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喪失がテーマの短編集。
笑いはなし。思わずクスッと笑ってしまうような荻原さん独特の言い回しも封印。
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人生に二週目があったらという気持ちはよくわかる。
これまでたくさん迎えてきた分岐点。
あのとき違う選択をしていたら、どうなっていたのか。
きっとだれもが一度は思うことだろう。
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人生は観覧車と同じで二周目はない。将来に夢を抱いていても、辛い過去を振り返っても、先送りも出来なければ、巻き戻しも出来ない。そして勿論、二周目はない。
今を大切に生きようってベストな選択をしたつもりでも、成功よりも失敗が多いような気がする。
生きていくことは難しい。でも、志半ばで生を喪った人たちの分も、生かされた人間は懸命に生きていかなければならない。たとえ一周だけの人生でも、その一周が貴重なのだ。
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過去を振り返りながらも、未来へ向かう物語がつまった短編集。
萩原浩さんの作品は初めて読んだけれど、設定が巧妙で展開が素敵だなと感じた。中でも自分でまとめてきたレシピを振り返りながら、過去の恋人との思い出を思い出す作品は、時代の移り変わりを料理のメニューで表現していて、新鮮だった。
【2014.11.19】
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月と観覧車が起こす奇跡の出会い。前半のいくつかの短編は胸がグゥーっと苦しくなるような感じがしたけれど、読み終わってみれば心は温か。解説の冒頭の数行に激しく納得。
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人生の折り返し地点を過ぎると、人は過去を振り返りたくなるのかも。
あの時…あの人と…
誰もが過去を思う時、頭をよぎることではなかろうか。
そんな物語が短編集として綴られている。
どれも心の奥に響くのは、私も折り返し地点を過ぎようとしているからなのかもしれない。
2017.12.11
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1話目、「トンネル鏡」読んで、中年男性が主人公の半生の反省の話だったけど、ああ、いまのわたしには合う気がする、と思った。田舎を出て東京であくせく働いていろいろ大事なものを失くした、という話。
2話目、「上海租界の魔術師」はかなりぐっときた。ぼけたお年寄りの相手は常日頃するけれど、大変さの中に、かぶりものが無くなったその人の人生や思いに肉薄してぐっとくる瞬間がある。その繋がりの感触をベースに読んでると、背景に戦前の上海のきらめく幻燈を映して、自由の効かなくなっていく手で手品を演じるマジシャン爺さんのラスト・ショーを見ているみたいだった。
どれもどこかに共感を覚えながら読んでいたんだけど、「ゴミ屋敷モノクローム」は後半涙が止まらなかった。
捨てられないほど大切で、でもその喪失と向き合うことなど到底できないような日々があったということは、幸せなのか、不幸なのか。
短編集のテーマは「喪失」らしい。失ったものがあることを自覚している人間には、どこかしらに刺さる部分がある小説だと思う。
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ん〜、悪くはないけどいまひとつ。ところどころジーンとくるシーン、ズシンとくる会話はあったけど、思っていたほどではなかった。それでも一気に読んでしまいました。表題作のほかにレシピと魔術師が良かった。
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直木賞受賞作家荻原浩さんの短編集。身近に感じる物語が多く、引き込まれて読みました。しかし短編であるが故に致し方ないことですが、続きが読みたくなるものもありました。
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8編の短編集のテーマは失われたものをもう一度探していくというところだろうか。荻原浩らしいユーモアや楽しさよりはやや重い雰囲気がある小説がいくつかあるのが意外といえば意外だが、読み進むうちにこの短編集の全体の魅力に引き込まれていくようだった。女性がいろいろな場面で作ってきた料理を題材にした「レシピ」が人気があるようだが、以前に付き合っていた彼女の地元に帰る「胡瓜の馬」は揺れ動く気持ちにしみじみとした感じがあってよかった。
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2015.10.6-57
短編8編。
どれもテーマ・内容ともに目新しくもない短編ばかりだが、個人的にはゴミ屋敷モノクロームは余韻があり印象に残る。
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死に関する短編が何個か入ってる感じだった。可もなく不可もなくすーっと入ってくきた。読み終えるのは時間かかりました。
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全体的に読後が哀しい。もう少し希望があればと思ってしまった(巻末の解説には希望があると書いてあったが)
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老人やそれを取り巻く人を主人公に描いた8つの短編。
来し方を振り返り、そこに在る喪失を嘆きながらも、どこかわずかに明かりの差すエンディング。じっくりと読ませてもらいました。
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8編の短編集。どの作品も現在の自分よりも過去を思い返している。今の自分と比較したり、これからの自分にどのようにつなげていくかを著している。
人間はある時点を過ぎると将来や未来に対する想像や希望、期待よりも過去を振り返り、現在の自分の姿を思い後悔や感謝、幸福等を感じるのではないだろうか。この短編集の登場人物たちもそこそこの年齢でいろいろな経験を経て今の自分を感じている。今までの事を後悔したり、それまでのことを振り返りながらこれからの自分をどう生きていくか決意をもったりしている。
どちらかというと重たい部分もある作品集ではあるが、「レシピ」は私と同世代の主人公が過去を料理と共に振り返るという設定で親しみやすく、また思いがけないラストに驚かされた。カラリとした終わり方ににやりとしてしまった。