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1906年、世界初のアニメーション映画が誕生する。
そこからの表現手段の獲得とその背景について考察する。
とってもおもしろい。
セルアニメーションが分業を可能にしたこと、軍事教本がアニメの普及に役立ったこと、これにはびっくり。
なかで、アメリカではプレシンクが主流なのに対し、日本ではポストシンクが一般的。その理由を能や人形浄瑠璃などの伝統芸能の存在に求めた論考は愉しい。
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細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか アニメーションの表現史』新潮社、読了。世界で初のアニメーションは『愉快な百面相』(1906年)。3分の作品は黒板に描かれたチョーク画だった。黒板の絵が動く。最初期のアニメはヴォードヴィルの「チョーク・トーク」に由来。寄場の似顔絵即興劇がその原型という。
本書は、『愉快な百面相』から『トムとジェリー』に至るまで、個々の作品分析を通して「アニメーションの表現史」を辿るユニークな試み。ウィンザー・マッケイ、W・ディズニー、フライシャー兄弟など、巨匠たちの表現技法について具体的に解読する。
著者の専門は、視聴覚メディア史(言葉と身体動作の時間構造)。映像とセリフのシンクロニシティを巡る考察がスリリング。アメリカではプレシンク、日本ではポストシンク。前者は映像と音声を合わせるが、後者は無視する。アフレコは浄瑠璃等の伝統に浮上する。
細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』新潮社。 https://www.shinchosha.co.jp/book/603735/ 「アニメーションの傑作はいかに作られたか?」(帯) 本書は著者の大学での講義が本書の元になっているが、映像と併せて読むとより理解しやすい。
これが世界で最初のアニメーション「愉快な百面相」(1906)ですね。
Humorous Phases of Funny Faces: http://youtu.be/8dRe85cNXwg
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アニメーションの誕生からその多様な表現手法の変遷を解説した力作。口の動きとセリフを合わせるリップ・シンクをはじめ、表現手段としてのアニメーションを発展させてきた人々の力量に敬服させられる。懐かしいアニメキャラだけでなく、キャブ・キャロウェイという思いがけない名前が出てきて「ブルースブラザース」をまた見たくなった。
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日本のヒーローは変身すると口を隠し、アメリカのヒーローは口だけ出す。この指摘がすごく興味ぶかい。頭をガツンと殴られたような衝撃だ。
こんどは日本のアニメ-ションの歴史を読んでみたいと思わせられる本。注意ぶかく書かれており、読みやすい。
ただ、注釈がくせ者かもしれない。
ミッキーの口笛考察がすごく面白かったにもかかわらず、その考察があやうくなるような事実を注釈で解説するのは……。「世界初のアニメーション」の定義も、注釈を読んだあとだと納得しづらい。
自身の説がすべてではないことを明記しているのは誠実で、好感がもてる。たんに読者の好みの問題かもしれない。
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ちょっとたいくつだなと思っていた「蒸気船ウィリー」の謎、そしてトムとジェリーの素晴らしさを改めて実感いたしました。
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150418 中央図書館
懐かしの『トムとジェリー』やベティ・ブープなど、YouTubeで確認。『恐竜ガーティー』、意外に面白かった。フラーシャー兄弟の『インク壺から』を見ていると、井上ひさし『手鎖心中』に出てくる煙曲師の技を思い出した。
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世界初のアニメーション
『愉快な百面相』
ウィンザーマッケイ
眠りの国のリトルニモ
第一次世界大戦の新兵教育にもブレイのアニメーションが使われた(ブレイが売り込んだ)
ミッキーが口笛を吹いているのは、呼吸の表現。蒸気船ウィリーは、ミッキーが初めて呼吸をした場面である。
日本のアニメはアフレコだが、アメリカは今もプレレコでリップシンクを重要視している
日本がリップシンクの不在に寛容なのは、吹き替え映画になれているおかげ?