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アンデルセン童話に材を得た創作『マッチうりのクリスマス』はじめ、マッチというものを題材の一つとして大切にきた著者書き下ろしの画文集(帯に曰く「初の戯画集」)。
マッチの頭の部分だけ赤い色がついてあとはモノクロ、
文字はすべて手書きで、目次も順序もなく、
気のむくままあちこち好きなページを開いて楽しめる。
今はほとんど死語となりそうな「マッチ」を主人公にした
さまざまな見立て遊びや思考実験が見開き単位で続いてゆく。
ふざけているようにみせて、
文章のところどころに叙情がにじみでている。
少ない線で簡単に描かれた人物など、ちょっと新境地。
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昔、父が勤めていた料理屋のマッチがいっぱいあって、夏休みの自由研究でマッチに顔書いてたりしました。なつかしいマッチですが、箱のデザインがよくてコレクターもいるそうですね。
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【空想癖×ユーモア×アイロニー!!】釣り針、どんぐり、猫のひげ、梯子に綿ぼうし……変幻自在のマッチ棒。直筆原稿に笑って、唸って、考え込んで。大人のための詩画集。
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いやもう、気持ちいいくらいにハチャメチャな本でした。
ハチャメチャなんですけれど、大人の遊びというか。
遊びとおふざけが噴出してくるようなのだけど、下品さとは無縁。
誰かを貶めたり傷つけたりして笑うような上から目線も絶無。
詩情とか抒情とか、底に響く優しさとか、切なさ。そういう素敵な湿り気もある。
なんだけど、とにかく定型なモノガタリとか意味合いとか教訓とか、お涙ちょうだいと言った「売らんかな」な作りはダンコとしてイヤダという姿勢。
「若さ」というえぐみが、歳月で灰汁とりしたような。
澄んだ不思議なすっきりとした味わい。
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安野光雅さん、イラストレーター、絵本作家、画家、エッセイスト?。
1926年生まれ。「マッチの気持ち」は2014年の本。安野さん88歳のとき。
なんというか、絵本というか、イラスト&エッセイというか。
帯の宣伝文句には、「戯画集」。なるほど上手いコトバです。
1頁、または見開き2頁で、それぞれ完結していく、画とコトバ。詩画とでも言いますか。
安野さんのかつての「旅の絵本」などのような、精密で緻密な画風ではなく。
禅画のような、かわいらしい、脱力系の荒々しい絵柄。そりゃ88歳ですからね。
肩の力の抜けた、童心を感じるような、画と字。
そして、本全体を通す?のは、「マッチの気持ち」なんです。というかまあ、マッチ棒。
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破天荒で、あほらしい、志ん生の小噺にアハハと笑うような連続に、唐突にしみじみしたりしちゃう。
いかにも安野さんらしい一冊。
95頁、30分で読み終わってしまうけれど、ほっとするひととき。
素敵な本。
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帯に「戯画集」とあったように
安野さんがマッチで(もしくはマッチと)戯れたような本。
■ ■ ■ ■ ■
あんなシンプルな形状のものだけで1冊の本が作れる。
想像と創造のちから。
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鉛筆文字が さ、
マッチに対するノスタルジーを増幅させない?
もう何十年も鉛筆で文字なんて書いてないや。
マッチを日常にそこにあるものとして育った私の世代と
「ぎが」と聞いたとき「戯画」でなく「GB」を思う世代とでは
この本に対する感想も違うんやろなぁ。
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ウソバッカシ
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手書きの文字に味がある。安野さんの字?
いろんなマッチが楽しい。
表紙の絵は、表示のものとは違う。
マッチの結婚式?なんだか好きだ。
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もう、このような徳用マッチ箱を見る事が、無い時代になった。
半世紀前には、喫茶店でも、店の名入ったマッチや、銀行でも、マッチを置いていた時代があった。
マッチのパズルなども、娯楽で、遊んだし、マッチと、セメダインで、組み立てたりして遊んだのを思い出した。
本の内容は、作者 安野光雄氏。
数学、文学、科学と、造詣の深い作者。
何とも、幻想的な、単純な絵と事も描いたような稚拙な文字が、何故か惹きつける。
それも、絵本のようでありながら、このような、重要な文学の本のように、箱に入っている所も、・・・
そして、その箱の裏側には、表のマッチ箱と違った、昔、持ち運べる位の大きさの箱と、大きな短めのマッチ。
そのマッチにも、よく見ると、賞味期限が、書かれているような、気遣い(?)
単純な絵と、誰でも書けるような子供のような字なのに、真似できない奥深さ。
ちょっと、笑ってしまいそうな、それでいて、首をかしげるような事が、書かれている、大人の絵本と言っていいのだろうか?
ちょっと、1600円は痛いけど‼(笑)