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ぼちぼちでしたね。読みやすいから読み進めるが、なんとなく感情移入がしきれない感じで。
3人揃ってからやっと話が進み始める。
最後は救われる結末で。
好みがあるかと思いますが、窪さんの作品は2作目ですが、少し合わない感じです。
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心震える物語だった。
おばあちゃんの言葉が身にしみた。
明日への一歩を踏み出していく勇気を与えてくれるお話。
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胸のあたりを大砲で吹き飛ばされたような喪失感
彼の絵に決定的に足りないもの。それは、貧しさや、病や、孤独のなかに深く埋もれながら、それでも自分の描く絵のなかに微かな光をつかみとろうとしたひたむきさ、のようなもの、なのかもしれなかった。
死ぬなよ。絶対に死ぬな。生きてるだけでいいんだ。ただそれだけ、言えばよかったんだ。
真実の絶望を描くことなしに真実の希望を見出すことができないのは自明
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□ソラナックスルボックス
ちょうど、私も仕事で思い悩み働きすぎて壊れてしまっていた時に読んでいたので、感情移入しすぎてしまった作品。苦悩の描写がとてもリアルだった。
由人、野乃花、正子、3人がそろった最終章は、ロードムービー風。
打ち上げられた瀕死のマッコウクジラを見に南の町で過しているうちに
絶望から前向きに又生きようとするところで終わった。
由人の「僕は死なない。たぶん。」というフレーズ
おそらくまた死にたくなるけど、生きたいけど、死にたくなる。
どうしようもない気持にさせられた。
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前半は割とヘビーでずっしり。
思っていたものと違うなあと思いつつ読み進めていくと、後半は前半の重みを少しずつ癒してくれるような内容だった。
どんな人でも心に一つや二つ、辛い経験を抱えて生きているのだなあ、私だけじゃないんだなあ、って少し心が軽くなった。
そして、最終的には登場人物がそれぞれ救われるような印象を受けたので、私自身も前を向いていこうという気持ちになれた。
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女性の作家さんの作品てあんまし肌に合うものがないから普段何となく避けているんだけど、この作家さんは前作の「ふがいない僕は〜」がズドンと響いたので手に取ってみた。私の中では湊かなえと桜庭一樹の中間的な立ち位置で、描かれている世界観はやっぱりもの凄く好みでした。
最初の3章で登場人物それぞれのキャラクターをじっとり(って形容詞がすごい的確な気がする)描いて、最終章では3人それぞれが欠けてる部分を不格好に補い合いながら、自分をほんのちょっとだけ取り戻していく。絶望的な世界の中のふんわりとした幸せが、何とも言えない余韻を残してくれます。
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さまざまな環境で追い詰められた三人がクジラを見に行く話。田舎のおばあちゃんの暖かさがよかったぁ。東京を離れて田舎に行ったのは、三人がこれから生きていくために必要なものを与えてくれる選択だった。
初窪美澄だったけどびっくりするくらいすんなり入ってきた。重いテーマなのに時にコミカルに、淡々と進むので読みやすかった。たくさんの人がなんとなく抱えてる苦悩を描くのが上手い。
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思い内容だけど、サラッとしたタッチで描かれていて、読後感はむしろ清々しい感じ。結末がドロドロじゃないから、ってことかもしれないけど。4章構成で、別々の主人公の物語が、最後でひと繋がりになるっていう、僕の好物パターン。それら好印象が相俟って、やっぱり「山田風太郎賞」受賞作にはハズレがない、という思いを新たにしました。皆が家族関係に悩みを抱えているんだけど、それが黄金パターンってことなんでしょうか。実世界で、どの程度までそれが当て嵌まるのか、ってことが気になっちゃいます。
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デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。死を選ぶ前にと、湾に迷い込んだクジラを見に南の半島へ向かった二人は、道中、女子高生の正子を拾う。母との関係で心を壊した彼女もまた、生きることを止めようとしていた――。苛烈な生と、その果ての希望を鮮やかに描き出す長編。
中身は重たいはずなのに、風に吹き飛ばされてしまいそうな軽さのある文章で、不思議な感じ。野乃花の過去に対する正子の言葉にグサッときた。私、子供捨てた経験とかないけど。でも、間違えることが怖くて子を縛ってしまいそうなのは正子の母と似ているかもしれない。子育てにしろ働き方にしろ、「正解」なんてなくて挫けることは数えきれないほどあるのだろう。でも、死んでしまえば何も残らないし、明日生きてることで幸せなことがひとつはあるかも。誰か心を預けられる人と一緒に歩けますように。
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生まれて初めてされた本のプレゼントが、この一冊だった。
激務や兄弟の死など、身に覚えのある悲しみもちらほら。
結婚すらしたことはないけれど、街中で泣き叫ぶ子どもを見て「私は立派な母親になれるのだろうか」と思うことも多く、野乃花の逃げ出す気持ちも、同じ女として他人事ではないように感じた。
混沌としているのに爽やか、悲しいのにさらっとしている、そんな不思議な読後感。
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読み終わったあとに、生きている心地がした。最後の由人の「だけど僕は死なない。たぶん。」がすべてを掻っ攫っていって、不思議な読了感があった。生きているだけで、それだけでいいんだと許してくれる窪さんの本はどんな救いの言葉よりも強力な気がした。きっとまた数年経って、違う立場になって読んでみたら、また違う感想を抱くんじゃないかと思った。
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本屋大賞2013年6位。1章から3章まで章ごとに異なる3人の苦しい生活のお話があって、4章で3人でくじらを見に行く物語。この人の文書にリアリティがありすぎて、2、3章あたりは胸がしめつけられるようになって読むが辛かった。最後はハッピーエンドとまではいかないけど、前向きな希望が感じられる結末でさわやかな読後感が残る。
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いつかまた、人生に迷った時この本を読みたい。その答えがここにあるんじゃないか、そう思わせてくれる一冊でした。
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みんなそれぞれ生きることに必死で、疲れて、なにも希望も見いだせなくて、病んでいる。一人ひとりの違った痛みのさまがすごく魅力的だった。
野乃花の高校生での妊娠、子供を置いて出ていくまでの壮絶な人生。
正子の毒母に壊されていく思春期。娘を抑圧し管理する描写がすごくリアルで怖かった。
最初から最後の一行までとても良い。
要所要所で登場するフェルトのハートのおもちゃが可愛くて、作品のシンボルのようでとても印象に残りました。
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以前読んだアニバーサリーはそんなに胸に来なかったけれど、この本はページを繰る手を止められない程一気に読んだ。年齢も性別も違うけれど、それぞれに深い絶望を抱いていた3人が死を選ぶ前に湾に迷い込んだクジラを見に行く。その3人のそれぞれの事情もきちんと描かれるのでこの3人が絶望を抱くに至った心境も理解できる。そして迷いクジラの陥っている状況と3人の心情がリンクしクジラが自力で何とか沖へと向かう姿にそれぞれが生きるということを見いだすラストには感動。