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久しぶりにシーナの自叙伝小説を読んだ。この作品はシーナ氏の青春時代の話と世界の辺境各地へ冒険旅行をする話が交互に語られる作品であり、前者は時間の経過で話が進み、後者は時間が逆行する。さらに、奥さんになる女性との出会いがその以前の彼女と共に素敵に描かれている。
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青年期から作家デビュー後をまとめた私小説、夢と女性。
青年期と作家デビュー後とで分割し、それぞれを交互に配置。
さらに前者は時間昇順、後者は時間降順と、なかなかにフクザツな構成の作品です。
2つの時間軸が出会うのがパタゴニア探検、パタゴニア旅行記を読んだばかりの私には非常にタイムリーな作品でした。
過去に関係のあった女性ともし10年後に出会ったら、彼女はその時の私をどう見るだろう、どう感じるだろう。
何だかそんな不毛なことを考えてしまいました。
東京オリンピック前後の話が好きです、「オリンピックの身代金」しかり。
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久しぶりにシーナさんの小説を読みました。かつてシーナさんの本ばかり夢中で読んでいた時期もありましたが、この数年ご無沙汰しておりました。なにはともあれタイトルが良いですネ。シーナさんといえば、エッセイストであり、小説家であり、写真家であり、映画監督であり、〝本の雑誌〟の元編集長であり、東ケト会創設者のひとりであり、あやしい探検家でもありますが、本書はそんなシーナさんの、自伝的青春小説です。6つの章からなるこの物語は、甘酸っぱくほろ苦い青春時代のお話と、文筆家になってから始めたタクラマカン砂漠をはじめとする冒険に関する体験談という、2つの質の異なる物語と時間軸で構成されています。冒険譚は1988年から過去へ遡るかたちで綴られ、最終章に向かって、青春時代を語る時間軸に近づいていきます。傷ついて輝くのが青春であり、過ぎてから気づくのが青春なんだということを再確認させてくれる、胸キュンの一冊でした。
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【椎名誠、待望の自伝的小説】1964年、東京。肉体労働に汗を流し、喧嘩をして血を流す日々、おれは彼女と出会った。青春の夢と流転の日々を綴った熱血私小説。
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いやあ、おもしろかった。
今自分がここにあるのは、ここまでの道のりで出会った人、であった出来事、それらの繋がりであるんだなあと。何でも人生の肥やしにしたれ~って気になる。
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構成が面白いと思った。
若かりし頃の物語と作家として世界各地を冒険する物語が交互に語られる。後者の物語は時系列を逆行し、最後には2つの物語が繋がる。
作者もあとがきで書いているが、人生はつながっている。
以下引用
『若い頃に抱いていた夢や望みというものは、愚直にしぶとく持ち続けていれば、その思いがけっこう人生そのものにしっかりとからみつき、その生き方を左右していくんだなぁ』
あとがきだけどこの言葉が一番ストンと心に落ちた。
すごくステキなことだよね。生きる希望をもらった気がする。
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2020/12/14 読了
やっと読み終わった。いや、本当に面白かった。素晴らしい作品で、のめり込むように読んだのは久しぶりだ。
これは椎名誠の私小説的な作品。書き方に特徴がある。
19歳で大学をやめ、夢に向かって突き進む筆者と、冒険家となった筆者、二人の筆者の物語が交互に(しかも、後者は時系列が逆に)展開され、最後のところで一致するという、椎名さんいわく「パッチワークのような」作品。
東京オリンピックが開かれる前後、謎おおき女性「イスズミ」との恋愛、そして、仕事を転々とする中で、後の妻となる「原田海」との出会い。
作家となった筆者の書いた本がベストセラーに。サイン会に並んでいた「イスズミ」と再会。その後、妻の原田海が病気になり、それに後ろ髪ひかれつつ、筆者はまだ見ぬ冒険の旅へでる。世界各地を旅する中、最終的に、人生の目標であった中国の楼蘭に到達したことを妻に報告する。
若干事実とは異なる面もあるのかもしれないが、一つ一つの場面が目の前で展開されているかのように具体的で、脳内で映像にしながら読み進めた。人生とは本当に数奇というか、不思議なものである。
この本はとっておこう。また後でよみたくなる。
(追伸)この本を読み始めたのは数年前、今の嫁さんと初めて会った頃。今は子供も生まれた。何となく、自分の人生と今後を重ねて読んでしまった。
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全編通して面白かった。
夢の冒険を引き寄せるのも納得の、著者の生命力にも脱帽。
ぐだぐだパートがほとんどなかったことにも驚いた。
読み終えて表紙に戻り、タイトルを再確認して、じぃんとなる。