紙の本
私が大人になったからか
2014/05/08 13:29
11人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学校の時にノルウェイの森から始まり、すべて読んでいる村上春樹著書。
あんなに心打たれたのに、あんなに染みわたったのに、もう 春樹さんをココロに感じることができなくなってしまっている。
でもそれは 私側の問題なんだろう。13歳の私と39歳の私。
それでも新刊が出れば必ず読みます。
「女のいない男たち」39歳今の私の感想は・・
「女が出てった?(もしくは浮気された?)うん、まあ、しょーがないよねっ」なのです笑
紙の本
男のいない女たちが読んでもいい
2022/06/09 02:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
2014年に出版された、著者による
短編集です。
敢えて収録作品とは関係ないことを言えば、
表題作を物すことになったきっかけについて、
まえがきのおわり近くに書かれている、僅か
10行余りのくだりは、著者一流の卓抜な
比喩と表現とが用いられていて印象的です。
紙の本
映画の原作になったと聞いて再読するも...。
2021/10/29 14:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
再読。再び読もうと思ったのは、この短編集の中の一話「ドライブ・マイ・カー」を原作にした映画がカンヌで章をとった聞いて、どんな話だっけ?と思ったから。
私にとっての村上春樹作品は、どんどん読まされてしまって、読みごごちはいいのだけれど、実はこころに残らない。しかし逆に、再読してもまた楽しめる良さもある気がする。映画の原作作品は、これをどんなふうに映像にしたてたのだろうという興味があるけど、それより再読してわかったのは、先へ先へとどんどん読まずに、じっくりゆっくり味わうように読むべきなんだなと。初読の時は、伏線を回収せずにあれ?これで終わり?と取り残されたような気がしたことを思い出した。もしや、ずーっと読み続けてきた村上作品なのに、読み味わい方が違ってたのかな?こうなったら旧作も再読してみようか。
紙の本
低い重低音の続く落ち着いた小説
2017/02/17 21:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どや - この投稿者のレビュー一覧を見る
一貫して暗い印象を与える6篇とまえがきを収録
頭を真っ白にして現実逃避したいときに著者の作品をよく読むが本作にはリアリティを感じた
紙の本
強烈な失恋
2015/12/13 22:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
失恋をテーマにした短編集。といっても、恋人どころか妻にまで捨てられる話が出てきて、強烈な失恋だ。関西弁の木樽に味のある「イエスタデイ」や、みさきという女が登場する「ドライブ・マイ・カー」が興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
テーマを持った短編集。
◆ドライブ
それなりに仕事がある俳優・家福。若くてテクニックの高いドライバー・渡利。お互いの暗い背景と、なんとなく波長の合う感じが絶妙に書かれている。
◆イエスタディ
♪昨日は、あしたのおとといで
おとといのあしたや~♪
この意味のない替え歌を歌う男・木樽。田園調布で生まれ育ちながら完璧は関西弁を喋る奇特な男。主人公は関西から出てきて標準語を喋る早大生。木樽は自分の彼女を主人公に差し出しながらも、実はとても繊細なヤツで、勘の良い男。シュールで笑える話かと思いきや、ちょっと物悲しさががる結末。
◆独立
非の打ちどころのないプレイボーイな渡会医師。美容整形医ですご腕を持ち、あとくされない恋愛を楽しみ生きてきた。それが恋煩いでまさかの瀕死となり・・・末期に見える色々なもの。
◆シエラザード
名も知らないセフレ。千夜一夜物語の王妃の名シエラザードの名を何となく付けながらも本当のところは謎の女。主婦で子持ちでさえない容姿。でも相手の心を惹きつける話術があり、全盛はやつめ鰻という不思議な人。読みながらシエラザードの物語にドキドキしてしまった。
◆木野
どの短編集もありそうでないネーミングを付けておきながら、木野と来て、そこがツボだった。ひょんなことからバーを始めることとなった木野。なんとなく暮らしていければいいな・・くらいの感じだったが、営業する以上はお客に影響される事もある。猫がいて2品のその日のメニューがあって、手持ちのLPをかける店。お客の中でも静かに飲みながら読書をしたいという・神田。(かんだとは読まないところが、まんまの感じ)時にはチンピラを追い出してくれたり、何となく不思議な常連。そんな店から離れなくてはならなくなる。世の中から存在を消すように助言されたけれど、やっぱり寂しさがあってか叔母に自分の存在をアピールしてしまう。何故そんなことになったのか、やがてはどうなるのか・・・。小劇場の芝居の様な内容だった。
◆女のいないあなた
「ある日突然、あたなは女のいない男たちになる」
本当にこれは当たり前のようにあるし、女にも言えることだと思う。死別、別れ、もつれ・・・あらゆるサヨナラがあるだろうし、元々異性に縁がない人だっている。自分にも当てはまるし、そう思うとどの短編も他人事ではない感じがした。どれもフェイドアウトするような終わり方をしているとことも、考えさせる余韻みたいなものを残している。この最期の短編に、著者のメッセージが込められているように思えた。
投稿元:
レビューを見る
好きでも嫌いでも、ましてや最近では面白いとも面白くないとも思わなくもない村上春樹作品だけど、絶対、買っちゃう。で、そこそこのスピードで読み終わる。登場人物たちの点々とした心の闇のような部分にふれると、心地よい息苦しさを感じる。なんだかんだいって、誰よりも美しくリズミカルな文章を書くよな、と毎度思う。音楽やお酒や異性を、あんな表現で愛でてみたいものだ。実際やったらドン引きだろうけども。
投稿元:
レビューを見る
《ドライブ・マイ・カー》
「マニュアル・シフトは好きです」と彼女は冷ややかな声で言った。まるで筋金入りの菜食主義者がレタスは食べれるかと質問されたときのように。p21
《イエスタデイ》
何を言っても良い効果は生みそうになかったので、僕は沈黙を守っていた。コーヒー・スプーンを手にとって、その柄の模様を興味深そうに眺めていた。エジプトの古墳の出土品を精査する博物館の学芸員みたいに。p88
栗谷えりか「樹木がたくましく大きくなるには、厳しい冬をくぐり抜けることが必要みたいに。きつも温かく穏やかな気候だと、年輪だってできないでしょう」p93
《独立器官》
渡会医師「紳士とは、払った税金と、寝た女性について多くを語らない人のことです」p128
《シェエラザード》
おれは一人で孤島にいるわけではない、と羽原は思った。そうではなく、おれ自身が孤島なのだ。p176
愛の盗賊、と羽原は思った。まるで無声映画のタイトルみたいだ。p188
《木野》
《女のいない男たち》
投稿元:
レビューを見る
やはり春樹の短編は面白くない。
自分がいま読むべき本ではなかったかもしれない。
しばらく棚の奥にうもれてもらいます。
強いて言うなら「独立器官」が面白かったかな。
投稿元:
レビューを見る
あぁ、あのBARは、ここだったのかぁみたいな作品の微妙な繫がりもあり、面白かった。この話の続きが知りたいっと心残り感にモヤモヤする作品もあったけど、総括すると村上ワールドを楽しめたなぁと思います。
投稿元:
レビューを見る
読める、読めるぞー!
以前まで、僭越ながら村上春樹氏の作品を毛嫌いしていました。
それは処女作「風の歌を聴け」を手に取り、
読書というものを自分のものにした感覚に陥り、
その勘違いのまま「ノルウェイの森」の作品に意気揚々と突入したのですが、
これまたどっぷりの恋愛ものでして、
性描写が多すぎて過去の自分には悪心するほどのものだったので、
「もうこれ以上読まない!」と決意していたのですが、
それからだいぶ経っていたので再度挑戦してみたら、
内面描写の豊富さたるや文学的に美しいと感じました。
これは村上春樹氏にしか書けんものです。
すべての心情にかゆいところに手が届くような表現を多角的視点から取り組んでおられること妙技です。
一方では、回りくどいと批判されるやもしれません。
性描写が多いのではないかと言われるやもしれません。
そんなことはほっといて本作を読むべき。
ひとつの文学作品として面白いです。
本作に限らず世界的音楽を作品に取り込んでいらっしゃる面がありますが、音楽など知らねども大丈夫。
その情緒的世界に引き込まれます。
いい作品に巡り会えたことに感謝いたします。
投稿元:
レビューを見る
アーネスト・ヘミングウェイからとったのね。そっちは読んでないけど。
最初のと最後の話は繋がってるのかと思ったけど、どうなんだろう。
投稿元:
レビューを見る
『木野』が好き。
『ノルウェイの森』のラストに通ずる不穏な静けさ。
この感じを求めて、わたしは小説を読んでいる。
これまでの短編、特に『トニー滝谷』を読み返したくなった。
投稿元:
レビューを見る
「正しからざることをしないでいるだけでは足りないことも、この世の中にはあるのです。」
(喪失感漂うこの一冊の中でも最も難解でミステリアスな「木野」より。表紙のイラストはこの小説。BAR、柳、猫。)
投稿元:
レビューを見る
なぜか頭にひっかかる言葉を柱として書かれた一連の短編小説集。ドライブ・マイ・カー、木野。
初めからいないわけではなく、去られたり死なれたりで失っている。絶妙にシュールな。