紙の本
雨上がりの夜空に
2022/12/16 07:06
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
好きなグループがカバーしていたり、雨上がり決死隊が出囃子にしていたりで、思い出深い好きな歌です。それを詩で見るとまた違った趣で見えるのが楽しいし、忌野清志郎さんの歌にもっと触れたくなる。
紙の本
あくまでも歌詞集として。
2020/10/24 14:42
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投稿者:井端隕石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実はチャボさんとの共作もチラホラ混じるのですが、あくまでも忌野さんの詩集ということで(笑)。
それはさておき、歌詞はあくまでも歌詞。「詩」にはなれないというのが私の考えでして、例えば忌野さんの詞をことさら持ち上げる人がいまして。いやいや、忌野さんだってあくまでも歌詞を作っているという意識しかなかったと思うのですよ。ですから、この本は歌詞集として知ってる人は口ずさんでね的な鑑賞が望ましいと思うのです。それ以上何か必要でしょうか?
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以前、矢野顕子が清志郎の曲をカバーしたアルバムを聴いたときに「この人、すごく日本語な人かも」と感じたことがよみがえってきた。そのアルバムを聴きながら、読んだからかもしれないけど。清志郎の一人称「ぼく」「ぼくら」時に「おいら」がすっと入ってきた。ほとんど筒井康隆の「俺」の境地だなと。懐かしく読みました。
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2009年5月2日 他界。まだ2.3年前の事かと思っていたら8年も経とうとしている。晩年の彼はロードサイクリングを好む愉快なオジサンってイメージが強い。
私が学生の頃から活躍していた。その当時は奇抜な格好で過激に歌うミュージシャンというイメージが。その頃、私はニューミュージックを好んでいた。格好や見た目を気にしない。
ある意味で歌う姿に関しては対極にいたのかもしれない。今になって思えば、伝えようとするモノは共通していたのかもしれない。なんとなく否定しながらもよく聴いていた。
歌詞集です。思った以上に横文字も少なく、日本語で伝えるメッセージが多かった。
もっと、生存している時にリアルで聴いておけば良かったと後悔。やはり、ブルースマンなんだ。
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日本のロックンロール的ジャンルにおいては、レジェンド中のレジェンド、ではなかろうか?という存在の、忌野清志郎さんの、歌詞集です。詩集、という表現になっていますね。歌詞であり、詩であると。ま、スゲエんだぞ、ってことですよね。実際、凄いです。素晴らしいです。
響く人には間違いなく響く。届く人には間違いなく届く。それももう、途轍もなく深いレベルで届く。そんな表現を産みだすことができた人、というのは、うーむ。やっぱ、、、もう。凄いですよね。それでしか表現できなくてゴメンナサイ、ですが、いやもう、ただただ、凄い。
ロックバンド(という括りで良いのか?)、フィッシュマンズのフロントマンだった、佐藤伸治さんとキヨシローさんの歌詞は、なんか、どうしても相通じるものがある気がします。
佐藤さんは、キヨシローさんが(というかRCサクセションが?)めちゃくちゃ好きだったらしいですし、自分がキヨシローさんもフィッシュマンズもどっちも好きだから、そう感じるだけなのかもしれませんが。
なんなんだろう。何故にこんな、全然カッコつけてない、フツーの日本語のように思えるのに、こんなに特殊な特別な世界を、表現できているのだろうなあ、というね。もちろん、その世界を表現するには、歌詞、詩、言葉だけではなく、楽器の演奏とメロディーとリズムが絶対に必要、な訳なのですが、、、
キヨシローさんと佐藤伸治さんの言葉は、恐ろしいほどにシンプルだ。単純だ。断片的だ。言葉少なだ。それでいて、汲めども尽きぬあまりにも永遠な芳醇な言葉たちだ。言葉の「強度」のようなものが、圧倒的なんですよね。僕が勝手にそう感じてるだけなんですけど。
あと、この角川文庫版は、角田光代さんの解説が、めちゃくちゃ良いです。めちゃくちゃ、良いです。角田さんの、キヨシローさんに対する愛情が、伝わり過ぎてもうね、読んでてね、ホンマに幸福な気持ちになるんですよ。ホンマにもう。
凄く個人的なマニアックな話をしますが、もともと、僕、どーして角田光代を知ったかといいますと。2006年に宝島社から発売されたムック?的な本。「音楽誌が書かないJポップ批評 45 忌野清志郎のブルースを捜して (別冊宝島)」ってのがあるんですが、それに、角田さんが、清志郎評みたいなのを、書いてたんですよ。全然長い文章じゃなくて。2ページくらいな?ごく短いコラム?みたいなんで。
それがね、もうね、めちゃくちゃ良かったんですよ個人的に。「この文章は、なんなんだ?なんで俺の心をこんなに揺さぶるんだ?角田光代って、ナニモノなんだ!?」って、驚愕しまして。それまで、角田さんの小説、全く読んだことなかったんですよね。その文章が、自分が「角田光代」という人物を知った、一番最初でして。
で、そっから、角田光代さんの小説を読むようになったんですよ。そしたら、めちゃくちゃオモロイ小説書いてはるやないですか。「角田光代、とんでもねえぞ!」ってなって、すっかりまあ、角田さんの大ファンになったんですよね。
だからまあ、自分が角田さんを知ることができたのは、キヨシローさ���のおかげなんですよ。面白いですよね。世の中って、こんなふうに繋がっていくんだなあ、とかね、思いましてね。
キヨシローさんの詩集なのに、解説を書いている角田さんの話がメインになってしまってすみません、、、なのですが、素晴らしい音楽や素晴らしい歌詞・詩は、誰かと誰かを出会わせる、繋がらせてしまう、という途轍もなく素晴らしい効果があるんだよ、という事をね、シミジミと感じさせてくれたんですよね。
だからやっぱ、キヨシローさんは、最高なのです。ああ、俺、これほどに自然に日本語を理解できて、ホンマにラッキーだなツイてるな、って思いますね。だって、なんの前提もなく、ホンマに、読むだけで聴くだけで、キヨシローさんの言葉が「分かってしまう」んですもん。それはもしかしたら「分かれている」という勘違いなだけかもしれませんが。
ま、人類史における、とても美しい永遠のなにかを示すであろう言葉が、ここには収められています。少なくとも、自分にとっては、そうです。