紙の本
2013年頃の鈴木敏夫氏の考えていたことが垣間見える対談集
2015/08/17 10:52
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投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
人気のFM番組を書籍化したものの4冊目。
ポッドキャスト版を聴いたことはあるけれど、FM番組としては聴いたことがない(そこに、どんな違いがあるのか?)ので、番組の雰囲気はわかったようなわからないような感じだけれど、鈴木敏夫氏のあの語り口が印象的だったりする。
そんな雰囲気が文字で伝わるのかどうか、4冊目に至ってもよくわからない。
個人名を冠した番組だけれど、その番組名にもう一つ固有名詞が入っているところが、この番組をある程度規定しているのかもしれない。それは、「ジブリ」だ。
それを意識してかどうか、書籍化に際してはジブリがらみの人が選ばれている傾向があるように思う。さらに、ジブリとかアニメとか映画といった領域と関係ある人が多いような気がする。
そんな『汗まみれ』の4巻には、以下の人たちとの対談が収められている。
朝井リョウ(作家)
谷山浩子(シンガーソングライター)、奥田誠治(日本テレビ ゼネラル・プロデューサー)
大根仁(テレビディレクター・映画監督)
落合博満(中日ドラゴンズ ゼネラルマネージャー)
神山健治(アニメーション監督・脚本家・演出家)
石田ゆり子(女優)
中田ヤスタカ(音楽プロデューサー・音楽家)
風吹ジュン(女優)
そして、徳間書店の雑誌『アニメージュ』初代編集長・尾形英夫氏を追想する座談会と、ジブリ・プロデューサー見習いを名のる川上量生との対談
落合博満が意外な感じがするが、これは鈴木氏の地元・名古屋繋がりとでもいうか。他は、先に述べたように、アニメとか映画繋がりが多いように思う。
対談の時期は、2008年とか2011年といった年もあるけれども、2013年頃が多いので、ジブリとしては宮崎駿が『風立ちぬ』をもって長編アニメ監督を引退すると言った時期に重なります。ジブリの将来、アニメの将来を考えていた(今も考えているのでしょうが)時期なので、余計そういった関係者が揃ったのかもしれません。
個人的には、過去の思い出話をしているものよりも、先が見えていなくても先を見ようとしている話の方が面白く思えました。
ただ、これを読んでいると、ジブリは一つの役目を終えたのかとも思ってしまうのですが。
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スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さんのラジオ「ジブリ汗まみれ」を文字化したシリーズ全四巻。
「風立ちぬ」に続き「思い出のマーニー」に感動し、ジブリ熱がふつふつと蘇ってきた私。図書館で見つけたこのシリーズを一気に読了。(と言っても会話が文字化されているのですぐに読めてしまう)
鈴木さんの文化知識の広さと深さ、新しいものに対する偏見のなさや好奇心の強さ。様々な人たちとの対談の中でおもしろおかしく、テンポよく語られて行く。
今日にいたるまでのジブリの歴史や宮崎監督や高畑監督のこと、二人との関係、それに関わった人たちのこと、作品のこと、映画作りのこと…。
大好きというか、自分の成長過程にいつもそばにあったジブリ作品。それがこういった形で私たちの所に届けられてきたんだ、と大げさかもしれないけど感慨深い気持ちでいっぱいになってしまった。
ラジオは今も続いているようでポットキャストでも聞ける。5巻が出るかはわからないけど、今後は音で楽しもう。
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[ 内容 ]
<1>
一読痛快!
読んで愉しき、名調子。
スタジオジブリ・鈴木敏夫の人気ラジオ番組、待望の書籍化。
読むと元気になる―まるで、ジブリアニメのような一冊。
<2>
「面白い!」と各界で大評判!
スタジオジブリ・鈴木敏夫の痛快トーク本。
<3>
豪華11大ゲスト。
スタジオジブリ・鈴木敏夫の痛快トーク本。
<4>
今が旬。
新風を呼ぶ面白さ!スタジオジブリ・鈴木敏夫の痛快トーク本。
豪華多彩なゲストを招き、6年半ものロングランを続けるTOKYO FMの名物番組から、ベスト・オブ・ベスト回を厳選収録。
各ゲストのポートレートやプロフィール、詳細な脚注、スチル写真、鈴木氏の熱筆による「あとがきエッセイ」など、ラジオ版では味わえない、書籍オリジナルの魅力を満載した―「読むと元気になる本」!
[ 目次 ]
<1>
1 阿川佐和子「ジブリって、かわいい!?」
2 山田太一「言葉にできないものへの希求」
3 庵野秀明「バッタ君と巨神兵」
4 太田光代「わたしの中にいる“侍”」
5 坂本龍一「映画と、音と、音楽と」
6 志田未来・神木隆之介「『アリエッティ』出演余話」
7 辻野晃一郎「ネットの未来、ジブリの未来」
8 宮崎駿「鉛筆をとり戻そう」
9 ジョージ・ルーカス「お金儲けのために映画は作らない」
10 川上量生「“鈴木道場”其の一・邂逅篇」
<2>
1 浦沢直樹「漫画とアニメ、ぼくの少年時代」
2 松任谷由実「ユーミンとジブリアニメの永い関係」
3 押井守「ここまで言う…!?悪友放談」
4 手嶌葵「いつも、一人で歌っていた」
5 井上伸一郎・高橋豊「1980年代―アニメビジネス、ことはじめ」
6 竹下景子「ふるさと・名古屋への愛憎」
7 岩井俊二「今、風化させてはいけないこと」
8 宮崎吾朗「父、自分、そしてこれから」
9 川上量生「“鈴木道場”其の二・入門篇」
号外 ジブリ2大最新作=『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』製作発表!
<3>
1 尾田栄一郎「忘れまじ、任侠のこころ」
2 矢野顕子・森山良子「ふたりで歌えば」
3 大塚康生「追想・ルパン三世」
4 細田守「“肯定していく力”を描きたい」
5 山口智子「日本人の“もの作り”と、『かぐや姫』」
6 久石譲「ジブリアニメとの25年」
7 きたやまおさむ「“駅裏”のなくなった現代」
8 瀧本美織「『風立ちぬ』―菜穂子の素顔!?」
9 三池崇史「映画の息吹、その伝承」
10 川上量生「“鈴木道場”其の三・風雲篇」
<4>
1 朝井リョウ「ナウシカは日本を変えたのか?」
2 谷山浩子・奥田誠治「昭和40年代のクラスメート」
3 大根仁「“思い当たる節”のある作品を作りたい」
4 落合博満「あの時―映画が自分を救った」
5 神山健治「『009』と、アニメ制作の未来」
6 石田ゆり子「『コクリコ坂から』談義」
7 中��ヤスタカ「わらべ唄と初音ミク―当世音楽事情」
8 風吹ジュン「ジブリ作品とわたし」
9 追想・尾形英夫「アニメージュ」創刊編集長を偲ぶ特別座談会
10 川上量生「“鈴木道場”其の四・奮闘篇」
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[ 結論 ]
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[ 読了した日 ]