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人間は知的欲求の対象として何よりもまず歴史を追求しようとしてきた。そして今もあらゆる知識の基礎として歴史を学ぶことが最も大切なことであろう。そして「厖大な歴史の時間に比べればおれの一生の時間など焦ろうが怠けようがどうせ微々たるものに過ぎない」、「人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うこと」をやればいいということを思い知る。
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世界はこんなにも美しい。澄み渡った空の下の遙かなる人生。私はこれ以上流麗な一代記を読んだことはない。
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筒井らしくないと言えばそうなのだろうけど、面白ければいいじゃない。ラゴスがスカシウマと飛ぶときの描写だけで私は感涙しました。
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敬愛する筒井作品のなかで、最も好きなものです。淡々とした語り口の中に「学問で生きるということ」の喜びと悲しみと理不尽が詰まっています。
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饒舌、悪ノリが理由で筒井氏を敬遠している人にこそ読んでほしい一作。文明の意義や人生の意味といった大きなテーマを、短い小説に見事に詰め込んだ素晴らしい作品だ。
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まったく物語の世界にはまり込んでしまえる面白さです。高度な文明を喪失した後の世界を、北から南へ、そして北へ回帰するラゴスの旅の物語です。ごく短い短編の一つ一つが主人公が立ち寄った場所でのエピソードになっていて、ページをめくっていくうちに主人公と一緒に年を重ね、旅をしているような気分になります。そんなに重々しい文体の作品ではないし、全体でも200ページほどしかないのに、不思議な重厚感で、後半などラゴスが成し遂げてきたことの一つ一つが、まるでリアルな思い出のように感傷的に胸に迫るんです。現実離れした世界観や、ラテン的な空気はガルシア・マルケスの『百年の孤独』と同じ匂いがしました。
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筒井氏の本は実はこれしか読んだことないのですが…
飄々とした主人公の造型、記憶人間や集団転移などの設定がとても好きです。
なんだか懐かしい物語です。
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Yonda? に挑戦2冊目。筒井康隆、久しぶりに手にとりました。連作長編、飽きさせない手腕はさすが。旅心が触発されました。
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日常を忘れる一冊。
十数年ぶりに再読。自分が各地を旅してる気分で面白かった。
ちょっと怖かった。恐怖が残ってたからか寝てるとき金縛りに遭った。
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筒井作品としては異色かもしれないファンタジック連作短編集。文明が失われ、代わって人々がささやかな超能力を持つようになった世界。旅を続ける男ラゴスが目指すものとは? 流れていく時間、過ぎ去っていく人々、誰しも人生そのものが“旅”なのだと思わせる一冊。一つ一つの事件に、必ずしも“結末”がないところがいいです。
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もっとずっと…ラゴスと共に旅をし続けていたいって…最後のページをめくっても尚思っていました。
こういう読後感を与えることが出来る読み物って…最高です。
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たとえ定住民族であろうとと変化のない日常であろうと人生とは旅なのだ。一人の人間の人生を真っ向から描いた深みのある作品。SFと嫌わず読んで欲しい。
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普段読んでるお笑いではない。
しかしこの真面目なSF小説もかなり面白かった。
ワープ先に障害物があると爆発しちゃうとか、なんかありそで、わかるわかる、みたいな。
こういう細かいところも流石に上手いねぇ・・・。
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久しぶりに,かなりよいと思える小説に出会った。筒井作品の中では異色と言われているが,全然よいと思う。地球によく似た,しかし異なる世界(時間的にはだいぶ未来だろう)を旅する主人公ラゴス。彼の求める「何か」を通して,他者との関わりと愛情,知識と実践,実社会から一歩引いたところにある内的な人生観に関する,著者の考察と思考実験が綴られてゆく。この小説は,一種のシミュレーションとも取ることができそうだ。ラストに「旅の答え」がはっきりと提示されるわけではないが,そのような終わり方をするのがもっとも効果的な物語の1つだと思った.
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ホワイト筒井節、とでも言いますか、主人公のラゴスの視点を借りて、ロマン溢れる不思議な世界観にそのままトリップさせられる感覚で読んだ。特に「王国への道」の章、15年の歳月をかけてあらゆる先人の知識を貪り得る様は圧巻。物語毎に現れるチャーミングな人物を表現するラゴスの語り口が何とも真っ直ぐで心地良かった。