紙の本
自分の感受性くらい
2017/04/30 22:45
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:844 - この投稿者のレビュー一覧を見る
谷川俊太郎が選者となって編まれた茨木のり子の詩集。巻末にある茨木のり子と大岡信の対談が読ませる。私はあれこれと迷う時、これほどきっぱりと断言する詩もない《自分の感受性くらい》を脳裏に思い浮かべる。そして口に出すのだ。「自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」。この文庫本を持って街へと繰り出そう。
電子書籍
茨木のり子さんの
2022/05/15 17:13
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
詩集を谷川俊太郎さんが紹介?しているというだけで興味深い。さて、どんな詩が載っているのか、子供の頃は、意味もわかっていなかったことが今では感慨深かったりする。
紙の本
良い本です。
2015/09/27 19:14
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うたこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎日少しずつ読みました。
あまり詩集は読まないのですが、学校で習った懐かしさもあり、楽しかったです。
少しずつ読めるので、忙しい人にもおすすめです。
紙の本
生きにくい世の中を生きるための本です
2022/02/15 22:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつみかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きにくい世の中、つまずくことも多いですが、そんなときはこの本をペラペラと眺め、明日へのエネルギーをもらいます。声に出して読むのもおすすめです。
紙の本
茨木のり子さんの詩はとても鋭く切れがいい。
2016/06/07 20:30
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
茨木のり子さんの詩はとても鋭く切れがいい。強烈に魂のど真ん中に切れ込んでくるようだ。このような詩を書く人はあまり知らない。でも、晩年の詩はちょっと変わってきていて、抒情性が増してくる。それもまたいい。
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言葉は美しいと心から思った。
こんな言葉を持ちたいと思った。
詩人はまるで音楽家のようだ。言葉で平和の歌を歌っている。
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「自分の感受性くらい」など代表作しか眼にする機会がなかったが、いくつもいい詩に出会えた。
特に『歳月』収録作はどれにも、しっとりとしたエロスと悲しみが同居している。
また「おやすみなさい 大男」や「いい男だったわ お父さん」のようなちょっとした一言がぐいっと胸に射し込んでくる。
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世田谷文学館で茨木のり子展を見て,久しぶりにいくつかの詩をじっくり読んだ.ふだん詩とは全く縁遠い文章を読んで生活しているので,詩を読むのはエネルギーがいるのだが,茨木のり子の詩は私にもよくわかるし,素直に心に入ってくる.これは驚きだった.
というわけで,この本を買った.この前に詩集を買ったのは25年くらい前か.もう,一生詩とは無縁かと思っていたが,こういう再会ができるのはとてもうれしい.
実際に読んでみても,展覧会での印象と変わらず,とても読みやすい.中に「二人の左官屋」という詩があって,自宅にやってきた左官屋さんが詩人に向かって「奥さんの詩は俺にもわかるよ」と言う.本当だ.私にもわかる.
巻末に掲載の大岡信との対談で,詩人は「単純にすっきりさせたい.モヤモヤや悶々をそのまま出したくないんですね.だってほかの人の作品を読むときでも,単純な言葉で深いことを言えてるものが最高と思いますもの」(p.323)という.大岡さんは,それを「論理性」とか「すぱっと言い切る」という言葉で表現している.ここらが私にもわかる理由だろう.このような詩のスタイルは,母親を早く亡くし,医者の父親のもとで育ったという生い立ちとも関係があるような気がする.
私でも以前から知っていた「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性ぐらい」「倚りかからず」などの他にもいい詩がたくさんある.自分の覚えのために題名だけ書いておく.
「ぎらりと光るダイヤのような日」「六月」「花の名」「りゅうりぇんれんの物語」「冷えたビール」「みずうみ」「答」など.
それにしても晩年に近づくにしたがって,孤独のつらさが痛い.死後出版の「歳月」の一連の詩はそれまでの詩とちがってかなり肉体の感覚に近いところで書いている.それがなかなか私にはこたえる.本当に夫婦ってこんなに愛し合えるものなんだろうか.
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言葉が多すぎる
というより
言葉らしきものが多すぎる
というより言葉と思えるほどのものが無い
この不毛 この荒野
賑々しきなかの亡国のきざし
さびしいなあ
うるさいなあ
顔ひんまがる
茨木のり子「賑々しきなかの」、谷川俊太郎編『茨木のり子』岩波文庫、2013年、202頁。
谷川俊太郎選『茨木のり子詩集』岩波文庫、読了。「茨木のり子の詩を読むのに、構えはいらない。そこに差し出された作品を、素手で受け取り、素直に読んでみるに限る」(化水音たかく 解説に代えて・小池昌代)。じわじわくる。極めて個人的経験の表象がここまで普遍的に揺さぶりをかけてくるとは。魂消た。
言葉を弄ぶ者どもよ、戦慄せよ。
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あまり詩集って読まないんだけど、プレゼントでもらって、
久々に心を澄ませて?読むことの心地よさにあいました。
激しさも、静けさも感じられる、茨木さんの詩集良かった。
好きなのは、
王道の
自分の感受性くらい
活字を離れて
怒るときと許すとき
準備する
さくら
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茨木さんの詩を読むとなんて人間ってちっぽけなんだろう、自分は何を小さなことにこだわってるんだろうってつくづく感じる。
茨木さんの領域には到底達することはできないけど、勇気と強い気持ちを少しもらえる。
やりたいことをやろう。
人じゃない、自分の考えで進もう。
若い時やるだけやってみよう。
足腰が弱ってきたら心を強くしよう。
茨木さんの詩は、強くやさしく僕の心に響く。
限りない想像力を与えてもらえる。
茨木のり子さん、ありがとう。
茨木さんを教えてくれてありがとう。
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友達に勧められて購入。あまり詩って触れてこなかったけど、いい機会だと思って読んでみた。
「自分の感受性くらい」
ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを 近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を 時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ ばかものよ
「わたしが一番きれいだったとき」
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり
卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた
できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いたフランスのルオー爺さんのようにね
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限界まで研ぎ澄まされた言葉で、こんなにも奥行きのある世界を見せるなんて。
読む、目をあげて考える。読む、目をあげて考える。の繰り返し。贅沢な時間を過ごせた。
「解説に代えて」もよかった。
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あほらしい唄
言いたくない言葉
くりかえしのうた
兄弟
自分の感受性くらい
怒るときと許すとき
活字を離れて
一人のひと
なれる
(存在)
よいですね~
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谷川俊太郎選だったので、谷川俊太郎の詩集に続けて読んだ。10代、20代の頃は女性作家の感性に共感出来ることが少なかったが
今となっては、かなり心に響くものがある。
この本には遠慮なく付箋をつけまくって、何かある度に開くことにしている。どの本よりも今一番読み返してる作品。