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実の父を殺し、母を妻にするであろうと預言されたオイディプスの悲劇。
野村萬歳さんの主演ので見ましたが・・・この極端な悲惨に泣けてしょうがなかったです。
アンティゴネはオイディプスの娘。
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学部の時、ヨーロッパ文化論で読んだ。演劇のビデオをみて鳥肌立った。
アンティゴネはモスクワで観た。
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ギリシャ悲劇。
運命・その他絶大な力には勝てないというルールはここから来たのか。
キリスト教とは神概念がかなり違う。なんとまあ人間らしい神様だこと! それでも絶大な力っていうのは持っているんだよなあ。不条理もその手にかかれば運命なのさ。
現代にも通用する。・・・近代小説に意味はあるのかって言った人もいたなあ。でも確かに、現代に現れる現象のほとんどに言及があるといっていいくらいだ。それに登場する人物も、今もいるよねーこういう人、っていうのが何人もいる。
テオ・アンゲロプロスの映画はギリシャ悲劇が下敷き、っていうのをものすごく感じた。私が見たのは、誰だっけ、ほにゃららの旅、ってやつだけですが。勝てない! 何やっても無駄! 一筋の救いもないんだよ! ある意味では見ている観客のみが生き残る、その後の人生を歩める唯一の登場人物、という感じがするような。・・・たわごとだい、忘れてください。
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泣きました。
以前に現代風な口調にアレンジしたオイディプス王ラジオドラマがきっかけで読みました。(確か鈴木杏さんの語りでした)
紀元前から今まで語り継がれる悲劇。悲劇だからこそ人に必要とされたのかもと考えさせられる。
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運命のいたずらで、実の父親を殺し実の母との間に子供をつくってしまったオイディプス王の悲劇的な人生を描いた戯曲。
それにしてもオイディプスの熟女好きには頭が下がる。
怪物スフィンクスの出す「一つの声をもちながら、朝には四つ足、昼には二本足、夜には三つ足で歩くものは何か。その生き物は全ての生き物の中で最も姿を変える」という謎は漫画・「ARMS」にも引用されてたなあ。
人生が幸せであったか否かは、死ぬときしかわからないという教訓が印象的だった。
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実の父を殺し、実の母と交わる運命の男を描いた悲劇『オイディプス王』。
国の掟に逆らい、神の掟を貫いた女性の悲劇『アンティゴネ』。
どちらの作品も圧倒的に力強く、真の物語には普遍性があることを改めて実感しました。
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古代ギリシャ悲劇。まず、『オイディプス』は「主人公オイディプスは父を殺し、母を妻にする」という予言を逃れようとして、自分を育てたのが養父と養母で、それとは知らずに実の父親を殺し、実の母親と結婚して子供を産ませてしまう。
この悲劇から幼少期の男の子が母親を愛し、父親を憎む心理「オイディプス・コンプレックス」という言葉が生まれた。また、自分が恐れる予言を自分で現実にする「予言の自己実現」はSF映画『スターウォーズ シスの復讐』でも使用されている。心理学用語や映画を生み出した古典。
『アンティゴネ』はオイディプスの娘が主人公。反逆者として死んだ兄を埋葬したアンティゴネと叔父クレオンとの対立を描いた悲劇。個人の愛を叫ぶアンティゴネを国を支配するクレオンは処罰する。アンティゴネは死に、彼女の恋人だったクレオンの息子、クレオンの妻も自殺してしまう。
普通の芝居と違い、ギリシャ悲劇は「コーラス」が登場する。「コーラス」は複数の人間が演じ、「群衆」や「ナレーション」を担当する。「どんな状況で芝居が始まったを書いた解説」があり、ギリシャ神話の知識がなくても楽しめる。
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『オイディプス王』
テーベを襲った疫病。神託を受けるオイディプス王。彼の前の王であったライオスを殺した犯人を探すオイディプス。ライオス殺害の証言を聞き徐々に真実に気付き始めるオイディプス。オイディプス、イオカステを襲う悲劇。
『アンティゴネ』
オイディプスの死後テーベを襲った悲劇。オイディプスの息子たちエテオクレスとポリュネイケスの対立。アルゴスの軍を率いてテーベを襲うポリュネイケス。相討ちに終わる戦い。ポリュネイケスの遺体を葬ることを禁じた新王クレオン。ポリュネイケスの遺体を葬るアンティゴネー。アンティゴネーに対する処罰から起きるクレオン一族の悲劇。
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ギリシア三大悲劇作家ソポクレスの作品。
オイディプスコンプレックスで有名だと思われる。徐々にオイディプスの謎が明らかになる、ミステリー形式。
実際読んでみると、神々の手のひらで踊るしかない人間はなんて卑小なのかと思う。父親を殺して、母親の妻となり、故郷に災厄をもたらすとわかっていながら、なぜ神はオイディプスに生を与えてしまったのだろう。
アンティゴネはオイディプスの娘のことで、オイディプス王の死後、残された子や親族らの悲劇を描いている。
ひととしての正義を貫くか、共同体の正義を貫くか、絶対的な正義なんてこの世に存在しないから、ひとは神に祈る。アンティゴネはオイディプスに比べてより人間性に近づいた悲劇だと思う。
また、底本がどのような過程を経て編纂されたものかわからないが、紀元前のこの時代に、これだけのミステリーやどうにもならない人間の悲劇を描けるということに驚かされる。
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某演劇の影響で元ネタを購入。ソポクレスというか、ギリシア悲劇系にはまったくもって興味がないので、やっぱりこれも読んでフーンという感じだった。が、同時収録のアンティゴネには魅力を感じた。
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ギリシャ詩劇を読むのは2作品目。エウリピデスの『王女メディア』を数か月前に読んで、衝撃を受けました。その衝撃が冷めないので、こちらにも手を伸ばしました。詩劇の良いところは、状況の描写をほとんど必要とせず、進行のほとんどが登場人物の対話で成り立っているので、作家も観衆も、その心理描写にパトスを注げるところだと思っています。
『王女メディア』もグロテスクで力強い作品でしたが、こちらの方、特にオイディプス王がメディアに負けないような、圧巻な愛憎劇で、フィクションのようでありながらも、心の底に眠る自虐的な欲望を刺激されるようで、暗くなりました。古代ギリシャの奴隷制と同性愛の文化の中で成り立つ芸術として、超倫理的な娯楽ととらえられがちですが、そういう括りはちょっと違いますよね。メディアにしてもそうですが、想像の斜め上を行く愛憎劇でありながらも、登場人物のもつ倫理観のゆえに、その緊張感が保たれている作品であると思います。
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オイディプスの放ったまだ見ぬ罪人への言葉が、すべてオイディプスへ帰ってくる。完璧な人生だったのに、はじめから全てを掛け違えていた。
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劇として描かれているので、ほとんど登場人物のセリフによって物語が展開されます。オイディプス王は説明するまでもなく、古代ギリシア三大悲劇詩人の一人、ソポクレスの作品です。他の二人は、アイスキュロス、エウリピデスだそうです。
オイディプス王を読んで感じるの人間の運命、業でしょうか。自らの運命を知ったオイディプスの心情は言葉にならないものでしょう。
アンティゴネは、オイディプスの娘でその後の事が描かれています。クレオンの立場をどのようにとらえるかは人によって様々ですが、「善き個人」は必ずしも「善き市民」ではあり得ない、解説されています。オイディプス王に比べて人間的と言われています。
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ソポクレスは、紀元前5世紀に生きた、現代まで作品が伝わる古代ギリシアの三大悲劇詩人の一人(そのほかは、アイスキュロスとエウリピデス)。生涯で120篇の戯曲を制作したが、完全な形で残っているものは7作品にすぎず、『オイディプス王』と『アンティゴネ』は代表的な2篇。
特に、『オイディプス王』はギリシア悲劇の最高傑作といわれ、また、男子が父親を殺し、母親と性的関係を持つというストーリーは、心理学者フロイトが提唱した「エディプス・コンプレックス」の語源にもなった。
それにしても、シェイクスピアが数々の名作戯曲を書いた16世紀から2千年も以前、日本では弥生時代前期~中期に、これほど完成された戯曲が作られていたとは。。。ソクラテスが活躍していたのも(アクロポリスのパルテノン神殿の建設も)同時代であるが、古代ギリシアがいかに優れた文化を築いていたかを改めて感じざるをえない。
また一方で、人間の「知」(科学や技術ではない)というのは数千年でそうそう変わるものではないということも感じる。
2千5百年前に書かれた傑作として、一度は目を通しておきたい一冊と思う。
(2014年5月了)
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ギリシャ三大悲劇作家のひとり、ソフォクレス。
福田恆存さんの解説
「善き個人」は必ずしも「善き市民」ではありえず、その逆もまた然りというエリオットの言葉。