紙の本
わかりやすい
2024/04/04 22:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツのアデナウアーについて、わかりやすく解説されていて、よかったです。現代ドイツの分析に、欠くことのできない人物だと思いました。
紙の本
西ドイツを決定づけた存在
2023/12/27 16:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
アデナウアーほど評価の難しい政治家はいないかもしれない。どう評価するにせよ、西ドイツは彼なくしてはありえず、その姿を良くも悪くも決定づけた存在であったのかもしれない。
電子書籍
あまりよく知られていない人物であるのでとても楽しく読み切れた
2016/02/29 20:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Shigenobu Fujioka - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後の西ドイツを牽引した政治家アデナウアーの生涯を概観している。
日本ではあまりよく知られていない人物であるので、とても楽しく読み切れた。
戦前はケルン市長を長く勤め、ケルンの君主と呼ばれていたこと、
徹底したソビエト嫌いで、アメリカやフランスとの関係強化に努めたこと、
ナチスのユダヤ人迫害を公に謝罪して、イスラエルとの関係改善を実現したことなど。
いずれも、日本の戦後の歩みと対比させてみると、色々と考えさせる内容が多かった。
投稿元:
レビューを見る
アデナウアーの評伝。
新書らしくアデナウアーの生涯を駆け足で振り返るが、
内容は外交を中心に充実しており、
アデナウアーの思想も細かく解説されるため、
アデナウアー個人の生き方を
短時間でざっくりと知ることができる。
時代を読む力に長けていたとも言えるが、
何よりも行動様式や考え方が時代に強く適合したが故に
偉大な人物たりえた人間だったと感じた。
著者が後書きで触れる通り、
朝鮮戦争を契機として加速する再軍備や、
戦後補償問題に関する日本との比較も面白い。
良書。
投稿元:
レビューを見る
20140830読了
あちこちに「アデナウアー通り」があって、名前を通りの名称で残すくらいだから有名人なんだろうくらいの認識だったのが、レーンドルフをふらついてみて「えっこれは有名人どころか戦後ドイツ史の重要人物では」とようやく気づいた2年前。無知でごめんなさい…よいタイミングで新書が出て、やっと人となりや業績を俯瞰できた。
投稿元:
レビューを見る
ケルン市長から西ドイツの初代首相となったアデナウアーの物語。
第一次大戦からナチズム、第二次大戦を経て冷戦に至るまでのドイツの、そしてヨーロッパのあり方を知る上でキーパーソンになる。
日本に照らして、全面講和、片面講和の論争、戦争責任論などについても考へさせられる。
投稿元:
レビューを見る
私の中では「西ドイツの戦後の首相の1人」であるという認識しかなかった。
詳細は読むことをおすすめするが、彼の徹底した「反ソ主義」「間接民主主義」は眼を見張るものがある。「本当に」「何一つ」ソ連の言うことを信用しないのだ(若干民族主義の嫌いもある気はするが)。
ドイツの「臣民」の感覚を利用し、彼は西ドイツに民主政を根付かせることに成功した。
彼のドイツ再統一論は、逆説的ではあるが「東ドイツの存在を認めない」ことにある。彼の中には、ドイツ帝国の後継者たる西ドイツが「メーメル川までのドイツ」を回復することにが脳内にあったのだろう。しかし東ドイツが編入され、東ドイツを編入した西ドイツは、ポーランド政府とゲルリッツ条約(オーデルナイセ線)を追認する条約を結んだ。
彼は徹底した力の政治で西ドイツの「西欧化・西側へのドイツ」をつくり上げることに成功したし、その意味で私は戦後日本の復興と対比させながら読んだ。彼はヒトラー政権での戦争責任を政府としては認めたが、国民に対しては認めなかった。
「何事もタブーにしないこと」が重要なのであろうと思われた。
投稿元:
レビューを見る
第2次世界大戦の敗北により、人心・国土とも荒 廃したドイツ。その復興を担ったのが、73歳で首 相に就任、14年間その座にあったアデナウアーで ある。戦前、ケルン市長として活躍した彼だが、 ナチに迫害され引退。戦後、保守政党を率い、 「復古」「反動」のレッテルを貼られながらも、 常に自国のナショナリズムを懐疑し、米仏などと の「西側結合」に邁進、ユダヤ人との「和解」に も挑んだ。「国父」と呼ばれる保守政治家の生 涯。
投稿元:
レビューを見る
ドイツでは最も有名だが、日本ではあまり知られていないアデナウアーの業績と生涯について。
内容をおもに戦後の外交に的を絞ってあるので読みやすい。その人となりや思想はステレオタイプな記載しかないのでイマイチよくわからないが、新書サイズということを考えるとこれで十分か。
戦後ドイツの思想一般については読み応えのあるものは多いが、もしかしたらそれらと対比させて読むものなのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
日本ではほぼ知られていなそう(自分も世界史でちょっとかじったのを覚えいるくらい)ただドイツにとっては、国の再建を担った人物で、戦後のドイツを語る際、アデナウアーを欠かすことはできない。
特に東西ドイツ統一よりも、西ヨーロッパ統合の道を優先した点が興味深い。普通なら国内の状況を優先しそうな気もするし、特に国の分断を放置することはかなりリスキーに思える、結果的には正しい道だっと評価できる。
投稿元:
レビューを見る
ケルン大学をヨーロッパ諸国民の協調の礎として位置付けた。アデナウアーは収容所から逃亡劇を演じている。妻がゲシュタポに逮捕、尋問されて娘の安全と引き換えに夫の居場所を漏らしてしまい、再度逮捕された。ケルン均衡の刑務所に収監された。士官となっていた息子の奔走で釈放された。
ボン共和国と呼ばれた西ドイツはヴァイマール共和国の歴史を繰り返さないことが国是となった。
西ドイツとの和解によって、イスラエルは中東紛争を生き延びることができたといえる。アデナウアーっはイスラエルに招待され、物議を醸しだしたが、歓迎された。その後、ベン・グリオンの私邸を訪れるなどドイツとイスラエルの和解を演出した。
投稿元:
レビューを見る
アデナウアーについて名前しか知らない程度で本書を手に取りました。購入のきっかけは第二次世界大戦後のドイツの政治経済を勉強したかったこと。そのためには、まさにこの時期に西ドイツを率いたアデナウアーの本が一番いいのではないかと思い購入しましたが、期待は裏切りませんでした。
全般的に初心者にも読みやすく、アデナウアーの話だけでなく、敗戦後のドイツそのものの激動について興味深く読みました。
しかし本書を読む限りにおいてはアデナウアーという人はかなり独善的に感じました。ドイツに自由民主主義を定着させるという目標のために、議会民主主義は全然顧みなかったという、ある意味矛盾を抱えていて、しかし言い換えれば原理主義者ではなく、あくまで現実を見ながら妥協や取引を通じて自分の考える方向性を実現する、ということで政治家としては極めて有能だったのだろうなという印象は受けました。1つ不思議だったのは、ヒトラーという独裁者を経験したにもかかわらず、ドイツ人はアデナウアーという別の意味で独裁的な人物をトップに選んだこと。ただし本書にも書かれているようにドイツ人は経済復興に最大の関心を持ち政治はお任せ、という状況だったのもあるでしょうし、何より復興にはある程度強権的なリーダーがいなければ立ち行かない、ということで、まさに戦後のドイツ復興になくてはならない人物だったという印象を持ちました。