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紙の本
名著とはなんだろう。
2020/02/28 21:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なまねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「きょう、ママンが死んだ。」で始まる、カミュの代表作。
あまりにも有名だが、そういえば読んだことがなかったので読んでみた。
母を亡くしたとき、悲しむ様子を見せなかった主人公ムルソー。
彼は、知人とトラブルになった女の関係者を殺してしまい、動機を聞かれて「太陽のせい」と答える。
当然、陪審員の共感は得られず。
それどころか裁判に立ち会ったほとんどの人間の不興を買ったあげく、死刑判決が下る。
というのがおおまかなストーリー。
「普通の平凡で善良な市民」から見れば、母にすら情を持たぬ、自分たちとは相いれない殺人者として「異邦人」という名称が与えられた主人公。
彼にも共感はできないが、「普通の平凡で善良な市民」にも共感できない。
そもそも「普通の平凡で善良な市民」など、どこにいるんだろう。
というようなことをつらつら考えさせるところが、名著と言われる所以なのかも。
紙の本
興味深い
2020/01/30 15:14
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投稿者:すねよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
カミュは初読みであった。
とっつきにくいイメージがあり、海外作品には長らく手を出せていなかったが、いざ読んでみると面白い。
カミュの思想に少しは近づけたかなと思ったので次の作品も挑戦してみたい。
紙の本
レビュー
2015/12/27 15:53
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はまだ学生で不条理な場面には出会ったことがありませんが、本を読みながらふむふむ確かにこの小説の世界は変わっているけど、そういう世界を知ることで今いる世界というか私の世界を見る目というのが怒涛のごとく変わっていくのが心地よく読んでよかったと思う作品でした。
紙の本
獄中の古新聞
2015/09/09 04:14
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投稿者:金吾庄左ェ門 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不条理とか言われていますが、現代で言うならムルソーの考え方はちょっとドライなだけでそう問題があるようにはないのでは?と思えてなりません。他の登場人物も小言っぽい事ばかり言っているように思えます。
ムルソー自身、理屈っぽく罪を悔いて反省しているわけでもありませんが、願う事が見物人の憎悪を一身に受けながらの死刑というのが救いと言えば救いですね。
あと、ムルソーは獄中で古新聞の記事を何千回も読み、ある結論に至るのですが、お前がそれを言うなと思いました。
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太陽が殺した。
2002/07/24 22:23
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投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近は世界の文学を読むために必然的に翻訳物にも手を出しているのだが、やはり翻訳文は文学としてあまり優れたものが無い。そこが残念だ。
不条理の殺人を描いたこの作品。だが、主人公ムルソーは何の関係も無い人間を殺したわけではなく、彼が裁かれるのはむしろ母が死んでも泣かなかったところにある。一人称で書かれながらもムルソーの心情は淡々として渇いている。だからといって世間に背を向けて粋がっているわけでもない。ムルソーが母の死に泪を流さなかったことに違和感を感じさせない筆致は、それゆえに優れている。読者も作品世界に入り、ムルソーと同じ視点になるのだ。ムルソーがアラビア人に発砲するシーンや刑務所内でのシーンなど、作品中の日光の使い方は本当に上手い。夏の暑さの中、朦朧とするような日光を受け、殺人を犯したムルソーの心情を理解出来る人間は少なくないだろう。実行すれば許されることではないとはいえ。
とても現代的な小説である。いや、単に現代が昔と大して変わっていないということか。
紙の本
魂の叫び
2002/03/24 17:59
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投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
19世紀最後にして最大の哲学者ニーチェは言った。「神は死んだ」。そしてカミュは「神が無ければ全ては許される」というドフトエフスキーの言葉を誠実に生き抜く青年“ムルソー”を描いた。ムルソーは孤独で無力、しかしどこか潔い。殺害の動機は「太陽のせい」。
理解が出来ないと多くの人はいうだろう。だけど理解出来る殺人なんてありえない。復讐・憎悪など、理解しやすい動機をつけて私達は安心する。自分には復讐したい人などいない、だから大丈夫…それが理解できない殺人者を恐れる理由。
ムルソーという一人の青年の魂の叫びが、あなたに届きますか。