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地中海世界を揺るがすパワーゲームにフランス、スペインも参戦し、戦況はますます混沌となった。トルコを率いるのは陸上ではウィーンにまで迫り、のちに「大帝」と呼ばれたスレイマン一世。迎えるキリスト教連合国軍の最前線に立つのはそのトルコに本拠地を追われた聖ヨハネ騎士団。最終決戦の舞台は騎士団の新たな本拠地マルタ島と決まった。地中海の命運を決する戦いは、いかなる結末を見たのか――!
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正直ローマ人の物語と比較して冗長かつ、単調。時代の流れが定まらない中で描くため仕方ない部分もあるが、他の作品と比較して感じる。
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プレヴェザ,レパントなど,地中海の西側のヨーロッパ世界と東側のオスマン・トルコが地中海で海軍として戦った16世紀を中心とした物語です。ローマ滅亡後の地中海世界から,最後はこれらの海戦の後に歴史の舞台が地中海から大西洋に移っていったときまでが物語られています。
ルネサンスに近い時期の物語ですから,やはりこの時期を塩野さんに物語らせるとうまいなという印象を改めて持ちました。
21世紀に入り,地中海は難民という形が主となっている人の移動の舞台になっているようにも思います。これからの地中海がどのような役割を果たしていくのか,過去の地中海の歴史を振り返ることは,このような観点からも無駄ではないように思います。
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読了。
ローマ亡き後の地中海世界 4 / 塩野七生
文庫版4部作の最後でございます。
中世=海賊がいた時代と考えると実に長いですね。
ロードス島から敗れ落ちマルタ島にたどり着いた聖ヨハネ騎士団ことマルタ騎士団VSトルコ海軍とのマルタ島攻防戦
熱いね。この戦いは。
昔、TVでマルタ島の特集番組見てたのでなんとなくですが概要は知ってましので、首都のヴァレッタの名前の人主人公の話来たねーって感じでありまして。
ジャン・ド・ラ・ヴァレッテ・パリゾンさん
この本の中ではこの名前ですが正式の名前はなんでしょうかね。
wikipediaさんは、ジャン・パリゾ・ド・ヴァレット。
その後はレパント海戦
塩野七生の本の「レパントの海戦」を見てたのでなつかしのバルバリーゴの名前が出てきましたが本編ではあっさりとした記述ですね。
くわしくはこちらで → 本「レパントの海戦」
ってな感じですね。
地中海から大西洋へ
新大陸が発見くらいで中世が終わりですが、
階級社会、十字軍や海賊、異端裁判とまぁ中世は暗黒時代といわれてますが憧れてはいけませんなこの時代にはと思いますね。面白いけど。
塩野七生の次回作 ギリシア人の物語を文庫化を待ちましょう。
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地中海世界を揺るがすパワーゲームにフランス、スペインも参戦し、戦況は混迷をきわめた。トルコを率いるのは陸上ではウィーンにまで迫り、のちに「大帝」と呼ばれたスレイマン一世。
迎えるキリスト教連合国軍の最前線に立つのはそのトルコに本拠地を追われた聖ヨハネ騎士団。最終決戦の舞台はマルタ島と決まった・・・。地中海の命運を決する戦いは、いかなる結末を見たのか!
(当書裏表紙あらすじより)
さぁ、キリスト教圏の反撃が始まる・・・と思わせておいて、思いっきり肩すかしを食らいました。
だからこその「パワーゲーム」なんでしょうけど、当時のフランスとスペインが険悪で、決して一緒にトルコと戦わなかった、というのは面白い歴史的事実でした。
何しろスペインが戦っているならとフランスはトルコと講和を結んだりしていた、というのだから徹底してます。
そんなパワーゲームの結果、悲惨な目に遭うのは海賊の餌食となる力ない庶民だったり、最前線で戦う兵士たちとなります。
そういった事象についてもキチンと描かれているので、最後まで読むにはある意味パワーが必要です。もっとも「ローマ人の物語」も同じでしたから「ローマ人の物語」を読了できる人は大丈夫だと思います。
「ローマ人の物語」と本作を読むと、元は同じ神を祭っているユダヤ教・キリスト教・イスラム教の何とも言えない「業」を垣間見ることが出来ます。
そしてそれは現代でも引き継がれているのだな、と確信できます。
確実に言えることは、「一神教は信じられない」という私の考えはある意味正しい、と本作まで読んで確信が持てた、ということです。
そして、この時代の別の作品を読みたくなりました(^^ゞ
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レパントの海戦を経てトルコの膨張は止まり。そして地中海が中心の時代は終演し、大西洋の時代へと移るのである。
そういや確かにパックスロマーナとパックスブリタニアの間にパックスヒスパニカは無かったな。それでも、『トルコ艦隊は海戦をしない間だけ“オスマン帝国の偉大な海軍”だった。無敵艦隊もヴェネチアの参加無しで彼等だけでは海戦しない間だけ無敵だったのだろう』はwww
これで全部繋がった。あとでまた短編を読もう。経緯が繋がったから、違う読み方が出来るだろうし。
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前巻からの続きで1538年から17世紀の地中海世界の終りまで
通してみると
西ローマ滅亡からの地中海世界からみたイタリア(主にヴェネチア)で
覇権国家でなかったヴェネチア(じゃなくてイタリアか)が戦っていた
トルコとスペインと
『海の都の物語』ではあまり印象に残らなかった海賊について主に描いたお話
『ローマ人の物語』に比べると気合いの入っていないなかば随筆のような書きぶりだが
こういう題材をかみ砕いて
(一神教に冷笑的なところで同意できるという意味で)日本人の書くものが
他にないので仕方ないのである
中華の歴史も本邦の歴史も結構だが
他の世界の日本人からみたお話も読んでみたいもの
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レパントの海戦、スレイマン大帝の死とその後。
ヨーロッパ大国のパワーゲームが地中海の不安定化の一因。
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レパントの海戦で変わった世界を記述して終わる。スペインとヴェネツィアの関係は興味深い。というよりヴェネツィアという都市国家が当時のヨーロッパで持っていた自由さとかそういう特性が面白い。マルタ島とかキプロス島の攻防戦とかレパント海戦とか中世の地中海の歴史を学べた。
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レパントの海戦とは、学生時代はスペインの無敵艦隊がオスマントルコを完膚なきまでに叩きのめしたものと思っていた。この本を含め沢山の書物を読んでいくと、実情は全く異なっていた。スペイン側は勝つには勝ったが、まとまりがなく戦況を決定ずけたのも命を賭したベネチアのバルバリーゴやジェノバのドーリアらだった。更にいったらスペインは対トルコに関しては足を引っ張り続けた存在だった。
感動したのはマルタの鷹。この強さは世界的にみても比類亡き者。ここまで彼らを奮起させたものは本当はなんだったのか?