紙の本
医学探偵の歴史事件簿1
2023/12/30 09:31
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史上の人物や事件に対して、残されている資料を医学的に分析して病名を当てはめ、解説していくというもの。もっとも当人を前にして診察しているわけではないので、確実にそうだといえるわけではなく、知的好奇心を満たすもの、として読むほうがいいと思う。
紙の本
楽しい読み物でした。
2015/02/17 16:23
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
お医者様の専門分野や興味のある歴史上の事柄によって、叙述が変わるのは当然なこと。でも、史料をどれくらい読み込んで分析したかがよく解らなかった。史料の出典をもう少し出して欲しい。
篠田達明氏の著作の方が好みだ。
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≪目次≫
第1部 二十世紀世界史の舞台裏
第2部 近代日本史の曲がり角
第3部 医学を変えた人々
第4部 王と医師たち
第5部 いにしえの病を推理する
≪内容≫
鈴鹿病院長の医学からみる世界の歴史(含む日本の歴史)。ヨーロッパの近親婚による劣性遺伝の表出やレーガン大統領のアルツハイマー病、源頼朝の話は有名だが、ケネディの病気やまさか日本武尊(倭建命)まで分析するとは…。最初のころより最後の方はやや筆が滑っている感もあり、頼朝の話は、近年画像が頼朝ではないとの説が有力になる中、まだそのまま使って分析するなど、問題も見られる。
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歴史上の人物やエピソードを医学の観点で考察したエッセイ集。歴史の教科書には出てこない切り口で興味深く気軽に読める。真偽はともかくとして(倭建命がギランバレー症候群?!)、推理過程が専門的で面白い。
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おもしろい。
神の啓示が側頭葉テンカン・・・というのがいい。
明治天皇の脚気の話も納得。
とにかく楽しんで読める一冊。
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岩波新書らしからぬタイトル。
歴史上の人物の死因をその記録から、
医学的に解明していく。
その中でも日本武尊をその記録から
実在の人物と結論づけているのは秀逸。
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著者は神経内科学を専門とする医師で、病院院長でもある。
本書は歴史的事件を医学的見地から見たときの、ちょっと興味深いエピソードをあれこれ挙げている。
第I部:二十世紀世界史の舞台裏
第II部:近代日本史の曲がり角
第III部:医学を変えた人々
第IV部:王と医師たち
第V部:いにしえの病を推理する
落ち着いた筆致で読みやすく、短い章立てなので切れ切れの読書にも向いている。
第I部で取り上げられているのは、ケネディ、レーガン、ヒトラー、スターリンといった人物。
第II部では、明治天皇、二・二六事件、三島由紀夫、昭和天皇のエピソード。
第III部では、パーキンソン、ナイチンゲール、パスツール、キュリー夫人など。
第IV部は、英国王室やフランス王室、ロシア皇帝一家。
第V部では、ツタンカーメン、倭建命、源頼朝、ジャンヌダルク、ハプスブルク王朝の病について。
個人的におもしろかったエピソードをいくつか挙げる。
・手の震えなどがあり、パーキンソン病を患っていたと思われるヒトラーは、あるとき、爆発の衝撃を受けた後、症状の軽快を示している。こういった大事件をきっかけにパーキンソン病患者の症状が軽快する現象は医学的にも知られているのだそうである。
・パーキンソンは、パーキンソン病だけでなく、恐竜の名付け親でもある。彼は化石の発掘にのめり込んでおり、恐竜に最初に「○○サウルス」とつけたのはパーキンソンだった。
・ヴィクトリア女王は英王室で初めて無痛分娩を経験した。小柄な女王はそれまでに7回の妊娠・出産を経ていたが、負担が大きく、側近の反対を押し切って、ついに8回目に無痛分娩に踏み切った。この際、使用されたのはクロロフォルムであり、麻酔を取り仕切ったのはジョン・スノウである。スノウは疫学の父とも呼ばれる医師である。(『医学探偵ジョン・スノウ』)
・ヴィクトリア女王の孫たちはヨーロッパ各国の君主となり、第一次大戦は従兄弟たちの戦争とも呼ばれた。ハプスブルグ家はスペイン国王や神聖ローマ帝国皇帝を輩出したが、近親婚を繰り返し、おそらく遺伝性疾患のために障害を持ったり早世したりする例が相次いだ。
*参考
・『病が語る日本史』
・『化石の分子生物学』
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●:引用、他:感想
古代エジプトの王ファラオから現代の昭和天皇まで、歴史上の人物、歴史的事件を医者の立場から医学的視点で捉えたエッセイ。その対象が歴史好き、ミステリー好きのツボにはまっているため、非常に面白かった。
●当時、大統領の健康に責任を持っていた人たちは後に、大統領は軽度認知障害(MCI)だったと言っている。軽度認知障害は、自分で記憶障害を認めており、客観的にも記憶障害はあるが生活には支障はなく、認知症の症状がない状態のことだ。(略)しかし、軽度認知障害の中には、徐々に物忘れがひどくなり、アルツハイマー病になっていく人もいる。案外、物事を深く考えなくなったことが幸いして、レーガンはぶれることなくソビエト連邦を「悪の帝国」呼ばわりし、ひとたび好感を持ったならばゴルバチョフをホワイトハウスの政権内でただ一人応援し、冷戦に勝利していったのかもしれない。とすれば、経度認知障害が、彼にヒロイックな勝利感をもたらしたことになる。
●もともとスターリンは猜疑心が強く、年齢を重ねるにしたがって度が過ぎていき、何かにつけて粛清の嵐が吹きまくった。(略)1952年10月中旬の第19回共産党大会で、スターリンは「ジダーノフの死は毒殺」だと告発するティマーシュクの手紙を側近たちの前で読み上げた。もはや、最高権力者の妄想を変えることは誰にもできない。(略)ヴィノグラドフ博士は11月9日に、イギリスのスパイで、共産党や政府高官に意図的な誤診を行なった咎で逮捕されていた。そして、次々と医師が逮捕されていった。→老害。組織の大小にかかわらない。
●頼朝の死ではっきりしていることは、11月27日に落馬し、1月3日に亡くなったことである。これらの記述をもとに、今日の医学的な目で彼の死を考えてみたい。(略)法要の席で酒に酔い、何かの拍子にバランスを崩して落馬し、頭部を激しく打ったとするのが一番単純な推測で、筆者にはそれらしく思える。『保暦間記』の平家の亡霊などの話は、人々の持つ覇者頼朝に対するネガティブな感情ゆえの巷説にすぎないとも考えらる。しかし、ひょっとしたら頼朝の脳は亡霊を本当に見ていたのかもしれない。頼朝は脳血管障害なり頭部外傷で意識状態が悪くなり、精神錯乱や幻覚を来す、せん妄状態におちいった。その状態で、破滅に追いやって心に負い目がある人たちが現れて悩まされていた可能性がある。→母の認知症も硬膜下出血の後遺症なのだろう。
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ケネディ、レーガンら20世紀のアメリカ大統領から、ツタンカーメン、倭健命(ヤマトタケルノミコト)まで!?そこに残された数々の資料から医師である著者が歴史上の人物が関わった病気や医療を推理、解説。安楽椅子探偵ものの小説を読んでいるような面白さ。
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ケネディ大統領やヒットラーから源頼朝や古代エジプトまで、歴史上の様々な有名人の病歴を辿る。こんな角度から歴史を読み解くのも楽しい。
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http://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB14857706
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歴史と人を医学の観点から切り取る.時間軸で見れば一瞬の医学的出来事が,将来を大きく返ることになる.まさに歴史のカオスを読ませる筆致で詳らかにする.まるでミステリィを読むが如くで,面白い.
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図書館の書架で見かけて。
一つ一つの話が短めでそれほど掘り下げされていないし、
エジプト王家の近親婚や、
ハプスブルク家やヴィクトリア女王からの遺伝の話は知っていたので、
ちょっと本のタイトルが大げさすぎる気がした。
「世界史・日本史の医学こぼれ話」ぐらいが適当かな。
ナチス政権がユダヤ人虐殺に先立って、
精神障害、難治性テンカン、認知症老人、パーキンソン病の患者たちの安楽死を実行していたのは知らなかった。
そのヒトラーがパーキンソン病を疑われているのは皮肉だ。
イギリスの植民地軍がアメリカ先住民に、疫病患者の使った毛布を送るバイオテロの話や、
筆者の叔父が宮内庁次長だったことから書かれた昭和天皇の話が面白かった。
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歴史上の有名人について残された記録から病気や怪我を読み解く歴史エッセイ。面白く読んだ。二作目が出ているのも納得。
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文字通り、歴史上の人物などの病気について扱った一冊。
割と知られてる話もあったが、知らない話もあって、非常に勉強になった。