 仮受
これ福井県?あり得ないことが地元住民には当たり前で、よそ者には馴染めない。こんなところ、ぜーったいにイヤ。
でも今すんでるオットの地元も似たようなものかも。あり得ない風習が普通にあるし。
違和感をわすれないでいたい。
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日本海側のX県に、それぞれの事情で住むことになった主婦たちの連作短編。
不気味で、嫌な感じが常に漂うお話でした。
X県は、特定される県で、著者の出身地のようですが、あんな感じなのでしょうか。
思わず色々調べてしまいましたが(苦笑)
我が家にも犬がいるので、一話のトウマの話は辛かった。
婚活でお嫁に来た話「おいでおいで」は、救いがあり悪くなかったです。
最後の全てを拾った話「しあわせの始まり」のラストは完全にホラーですね。
なんだかんだいいながら、一気読み。嫌いではなかったです。