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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
中勘助氏の自伝的小説です。明治から大正にかけて書かれた子どもの頃のお話は、日本語の美しさが堪能できて、それでいて読みやすい名文だと思います。ずっと昔の岩波文庫版も持っているのですが、こちらは文字が大きく装丁も素敵なので買い直しました。
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投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る
たまたまカバーが目に付いて手に取り購入してしまった。どんな本かどんな作者かまったく意識せず。明治時代の幼児の日々。学生の日々。
語彙の豊富さで明治時代のことなのにその場面が身近にリアルに浮かび上がってくる感じがある。
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投稿者:usako - この投稿者のレビュー一覧を見る
関西の進学校の国語の授業で使用されていたと聞き、購入しました。
夏目漱石が、文体を絶賛したというだけあって、文章の綺麗さは秀逸です。
日常生活を淡々と美しい文章で書いてあります。
子供に読ませたい日本語です。
ちっとも良さがわからなかった
2022/10/01 08:25
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の自伝的小説らしく、子どもの頃から16歳頃までの出来事が綴られている小説。めそめそした覇気のない子どもで、伯母さんに散々甘やかされて育っていて、読んでいてイライラしました。夏目漱石にとても褒められた小説らしいですし、巻末の解説でも、文章の美しさが激賞されていましたが、素人の私には良さがよくわかりませんでした。
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灘高の授業で使われていたこと(今も使われているのか?)で有名な本。授業の本も出ているので合わせて読みたい。
時代が明治大正あたりなので今は使われていない言葉で詰まり気味になった。大体注釈が付いているがやはり場面の想像には限界があった。明治の時代をもっと包括的に知っていないと厳しい。物語の構成よりは場面ごとに主人公の心境の描写を楽しむものかな。
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夏休みに読みたい1冊。
大正時代に書かれた本なのに、田舎で育った私にはどこか懐かしさが感じられ、親近感が湧いた。
伯母の愛が泣かせる。
繊細で美しい文体。日本語っていいなぁと初めて感じたのでした。
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日本語の美しさが心に沁みる作品。
主人公の□ぽんの成長し大人になった視点からの一人称で語られていく。
幼児期の物ごころつく前後から17になるまでの思い出の数々が色鮮やかに輝く宝物のようである。
その少年時代を象徴しているのが、小箱にはいった銀の匙。
それは、亡くなった伯母さんとのかけがえのない思い出の品でもある。
主人公は病弱で臆病で甘えたで我儘の金持ちの坊。
最初はなんとなくあまり好きになれなかったんだけど、感受性の豊かさゆえにこの時代の男子としては生きにくかったろうと思えば嫌いにもなれず。
子どもならではの浅はかさと子どもとは思えない思慮深さが共存するかのような不思議なアンバランスさが魅力でもあるのかもしれない。
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夏目漱石に絶賛され、灘中学校の橋本武氏が国語の教科書として教えた小説。…ということでミーハーな気持ちから読んだ。文章には独特の表現があり、ひらがなが多めで、読点が少なく一文が長い。風景、遊びなどの描写が細かく、その描写の中に主人公の成長が所々に入っている。蚕の話が良かった。叔母さんとの再会の場面は悲しい。面白い話というわけではない。美しいと言われる文章は独特な感じで最初は読みづらかった。主人公もえらく感傷的でウジウジした感じがあまり好ましくなかった。肝心の美しい描写に書かれていることも私には古い時代の話なので共感できるところが少ないからこういう感想になるのも仕方ないのかもしれない。
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前編はとても美しく、叙情的描写が実に巧みで好きだ。だが後編は好きでない。実際、前編と後編はそれぞれ違う時期に、そもそもは別作品として作られたものらしいが、作品の色合いが違うように感じるのはなるほど後編で戦争が色濃く背景に迫ってきたからだけではない。前編のあの極度にシャイだか非常に感性豊かで愛らしい勘助が、後編では級友たちが校庭で子供らしく遊んでいるのを見て鼻で笑うような、妙に早熟な子供になってしまっていて、前編と後編の勘助に私は連続性がいまいち見出せなかった。しかもそういう精神的な急成長をみせたかと思えば、何かとあればすぐにメソメソと泣き出したりして、私としてはちょっと共感できなかった。
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ストーリー上、特に大きな展開があるというわけではありません。
極普通の日々の日常が淡々と書かれています。
中 勘助が27歳~28歳のときに執筆された自伝的小説ということで私も28歳になったばかりなので興味があり読みました。
そして灘校で国語の授業で3年間、この本一冊だけを授業で勉強するというのを知り、それはどれほどの内容の本なのか興味を持ちました。
確かに本の中は、色々な昔ながらのものがたくさんでてきます。
歴史や歌舞伎などとにかく幅広いジャンルの単語がたくさん出てきます。
ストーリーは作られたような起承転結のあるものではないので、もしかしたら退屈かもしれませんがそれが凄くリアルで淡々としてて私は好きです。
子ども時代と大学生時代の成長までの気持ちの動きが凄く上手く書けています。
そして普段どこにでもある日常の物がとても美しい表現で書かれています。
特に関心したのは、星を「空に浮かぶ冷たい石」と表現されていたのが印象的で美しいと感じました。
最後に中 勘助の経歴のようなものが箇条書きに書いてあるのですが、中 勘助と共に兄の経歴も書いてあります。
自伝的小説の中のあの兄が医師になり、教授にもなっていてびっくりしました。
小説の中の兄は遊んでばかりみたいな印象が強かったので余計にびっくりしました。
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はじめは注釈多いのに慣れないのと、主人公が甘えすぎ伯母さん甘やかしすぎでいらっとしてしまったので、なかなか入れこめなかった。
小学校入学したくらいからは慣れてきて、昔の学校の雰囲気や自然のようすを想像しながら読んだ。
淡々としていて特別盛り上がることはなかったけれど、描写が細かく、丁寧に描かれてるお話だった。
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主人公である語り手の目にうつる日常の景色を、淡々とした文章で描写している小説。何よりもその、言葉のうつくしさに心惹かれ、流れるように続く文章に感銘を覚え、目に浮かぶほどの情景に心奪われた。ゆったりと、ゆったりと楽しめた。
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主に明治後半の東京を舞台にした、著者の幼少期を基にした物語。幼少期の子供の思うことやら友達や家族との関係などが詳細に描かれていて自分の幼少期を思い起こさせるが、内容がどうのこうのというより、いろいろな描写の文章の見事さが、巧みな俳句のように、詩のようであり惹きつけられる。子供の目を通した明治期の東京の様子が歳時記のように語られるのも面白い。ネットや辞書を片手に読みながら日本の伝統的な風俗の意味を知るのに打って付け。この本を題材に国語の授業をするのと言うのは確かに素晴らしい発想だと思った。
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病弱で人見知りな主人公が様々な人と出会い、時代の風の中でたくましく生きていく少年の日々を描いた自伝的小説。
前半は伯母との生活の話で、淡々としているが描写はかなり細かい。後半は少年が学校に通い始め、そこで起きる出来事が中心となって物語は進んで行く。
生き物の中で人間が一番嫌いだったと語った主人公が物語後半になるにつれて、人間の中で嫌いなのは僕の知らない人間だというように変わっていくところが見どころ。
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灘校の授業の話を読んで、それで興味を持った本。なるほど確かに内容盛り沢山で、授業の材料としては宝庫みたいに感じた。ただ物語としてはそんなに好きじゃなく、文章も”流れるような”といえば聞こえはよいけど、もう少し切れ目を増やしてもらった方が、より読みやすいと思える。古典に文句つけるほどたいした文章をかけないくせに言うのもなんだけど。