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軽い気持ちで読み始めた、人生初の官能小説…
読書の幅を広げてくれた貴重な経験でした。
目の前でプレイが実演されているかのような緻密な描写。なだれ込むようにベッド・インする2人の心理をここまで書き綴れるものか…と、感動すら覚えた。
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挑戦的ともとれるレビューで手にとって、いやあああ後悔(笑)
ダメでした、堕ちていきそうな想いに絡め取られます。
あの情念だったり、色んな意味で純情だったり、欲望だったり、頭と体の中で咀嚼しきれない気持ちをもて余します。縁も艶も炎も「えん」ですよね、こんなにも文字が文章が艶やかだと感じたのは初めて。
この四人を是としてはならないのだけれども、この情動をどうしたものか?憧れてもいけない世界、どんなに言葉を尽くしてこの情動には勝てないのだ。
やはり神は見ている「恋愛−己の心から苦しむなり、秘めよ」
#花酔ひ
#村上由佳
#官能
#本好き
#本好きさんと繋がりたい
#小説倶楽部
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久々の官能小説。
男性作家のを数冊読んでみたけど、心惹かれるのではなかったのでしばらく遠ざかっていた分野。
こんな風になにもかも捨ててもいいと思えるような体験をしてみたい。
溺れてみたいと感じるような書き方。
永遠に続くような終わり方がよかった。
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満たされた生活、仕事、家族を持ちながらも、溺れてしまう相手との出会い。
獣と人間が違うのは理性があるから。
一度の人生で、魔が差すのも共感できる。そして、そんな経験も味わった上で、自己を確立していく麻子は女性てしても素敵だと思う。
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偶然であった二組の夫婦
相手のパートナーと自分の性の相性がぴったりだった。それぞれ立派な仕事や肩書きをもった大人なのに、この出会いによって押さえきれない衝動で密会を重ね、狂ったように求めあってしまう。目が話せなくなる。
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2組の夫婦の交叉して合致する性癖、というベースの設定がよかった。性的な表現とそれぞれの心理描写が秀悦。
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感応的で猥雑な話…性癖が表向きの自分を狂わせてしまう程に支配的なモノであると言う事、人の心の闇?内なるものの深さ…を想いました。後半は酔ひというより狂ひですね、昼顔を思い出しました。
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このタイプの小説は相性が悪いのか、はたまた自分に降りかからないからなのか。登場人物の誰にも共感ができない。。。
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二組の夫婦が別の相手に惹かれ合う。同じ性癖を持ち求め合う誠司と千桜。お互い心惹かれあい、身体も離れ難く求め合うようになる正隆と麻子。誠司と千桜にはあまり共感できなかったけど、正隆と麻子には一時でもそういう経験が出来たことが羨ましくもあり、反対に知ってしまったが故にこれからは封印して生きて行かなければならないのは辛く苦しく、知らなかった方が幸せだったのかも。もし万が一、自分にこんな出会いがあったら、どうするだろう…と読みながら、複雑に心が揺れる思いがした。まっ、そんな事とは全く無縁の毎日なんだけれども。
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『時々、この夫が見も知らぬ他人のように思えることがある。知り合ってから今日まで、彼に対してほんとうに心を許したことは一度もないかもしれない』。
女性なあなたは、夫のことをそんな風に思ったことはないでしょうか?
『結婚して十年ほどがたつというのに、彼女を抱いてそれなりの手応えを得られたことが、正隆にはまだ一度もない』。
男性なあなたは、妻のことをそんな風に思ったことはないでしょうか?
この世にはさまざまな関係性があります。親と子というような血の繋がりに基づくものは、その中でも最も強い絆で結ばれていると言えるでしょう。一方で、血の繋がり以外で最も親密な関係性、それは夫婦だと思います。結婚という契約に基づくその繋がりは、もちろんその前提として誰の目にも直接見ることの叶わない愛情で結びつくものです。しかし、目に見えないものであるが故に、お互いの心の内にどんな感情が潜んでいるかは当人同士でもなかなかに分からないものです。もしあなたが夫婦関係にある方なら、この考えには納得いただけると思います。
『夫婦仲が悪いというほどではない』
『結婚二年目には可愛い男の子にも恵まれた』
見た目にも、また繋がりの結果論としての子どもという存在をもってもそこには一見愛情が存在しているように見えます。しかし、その本当の心の内は誰にも分かりません。上記の問いが象徴するように、二人の間には実は隙間風が吹いている、そんな可能性だってあり得ます。その先には、各種統計が示す通り、三組に一組が離婚しているというこの国の現実が垣間見えてくる可能性だってあり得ます。なかなかに夫婦という関係性も脆いものです。
さて、ここに二組の夫婦が関わり合いをもっていく先に
『夫婦のつながりは、セックスだけじゃないでしょう?』
そんな問いを読者に投げかける作品があります。女性作家さんならではの”官能世界”が繰り広げられるこの作品。開いてしまった甘い世界に蠢く四人の男女の赤裸々な姿が描かれていくこの作品。そしてそれは、『軀とともに脳まで蕩けてしまうような、おなかの底からこみあげてくる衝動を解き放つと同時に頭が弾けとんでしまうような、そんな深い快楽』を求める男と女の物語です。
『朝食を作り、夫を送り出し、手早く着物に着替えて店へ向かう』日課を思いながら、『祖母のトキ江に千束の家へ呼ばれ』て出かけたのは主人公の一人・結城麻子。『曾祖父の代から続く呉服店』の一人娘として生まれた麻子は『ブライダル関係の会社に就職』し、『企画室の要となって働』いてたものの、祖父が亡くなり、『心筋梗塞』で父が倒れたことをきっかけに会社を辞め家業を継ぎました。そして、『可能な限り、着物姿で店に立つようにしている』という今の麻子が祖母の家に着くと、祖父が『麻子に遺してやるんだ』と言っていたものを見せたいと二階へと案内されます。そこには、『ざっと数えても三百、いや四百、うっかりすると五百かそれ以上ある』『〈アンティーク着物〉あるいは〈時代着物〉と呼ばれるものの逸品ばかり』が『幾棹もの桐簞笥』にしまわ��ていました。『時代着物の世界にどっぷりと魅入られ』た麻子は『遊鬼』という店を出してそれらを扱うことを決め、夫の誠司に話すも『まあ、いいんじゃないの』『迷惑がかかったとしても、きみの家族にだけなんだし』と言われます。そして、季節が進んだある日、『知らない男から店宛てに電話がかかってき』ました。『明治から昭和にかけての古い着物』を『買い取ってもらえると聞いたが本当か』という電話は、『葬儀屋』をしている桐谷という男からのものでした。
場面は変わり、『もうちょい脚ひらいてみ』、『見してえな、パンツ』と言い『スカートの中へごま塩頭を潜りこませて』きて『ああ、ええ匂いや』と伯父の栄吉に言われたことを思い出すのは主人公の一人・桐谷千桜(きりたに ちさ)。『これは、いけないことだ』と朧げながら認識していた五歳の千桜は母親が亡くなり、小学校を卒業するまで伯父の家で育ちました。そんな伯父もゆうべ遅くに『息を引き取った』という今の千桜が運転している『白いライトバンの横腹には』『セレモニー桐谷』と書かれています。父親が経営する葬儀社で秘書を務めている千桜は、他社から引き抜かれてきた正隆と結婚しました。『父の望みに応えたかった』というその経緯。そんな千桜は、『可愛い男の子にも恵まれた』ものの『今、日々がひどく味気なく』感じるという中に正隆との結婚生活を送っています。『幼い頃から執拗に覚えこまされた快楽への回路は、今でもこの軀に残ってい』ると伯父との関係を思い出す千桜は、『正隆とのセックスは、物理的な快感しかもたらしてくれない』と思います。そして、千桜は遺影の写真探しに訪れた伯父の家に着きました。そんな家に仕舞われていた大量の着物に気づいた正隆に『物さえ確かやったらまとめて買いたい』という人がいることを説明された千桜。
誠司と麻子、正隆と千桜という二組の夫婦。そんな彼らの運命の出会いから始まる物語。『快楽には、行き止まりというものがあるのだろうか』という禁断の世界に足を踏み入れていく男と女の物語が始まりました。
“浅草の呉服屋の一人娘、結城麻子はアンティーク着物の仕入れで、京都の葬儀社の桐谷正隆と出会う。野心家の正隆がしだいに麻子との距離を縮めていく一方、ほの暗い過去を抱える正隆の妻・千桜は、人生ではじめて見つけた「奴隷」に悦びを見出していく”という危うさ漂う内容紹介がこの物語の前提を見事に言い表しているこの作品。あの問題作”「ダブル・ファンタジー」を超える、衝撃の官能世界!“と煽る広告に、これは読まめば!と、嫌が上にもさてさての気合いも入ってしまいます(笑)。はい、この作品は村山由佳さんの”官能世界”が堪能できる作品として有名?ですが、実際に読んでみて、単に”官能世界”だけにとどまらないさまざまな魅力が散りばめられた作品だとも思いました。では、そんな読みどころを三方向から攻めてみたいと思います。(・_・)ヾ(^o^;) オイオイ
まずは、主人公の一人・結城麻子が継いだ『曾祖父の代から続く呉服店』である『浅草ゆうき』を舞台にした『着物』に関するさまざまな表現です。『今どき冠婚葬祭のセレモニー以外で着物を着る人など滅多にいない。どうせ廃れてゆくだけの、時代錯誤の文化』に過ぎないと当初実家の家業から遠ざかっていた麻子ですが、一方で『着物』は『幼い頃から当たり前のように身近にあった』ものでもありました。そんな麻子は『着物』をこんな風に説明します。
『着物が洋服と大きく異なる点は、反物をまっすぐ接ぎ合わせただけの衣服であること』
このことによって、
『まとう者の体格や体型次第で一枚の着物がまったく違った表情を見せる』
という『着物』ならではの難しさがあると言います。そして、具体的にこんな風に説明します。
『同じ人が同じ着物を着るのでも、衣紋(えもん)を抜くか詰めるか、半襟をどのくらい覗かせるか、身丈や裄丈、お太鼓の傾け加減…どれも、ほんのわずか違うだけで全身の表情に劇的な差がつく』
なるほど、洋服にはない着こなしの難しさの一方で、上手く着ることでそこに潜在する魅力をどんどん引き出すことができるのが『着物』であるとも言えます。だからこそ、祖母のトキ江の着姿を『遠慮なく観察する』麻子は、
『何とかして極意を盗みたいと思う』。
そんな風に思います。他にも『世界に民族衣装は数多あれど、日本の着物ほど自然の風物の美しさを写実的にうつしとって表そうとしたものは他にない』という側面で見る『着物』など、”官能世界”に持っていかないで、『呉服屋』の”お仕事小説”でも展開できるくらいに、その物語のベースはしっかりしています。ただの”エロ”ではない、村山さんならではの小説の魅力がここにあると思います。
次に二つ目は、『葬儀屋』の舞台裏が描かれる部分です。もう一組の主人公・桐谷夫妻が携わっているのが『セレモニー桐谷』という『葬儀屋』です。私が読んできた作品でも町田そのこさん「ぎょらん」など、『葬儀屋』で働く人たちが登場する物語は他にも存在します。人生最後の瞬間を取り仕切る『葬儀屋』、そこにはドラマとして描ける世界があるのだと思います。そんな『葬儀屋』について、村山さんが描くのは『葬儀屋』のブラックな側面です。そんな業界にはこんな言葉があると言います。
『月に遺体が一つ出れば生活でき、二つで貯金ができ、三つなら海外旅行ができる』。
『人は、必ず死ぬ。死ねば、葬儀が出る』という事実。そんな『葬儀にかける費用は全国平均で約二百五十万円』なのだそうです。一体何にそんな費用が?という疑問に対して『値段など、あって無いのがこの世界だ』と書く村山さんは、
『実際の葬儀一式にかかる原価は全体のせいぜい四割程度。残りの六割、つまり五百万の葬儀なら三百万円ぶんは丸儲けなのだ』。
なんとも鮮やかなまでに商売としての『葬儀屋』を一刀両断にされます。さらに、
『たった二日か三日で、七百万の葬儀なら四百二十万、一千万なら六百万の粗利…それでいて、遺族からは涙を流して礼を言われる』。
ここまで一才の躊躇なくスッパリと書かれる村山さんは、さらにこんな一言で『葬儀屋』というものをまとめます。
『三日やったらやめられないとはこのことだ』
う〜ん。どうでしょうか。私も父親が亡くなった際に『葬儀屋』を手配し、最後に現金で費用を一括払いしました。高いな〜という印象は今もって変わりませんが、こんな風に改めて裏事情を聞かされるとなんとも複雑な思いにも囚われます。自分のXデーに向けて事前に調べておいた方が良いのかもしれません…。また、上記で『呉服屋』の”お仕事小説”へ引っ張っれる可能性に触れましたが、『葬儀屋』についても十分物語にしていける内容があるとも思いました。
そして最後に三つ目は、皆さまお待ちかね(笑)の”官能世界”を描く部分です。そんな”官能世界”を彩る主人公四人について簡単に触れておきましょう。
・結城麻子: 『ブライダル・プロデュース企業』の『企画室』で営業の誠司と出会い結婚。家庭の事情から会社を辞め『曾祖父の代から続く呉服店』である『浅草ゆうき』を継ぐ。『アンティーク着物』を新たなビジネスにする過程で正隆と出会う。
・桐谷千桜: 幼い頃に母親が亡くなったことで伯父の家で育つ。『栄吉おじちゃんは、本当はしてはいけないことをあたしにしている』という経験の中で『快楽への回路』を覚え、夫となった正隆に『抱かれて達したことが一度もな』いと不満を抱く中に誠司と出会う。
・桐谷正隆: 『セレモニー桐谷』で『営業部長』として働く。婿養子として千桜の夫となるが、『どこかにもっと抱きごたえのある女はいないものか』と思う中に、千桜の伯父の家に『古い着物』を見つけたことで、これを売りに出そうと麻子に連絡を取る。
・小野田誠司: 『ブライダル・プロデュース企業』に営業として勤める中、麻子と結婚。『妻である彼女のほうから夫の俺を思いきり踏みつけにしてくれたなら』という思いに苛まれる中に、妻の麻子が繋がった『古い着物』の縁で、正隆の妻、千桜に接触をはかる。
この作品は、第一章から第十二章まで、上記した四人の主人公視点で順番に四人×三回ずつ=十二章の物語を繋いでいき、最後に麻子視点の終章が置かれるという構成をとっています。そこに上記した『着物』に関する描写、『葬儀屋』に関する描写が物語を演出する中に徐々に”官能世界”が顔を出していきます。とは言え、年齢制限のないブクログに生々しい描写を書くのはどうかと思います。でもそれではここまで読んでいただいた方を裏切ることになってしまう(汗)ので少しだけ触れておきたいと思います。
『手は使ぅたらあかんのよ』と誠司にささやく千桜。『なあ、見える?あんた、うちのここ、食べとうてたまらんのやろ… 舌だけで、うちをうんと気持ちようしてくれな』と煽る千桜。
↓
『頭をもたげてむしゃぶりつくと、千桜の言葉が恍惚の吐息へと変わった。うねうねと勝手に蠢きだす腰使いに煽られ、最奥まで届けと舌を突き立て、躍らせる』誠司は、その感覚を『柔らかな桃に丸ごとかぶりつくのに似ていた』と感じます。『果肉の歯触りも、溢れだす果汁で鼻や頰までがぬるぬると濡れるところもそっくり… 違うのは味だけだが』『千桜のほうが美味しい。桃は、いくら囓ってもこんな妙なる音色を奏でない』と思う誠司は、千桜を『無心に味わいつく』していきます。
“官能世界”を冷静にレビューするのも難しいですが、やはり男性作家さんが描く物語には出せない、女性作家さんだからこその美しさがそこにはあるように思います��まさかの『桃』を使った比喩など、この世界にいつまでも浸っていたい(変な意味ではないです。キッパリ!(笑))と思わせる魅力が村山さんの”官能世界”にはあるように改めて思いました。皆さまを、この”官能世界”にお誘いしたい気持ちでいっぱいです(う〜ん、紛らわしい表現だなあ(笑))
そんなこの作品は、上記してきた通り、
誠司&麻子夫妻(M&M) と 正隆&千桜夫妻(S&S)
の組み合わせが、
誠司&千桜(M&S) と 正隆&麻子(S&M)
というように、M極同士とS極同士でしっくりこなかった夫婦が、S極とM極の片割れ同士それぞれくっ付くことでのS&Mの安定を得るという極めて分かりやすい自然な形への決着を見せていきます。このことが単純に”官能世界”の物語に強い説得力を与えてもいきます。しかし、『近づけば反発し合うくせに、別のものにはくっつきたがる』というある意味納得の展開が魅せていく物語は、どんどん危うさを伴っていきます。『いったい千桜との快楽には、行き止まりというものがあるのだろうか』と思う誠司。『他の誰でもない、あの女が欲しい。あの女を、時間と手間をかけて作り変えてみたい』と思う正隆という男性陣二人の感覚はそれぞれMとSが際立っています。一方で、『うわごとのように恥ずかしい懇願をくり返す自分の声を、どこか遠くで耳が聞く。止まらない。止めようがない』と悶える麻子。『見つけた…ああ、やっと、やっと見つけた』と伯父との快楽の瞬間を誠司に重ねる千桜という女性陣二人の感覚は同様にそれぞれMとSが際立っているのがわかります。そんな二組が陥っていくある意味での”官能世界”が見せる罠がどう決着するのか?単なる”エロ小説”であれば、”官能世界”の描写さえたっぷり入れておけば良いのだと思いますが、これは村山さんの小説です。そんな物語は、全く予想外のなんとも言えない結末へと向けて急展開を見せていきます。そして、その結末には、えええっ、というなんとも複雑な思いが残るそんな物語が描かれていました。
『麻子と ー 桐谷。自分と ー 千桜。最初からそういう組み合わせであったなら、夫婦としてどちらもうまくいっていたのだろうか』。
そんな二組の夫婦が相手のパートナーと”官能世界”に溺れていく様を描くこの作品。そこには、さまざまに苦悩しながらも”官能世界”の快楽から戻って来れなくなる四人の姿が描かれていました。『着物』や『葬儀屋』の描写が物語に彩りを与えていくこの作品。京都の街の描写と京言葉の独特な柔らかさが物語に一つの世界観を浮かび上がらせていくこの作品。
村山さんの描く女性作家さんらしい”官能世界”の描写に魅了される、そんな作品でした。
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昔、YouTubeの企画か何かで、アメリカ人に対して「付き合う前にセックスはする派?しない派?」というインタビューを見た。
そのとき、男性も女性も大半が「する派」で、理由として「身体の相性も大事」的なことを言っていた。
この作品を読んでて過去に見たその動画を思い出した。
性に対してあまりオープンではない日本では、この作品のようなことが起きてしまう可能性は大いにあると思った。
★印象に残ったフレーズ
「恋だの愛だの、世間じゃまるで美しいものみたいに言うけど、あんなもの、きれいでも何でもない。あたしゃ怖くてたまんなかったよ。自分という女はこれほど身勝手だったのか、我が身が可愛けりゃ鬼にもなれるのかと思ったらさ」
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友人から借りた本
エロかったです。久々にこういう本読みました。渡辺淳一さんとか、なんなら団鬼六先生のソフトバージョンみたいな。
ラストは、えええ?みたいな感じでした。
京都とか、お着物の表現は素敵。
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終わり方がなかなか衝撃的で驚いた。夫婦同士で不倫し合ってここまでバレないものなのかと思ったが、麻子の鈍感さには呆れた。誠司は最後、鬱になりかけていたがそれは千桜にであったからなのだろうか?そうであったのならば、人の出会いというものは恐ろしいものだと思った。誠司は千桜を神格化していたからこそ、深くのめり込み「この人しかいない」と思い込んでいた。なんだか宗教みたいだなと思った。
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商売をするためにも。
女癖が悪いと分かっていたとしても、帰宅が遅くなったり知らない香りがしたら不快で仕方ないだろうな。
生きていたからよかったものの、危険極まりない行為の最中に出かける必要はあったのか。