紙の本
☆推理連作☆
2024/05/02 00:16
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投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
【もう一色選べる丼】
学食のすぐ脇の草の上に、中身を半分残したどんぶりが放置されていた。怒る学食のおばさん。このままだと、学食の公約通り、食器の持ち出しが禁止になってしまう!
そんな状況を打破してほしいと頼まれた裏染天馬は、残されたどんぶりから緻密なロジックを立て、事件の真相を解き明かす。
【風ケ丘五十円玉祭りの謎】
神社で行われる夏祭り。各出店は賑わいを見せており、何も変わらないように見えた。だが、出店で買い物をすると、お釣りは全て50円玉のみで手渡されるという。そんな不可解なやり取りが複数起こったことから不思議に思う裏染達。調査をしていくと、実に半数以上の出店がそのような行動をとっている。《祭り直前で出店を回る青年》《乾電池を探す兄弟》《祭りでは落し物が多発する》《硬貨の行きかいが増える》といった事情から見えてくる真実とは!?
【針宮理恵子のサードインパクト】
針宮さんを主人公とした作品。内緒で付き合っている早乙女君が、吹奏楽部のメンバーからパシリ扱いを受けているようだ。なんとか彼を助けたいという思いで、針宮は裏染に助けを求める。暑い8月の出来事、早乙女君は、何故練習室から締め出されてしまうのか? 果たして真相は!?
【天使たちの残暑見舞い】
演劇部の先輩の手記。9月1日の午後、寝過ごしてしまった先輩は、教室で抱き合う2人の女子生徒を目撃してしまう。何のことかと後ずさりし、暫くして再度その教室に向かうと、女子生徒達は跡形もなく消えていた!
9月1日の午後に、一体何が起きていたのか!?
【その花瓶にご注意を】
緋天学園中等部には、裏染天馬の妹である鏡華が通っている。
ある日、その学園内で花瓶が割れるという事件が起きた。一体誰が!? 捜査を進めるうちに、矢烏という男子生徒が容疑者として浮上する。そして、鏡華と矢烏との舌戦が始まる・・・
【世界一居心地の悪いサウナ】
他愛ない親子の口喧嘩
紙の本
ロジック重視の本格ミステリー「裏染天馬」シリーズ、待望の第一短編集
2021/01/11 13:58
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
平成のクイーン青崎有吾の三冊目の著書は、前二作に引き続きアニメおたくの高校生・裏染天馬を主人公とした、なんと日常の謎ものの短編集。
巻頭の「もう一食選べる丼」は、わざわざボリューム満点の丼を頼みながら食べ残していったのは何故かという些細な謎を、徹底した論理で追及していく、日常の謎ながらがっちりとしたロジック重視の硬派な本格ミステリー。
「風が丘五十円玉祭りの謎」は、縁日の出店への「釣銭に五十円玉を使うように」という指示の裏の事情を裏染兄妹が探るお話。天馬の明察と、冷めたものの見方が味わい深い一編。
「針宮理恵子のサードインパクト」は、『体育館の殺人』にも登場したある凸凹カップルの後日談と、バラエティに富んだ作品が楽しめます。
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青崎さ、百合もの、好きだろ。絶対好きだろ。
創元だし、ぱっと頭に出てくるのはずいぶん昔の競作ですよね。懐かしいね。中身忘れてっけどね。
今回は短編五編+オマケの日常系ミステリ。日常系っていっても、探偵は裏染くんなので謎に対する解答は相変わらず論理的。
柚乃ちゃん視点が三作、一作針宮さん視点、一作は裏染くんの妹、鏡華ちゃんの学校が舞台。その緋天学園が舞台のものだけは探偵役は鏡華ちゃん。お兄さんに比べて若干ツメが甘いものの、脳の回転の速さはさすがというべきか。ただちょっとお話がご都合主義すぎるかなって気もした。水色のガラス片が一つだけだったのかなって疑問に思ったので。割れたらそれだって二つ三つにわかれるんじゃねぇの? そうでもないのかな。
針宮さん一人称の話、かわいくて好きです。幸せになってもらいたいね、早乙女くんと。
推理の展開として面白かったのは一番初めのやつかなぁ。面白いというか、すげぇなって思った。よくもまあたったそれだけの材料からそこまで、と。あと「もう一色選べる丼」というタイトルが好き。太鼓の達人みたい。
おまけで裏染くんの親父さんがでてきたけどさ、この親父もオタなんじゃね? そんで裏染くんとは嗜好性が違うから仲たがいしてる、とか、すっごいくだらない理由だったら面白いし拍手喝さいして青崎をほめたたえるわ。カップリングの違いとかな。腐女子かお前ら。
抜粋。裏染兄が、裏染妹を評して。
「頭がお花畑なんです、気にしないでやってください」
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裏染天馬シリーズ三冊目。
◯◯館の殺人、どうした?
今回は日常の謎短編集。
前二冊が「キャラクターがライトな割にミステリーは本格論理一点突破」が持ち味だっただけに、今回はああそうだよね、そうなるよねという感じ。
やっぱり長編の方がいい。
まぁもうキャラクターに愛着わいちゃってるから楽しめたけど!
柚乃かわいいよ柚乃。
天馬ハーレムかと思ってたけど、どっこい百合デシタワー。
お兄ちゃんがんばれ。
次作は図書館なんだな!?そうなんだな!?
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+++
相変わらず学校内に住んでいる裏染天馬のもとに持ち込まれる様々な謎。学食の食品をめぐる不可思議な出来事、吹奏楽部内でのトラブル、お祭りの屋台のお釣りにまつわる謎ほかに、裏染の妹の華麗な謎解きを加えた、全五編+「おまけ」つきの痛快推理連作集。『体育館の殺人』『水族館の殺人』につづくシリーズ第三弾。なな、なんと“平成のエラリー・クイーン”が、日常の謎に挑戦。
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表題作のほか、「もう一色選べる丼」 「針宮理恵子のサードインパクト」 「天使たちの残暑見舞い」 「その花瓶にご注意を」 「おまけ 世界一居心地の悪いサウナ」
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裏染天馬の浮世離れぶりが、ほんの少々緩和されてきたような気がするのは、ただ単に見慣れたからだろうか。逆に妹の鏡華の実態が兄の伝馬以上に衝撃的で驚きである。大丈夫か袴田柚乃。謎解き自体は、その一瞬でそこまで目配りができるか、と突っ込みたくなることもあるし、そんなオチだったのか、というものもあるが、まあ愉しめた。最後に配されたおまけが、次作以降にどうつながってくるのか愉しみなシリーズである。
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うーん。
面白いことは面白いです。
ただ、ミステリとしての面白さが微妙。
なんかあんまり事件にワクワクしない。
別に日常の謎だからとかではないが、事件とロジックにワクワクしない。
それにキャラを味付けてキャラものテイストにしたいとは思うけど、すべってる気がする。
とくに裏染妹と仙道警部の娘の話を読んではっきり認識。
まあ、次は図書館の殺人かな。
長編ロジックミステリに期待。
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今回は短編集。前2作と異なり人が死なない。幾つかの事件とも言えないような日常の謎が天馬によって解かれる。裏染天馬と袴田柚乃の周辺にいる人物のキャラが掘り下げられる感じ。悪くないけど食い足りない。
とはいえ、袴田兄の「いかんだろ」に対し「お兄さん、イカ繋がりなら“いかんだろ”より“イカんでしょ”の方がいいですよ」と返す天馬のアニオタぶりは健在。
6話ある短篇の最後にある最も短い『世界一居心地の悪いサウナ』での会話で天馬が家を出て学校でくらしている理由が垣間見られる。オタク同士の嗜好の違いかい!?
本シリーズ次回作が楽しみだ。
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5編+おまけからなる短編集。日常の謎ということで派手さはないが、ロジックに徹しきった姿勢は見事。ただ長編ほどの緻密さやインパクトはないかな。最後でさりげなく予告されている次回作”図書館の殺人”に期待。
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短編5作+おまけ。
どれもロジカルで好み。
特に「もう一色選べる丼」は高校生らしさもあり面白かった。本当に何でもない事からヒントを見つけミステリを解決する爽快さは短編の方が切れ味良い。
シリーズ化して人間関係がメインになり過ぎない事を期待したい。
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以前『体育館の殺人』を読んだが作風が合わなかったのですぐに挫折し、シリーズになっているとは知らず読んでしまった。前作2冊を読んでいなかったので不安だったが主要人物の性格が濃いキャラクターというのもあり、意外とすんなりと読了。人が死なない日常の謎と青春ミステリー。裏染さんは頭良いけどかなり変わった人という印象。謎解きに関してはなるほどという感じ。最後におまけの話もあり、お得感がある。
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夏休み。兄と出かけた近所の祭りで、柚乃は裏染天馬とその妹・鏡華や友人の香織と遭遇する。その祭りでは、なぜかお釣りが全て五十円玉で渡されるという謎の現象が起きていて、裏染は焼き鳥半パックのためにその謎を解くことになり……。(「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」)
裏染天馬シリーズ三作目、日常の謎を解く短編集。体育館後の柚乃と天馬の話、水族館後の針宮さん主役の話、鏡華ちゃんメインの話、そしておまけにあの人と天馬の会話など、裏染家大活躍。
相変わらずラノベ的なキャラクター、ノリ、勢いだけど、なんか安定してきた。謎も解答もわりとぶっとんでるし、日常の謎というかは微妙だけど。ゆりゆりしてるのは苦手だけど、話としては花瓶の話が丁寧で好みかな。
短編だからか、流行りのオタネタも少なく、なんか平和。柚乃と天馬が進展するにはまだ相当かかりそうだから長編での続きが楽しみ。
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相変わらずのノリの良い裏染一行。今回は日常の謎の短編連作。前二作のオタク分は控えめ。しかし脇役キャラたちが活躍。とりわけ裏染妹(あるいは弐号機)。最後に零号機が登場するのが心憎い。次作「*+館の殺人」にも期待大!
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【収録作品】もう一色選べる丼/風ケ丘五十円玉祭りの謎/針宮理恵子のサードインパクト/天使たちの残暑見舞い/その花瓶にご注意を/世界一居心地の悪いサウナ
*百合もどき要素がなければまだ読めるのだが。生理的好悪の問題だから仕方がない。
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前二作と違って日常の謎5編+おまけで構成された短編集。
短編集なので、キャラ同士の会話が弾み、より学園青春ミステリっぽくなっています。
『もう一色選べる丼』が一番作者の持ち味が発揮されていたと思います。
残されたお盆と丼ぶりという手がかりから、犯人を指名するのではなく犯人に当てはまる条件を羅列していくという趣向は面白いと思います。
個人的に好きなのは『天使たちの残暑見舞い』
謎と真相のギャップに驚きました。
そして百合!いいよー!こーゆーの!もっとやれ!
ただこの作家さんは殺人が起きてこそ本領が発揮される方だと思います。
次回は『図書館の殺人』になるのかな?
とても楽しみです!
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2014.6.16読了。
シリーズ三作目、今回は短編集だったけど、日常の謎を集めました的な感じで楽しめた。
古典部シリーズみたい。
ミステリとしては物足りない気もするけど、もう裏染さんが好きだからしょうがない。
早く次回作が読みたいなーー