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『エール! 1』、『エール! 2』に続き、図書館でしばらく待ってて読んだ本。"お仕事小説アンソロジー"の3集めである。
・美術品輸送・展示スタッフ
・災害救急情報センター通信員
・ベビーシッター
・農業
・イベント会社契約社員
・新幹線清掃スタッフ
という仕事につく人たちが描かれている。
どの書き下ろしもおもしろかったが、とくに印象にのこったのは、日明恩(たちもりめぐみ、と読むそうだ)が災害救急情報センター通信員、つまりは119番通報を受けて、その内容を聞き取り、必要な救急車や消防車に出場指令を出す仕事をする人を描いた「心晴日和」と、伊坂幸太郎が到着した新幹線を次の発車までのわずかな時間で清掃するスタッフたちを描いた「彗星さんたち」。
電話に出た直後は悪戯電話かと疑った通報が、「無音通信」何らかの理由で声を出せない状態の人からの電話だと気づいた主人公の心晴(こはる)が、「もしもし、大丈夫ですか? 聞こえているのなら、受話器を三回、指で叩いてください」(p.69)と呼びかけながら、通報者の場所を特定しようと電話の向こうに聞こえる音を聞き取って、現場近くまで急行した救急車の隊員に、「通路に面した団地の一階の部屋にいます。窓は開いていて、覗けば姿が見える状態です」と引き継いだ。呼吸困難を起こしていた通報者は、救急隊員に間もなく発見され、病院へ搬送される。
現場隊員だった心晴は、通信員に異動になり、不承不承働いていた。かかってくる電話は救急や消防の緊急通報ばかりでなく、グチ電話のようなものもある。現場手当もなくなって収入も減ったうえに、なんでこんな電話の相手を…と思うことも少なからずあった。しかも現場にいた頃には、通信員に対してちゃんと司令しろよと思っていたからなおさらだ。通信員も大事な仕事とは思いながら、現場に急行する同僚へのひがみのようなものと、自分に与えられた仕事に対する不満があった心晴。
無音通信で搬送された方が、治療により小康を得て、通報を受けてくれた人にありがとうと伝えてほしいと言っていることを、現場隊員の同期がメールで心晴に伝えてくれる。そのメールを、消さないようにと大切にフォルダにしまう心晴の姿がよかった。
「彗星さんたち」の話の語り手は、人としゃべるのが苦手で、掃除だけをしてればいいとこの仕事を選んだ「わたし」。先輩や同僚たちとの日々のやりとりから、これはただ掃除だけじゃない仕事なのだ、きめられた時間内にちゃんとやる仕事なのだと「わたし」は教えられる。
長い長い新幹線の各車両とトイレなどを分担して、次の発車までのかぎられた時間のなかで、きれいに掃除をするこの仕事は、チームワークでもある。実際に仕事をしている人たちの思いと、その仕事がスポットライトを浴びて伝えられるときのストーリーはまた別で、そのあたりが少し語られている。
▼最近は、わたしたちの新幹線清掃の仕事も雑誌やテレビで取り上げられることが増えた。自分たちのことが評価されるのは光栄で、誇らしいことではあるものの、七分間でぴかぴかに。世界最速の清掃! とその、「仕事の速さ」や「効率性」に注目されることが多いのも事実だ。もちろん、わたしたちは精一杯頑張って、その、「七分間の清掃」をやり遂げているのだから、褒められればうれしいが鶴田さんが言うように、「十五分かけて掃除していいのだったら、十五分かけて、もっときれいにできる」という思いもある。(p.290)
「効率性」や「仕事の速さ」ではないところが穏やかに描かれているところがよかった。
(10/30了)
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お仕事小説。
他の作品の関わってた仕事が
別の作品のなかでちらっと出てくるところがいい(^^)
今から仕事頑張ろうかな、と思える1冊。
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伊坂幸太郎が読みたくて購入。
伊坂幸太郎と山本幸久が頭一つ抜けて面白い。
もっと読んでみたくなる短編を書いている。
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お仕事系小説シリーズの第3弾。
あまり心に響く作品がなく、かといって実力作家が揃っているだけにつまらなくもなく、淡々と読み終わった印象。
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「エール」は1巻から順に読んだが、どの話も普段馴染みのある仕事の「中の人」の存在、中の人がいるからこそ仕事が滞らず進み、成り立っていること、欠かせない存在であることを認識した3冊。もちろん、仕事の裏側などもわかって楽しかった。今までと見方が変わるだろうなと感じた。例えば気持ちよく乗り物などが使えるのは「中の人」がいるからこそだと頭が下がる思い、感謝の気持ちだと思う。どの話においても誇りを持って仕事をしているのが伝わって来る。今作で良かった話は「彗星さんたち」、「ラブミーテンダー」、「心晴日和」。
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働く女性アンソロジー。
日明恩さんを目当てに。
119にかけて最初に取ってくれる所。
いたずらも多い中、こうして頑張ってくれている人達は
本当に神経すり減らしているのだな、と。
確かに現場の緊迫感はないものの
それを判断する、大事な場所。
ベビーッシッターも、かなり信頼がなければ
やりづらい仕事です。
しかしそんな仕事内容よりも、友人の方が
非常に気になる話でした。
ドラマチックに演出…悲劇のヒロインならぬ
ドラマにどっぷりな感じの人。
迷惑がかからなければ別に、ですが
これは確実に迷惑被ってます。
そして最年長ヒロインw
世間をしらなくても、自分の世界を知っていれば
それだけで十分です。
生きて行く勇気と知恵さえあれば、大丈夫。
という前に、やはり日頃の運動…とか
己の生活を振り返ってしまいました…w
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様々な職場で働くヒロインたちのお仕事小説アンソロジー第3弾。このアンソロジー、巻を重ねるごとに好きな話が増えている。
今回はなんと86歳のヒロインも登場。
伊坂幸太郎はやはり面白いし、日明恩と山本幸久が泣けた。
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東京に向かう新幹線で読了。伊坂幸太郎にひかれて買ったけれど、それ以外の作家さんの方が印象に残っている。ちょっと追いかけたい人も出てきて良かった。
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6人の作家たちがお仕事をテーマに描いたアンソロジー。
・原田マハの美術品輸送・展示スタッフ…かつて美術を共に志した同期と仕事で再会する話。ライバルであり親友。複雑な心理がとてもリアルに描かれていた。
・日明恩の災害救急情報センター通信員…消防士を夢見ながらも現場の仕事をなかなか任せてもらえず思い悩む女性の話。
・森谷明子のベビーシッター…これは一番好きだったかな。姉妹の話。ベビーシッターを天職とする姉と、姉の背中をいつも追い、将来に悩む妹。自分の仕事に誇りを持つ女性って、やっぱかっこいいね。
・山本幸久の農業…今まで読んだことのないテイストの物語。夫に先立たれ、田舎で一人農業を続ける老婆が主人公。そこで起こる事件に巻き込まれるのだが、勇ましくかっこいいおばあちゃんが魅力的。
・吉永南央のイベント会社契約社員…イベント会社ってやりがいあるだろうな。毎回イベント毎に達成感あるだろうし。まあその分、失敗が許されないリスクを背負う仕事だけど。
・伊坂幸太郎の新幹線清掃スタッフ…伊坂さんの短編は珍しい。得意の新幹線がテーマ。主人公の30代の女性。喋るのがとても苦手で新幹線の清掃スタッフになったのだが、そこのスタッフたちとの不思議な妄想トークがなんとも面白い。大きな事件はないんだけど、引き込まれた。
これ、第三弾らしい。1と2も早速図書館で予約しました!世の中には本当に様々な仕事があるんだな、と再認識できる。仕事をテーマにした小説って、疑似体験しているようで面白いね
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シリーズ1のあと、3を読みました。
どの女性たちも一生懸命お仕事していて、ほんとにエールを送りたくなります。美術品輸送、災害緊急情報センター、新幹線清掃、ベビーシッターなどの、仕事の裏側を知る楽しさも味わいました。
知らなかった作家さんとの出会いがあるのも楽しみでした。
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様々な仕事をしている女性を六本の短編で取り上げた一冊。
アンソロジーは新しい作家を発掘するために好きで色々と読んできました。
好きな作家が出ている物を読んで、他にこの人いいな、と思う人が一人見つかればラッキーという感じでした。
やっぱり読み始めたきっかけになった好きな作家の作品が一番よかったと思うことが多かったんです。
でも、この本は違った。。
読もうと思ったきっかけは、妹のだんなさんが伊坂幸太郎が好きだと言ってて、じゃぁ何か私も読もうと思ってずいぶん前に手元にありました。
この本、全員初めて読むさっかでしたが、全部よかった。
美術品輸送スタッフ、災害救急センター、ベビーシッター、農業、イベントスタッフ、新幹線の清掃員の六本でした。
どの作家もよかったけど、東京消防庁に努めている女性を描いた「心晴日和」が一番でした。
119番電話を受けている女性が主人公です。
仕事への思い、声が出せない人からの通報を受けたときの緊迫した空気、主人公の成長。
短い中にしっかりとエピソードが詰まっていて、きれいにまとまっていました。
日明恩(たちもり めぐみ)さんという作家らしい。
初めて知りました。
この本で出会った作家は全員「脳内読みたいリスト」に登録です。
いいな、と思う作家を見つけたときのこのワクワク感、いつまでたってもいいですね。
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書棚の都合で文庫本しか買えない私。
しばらく大好きな原田マハさんの
作品から遠ざかっていた。
何冊かは出ていたが…私は彼女の
美術作品への熱情がこめられた
小説が好きなのだ。
ふと見つけてしまった。ブックオフで。
このアンソロジーのシリーズは
もちろん知っていましたが
手に取ったこともありませんでした。
原田マハの名前についふらふらと。
そうしたら…正解!
同じゼミを優秀な成績で卒業した二人が
ひとりはキュレーターとなり ひとりは
美術品輸送の専門技術者となって再会し
かつてイタリアで毎日会いに出かけた
絵画を前に 黙して変わらぬ友情を交わす。
この作品だけでも十分満足したのだが
ほかの短編もそれぞれが扱う職業の「誇り」
を丹念に描いていて秀作ぞろいだった。
さかのぼってエール2 エール1も
読んでみようと思う。
ちなみに2には
これも大好きな作家 坂木司の作品があるのだ。
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エールという題目だけあり、どのお話も最後は頑張ろう!いいな♫と思える終わり方で読んでいて爽やか!そんな中にも自分に当てはまって感じる事もあったり。ちょっと読むのに楽しかった!2017/3/10完読
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女性が主人公のお仕事小説アンソロジー第3弾。
心が疲れた夜に、自分は運が悪い方から1万番目ぐらいかなぁ、よし、明日もがんばろうと思える物語。
がんばってる人からがんばっている人へのエール。
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小春日和/日明恩 ☆5
災害救急情報センター通信員
ラブ•ミー•テンダー/森谷明子 ☆4
ベビーシッター
シンプル•マインド/吉永南央 ☆3
イベント会社契約社員
彗星さんたち/伊坂幸太郎 ☆4
新幹線清掃スタッフ