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好きなシリーズの新しいやつだ、と思って購入したのだが、設定や世界観を思い出すのに手こずった。
あれー?
こんなんだったっけっかな?
思ったより、フワッとした読了感。
今回はいつもより、ピリついた場面の描写が少ない気がする。
前の三冊を読み返してみようかな。
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リブ・フォー・トュデイが印象的だった。
この章の趣旨は、最後の釈迦の言葉に詰まっている。
「過去を追うな。未来を願うな。過去はすでに捨てられた。未来はまだやって来ない。ただ今日なすべきことを熱心になせ。誰か明日の死のあることを知らん。」
という一節である。
なぜこの一節が心に残ったかというと、
自分の人生と照らし合わせたときに、
なんだかドキッとするような
後ろめたい気持ちになったからだ。
僕は、本当に今日すべきことを一生懸命取り組んでいるだろうか。
今から逃げ、現状を憂い、理想の将来にたどり着けるような近道を探すことに、時間を費やしていないだろうか。
なりたい自分を明確にし、それに向かって頑張ることは大事だ。但し、なりたい自分を探すことに時間をかけすぎるのは本末転倒である。一度目標を決めたら、それに邁進することが最も大事、ということを改めて考えさせてくれた本だった。
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第3弾の「張り込み姫」でちょっと気持ちがダウンしてしまい、単行本で出た「勝ち逃げの女王」は読まなかった。それが今回タイトルを変えて文庫本になったので、ふと手に取った。
やはり本は出会いだと思う。今読むべき本と出会えるものなのだ。
「勝ち逃げの女王」の話は少し耳が痛いところがある。私も、どっちかというと「勝ち逃げ」の人生を選んできているから。今まではそれがなんとなく引け目だったのだが、この話に出てくる浅野さんの潔さに打たれた。自分で選んだことには責任を持とうと思えたのだ。
「ノー・エクスキューズ」では、真介の世代と団塊の世代の価値観に違いが描かれていてなかなか面白かった。そうか、若い人ってこんなふうに感じるのね、と。自分はその中間の世代なので、どっちもちょっとだけわかるし、ちょっとだけわからない。
そして「永遠のディーバ」。文庫化するときにこのタイトルにしたのは、単行本の時の評判がいちばんよかったからなのかしら。
夢に本気で向き合うこと、自分がやりたいことをはっきり突き詰めること。これは言うほど簡単なことではないのだ。だから正樹は逃げ続けて、あいまいにごまかして生きてきたのだ。この生き方が身につまされる。思い当たるところが多すぎて、胸が痛くなる。でもその分、最後の彼の決断は大きなカタルシスになった。
最後の「リブ・フォー・トゥデイ」もまた、印象的な一編だった。働くということについて、改めて考えさせてくれる。将来に備えることも大事かもしれないが、今を疎かにしたら将来もなくなるのだ、ということをもっと本気で考えるべきなんだな。
仕事をする、ということ。働くということについて、いろいろ考えさせてくれた作品ではあるが、ひとつだけ気になるのは、「金銭的な報酬が発生しない仕事」はどう評価したらいいんだろう。主婦とか、ボランティアだって、大切な「仕事」ではあるが、どちらも「金を稼ぐ」という観点からすると仕事とはみなされないことが多い。そういう場にいる人はどうやってモチベーションを維持して行ったらいいんだろうな。
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作品は4つ。
その中でも特に「永遠のディーバ」は深く胸に刺さった。
"実力と才能は似て非なるもの"
"自分の言葉。自分の仕事。自分の生き方。ー
ゆっくりと自分の答えを見つければいい。見つからなかったらそれはそれでもいい。そういう人生もあるし、それはそれで一つの答えだろう。"
なるほどなあと思う。
大学2回生で、これからどうしようかと思っていたときにふと目に飛び込んできた本だった。なにをしたいのかまだ見つからなくて焦っていた。けど、この焦りをどこに向かわせればいいのかわからない自分に苛立ちも覚えていた。
そのときに、飛び込んできたこの言葉。
ハッと気づかされた感じがした。
なにを焦っていたのだろう。そんな簡単に見つかるものではないのに、なにを躍起になっていたのだろう。
もっと周りを見渡してゆっくりと構えるのもアリか。
そう思ったら、なんだかすごく心が軽くなった。
たまたまだけど、この本を読んでよかったと思う。
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やはりこのシリーズは素晴らしい。ので、五巻で終わってしまったのは残念であり、どこかの西口公園の話みたいにならないうちに終わってよかったとも思い。労働中、折に触れて読み返したいし、買い揃えようかなあ。
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会社勤めの人にとって、
他人事ではないリストラ。
全編を通して、
自主退職・転属した当事者は、
救いのある、ある意味ハッピーエンドになっているで読後感が気持ちいい。
が、実際にはこんなうまい話なんてないよなぁ…と。
自分だったら?
と照らし合わせて考えてしまう。
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今回も面白かった。日々仕事をしながら感じ、学んだ真実と私が思っていることが、たくさん散りばめられている。やる気が目減りしているときに読むと、引き締まる思いがする。仕事したい!と思える本であり、私の人生は私のもの、と愛おしく思える本。
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好きなシリーズ。思い通りにいかない中で折り合いをつけていく登場人物たちに勇気をもらえる。
次で終わっちゃうと知って、ちょっと寂しく思います。
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自分自身その日一日で完結する仕事を希望していたはずだったが既に30数年区切りのないスパイラルに入っている。
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①自分だったらどう面接するか。
②自分だったらどう面接官に対応するか。
①自分も評価されるだろうから、強引に持っていこうとして、きっと嫌われるだろうな。
②一応今の仕事に不満はない。もう少し一緒にプレーする人が欲しいぐらいかな。残る方向で対応するだろう。
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ハードボイルドものの多い垣根涼介さんですが、
このシリーズは一風変わっていて好きです。
主人公は日本ヒューマンリアクトという
リストラを企業から請け負って、
円満にそれを遂行するという特殊な会社で勤めています。
その主人公が様々な業界の様々な人々に出会い、
その人々を触媒として成長したり、
逆にその人々が主人公を触媒として成長したり、
そんなヒューマンドラマが短編形式で読める作品です。
やはり会社を辞めるかどうかという決断は
人生における決断の中でも大きな決断の一つに入ります。
その瞬間には色々なことが詰まっていて、
会社に入った経緯、入ってからの思い出、
会社への思い入れ、自分が本当は何がしたかったのか、
そんなことが全て思い出される瞬間はなかなかありません。
やはり会社を辞めようと思うときに
初めて真剣に考えるものですし、
だからこそドラマが生まれるわけです。
このシリーズはリストラに焦点をあてたものですが、
それを軸にしての人間ドラマがとても濃いです。
そして登場人物は必ず何かの答えを見つけて
一回り成長してくれるから読後感も素晴らしいです。
そのシリーズの良さがそのまま今作でも生きてますね。
表題となった永遠のディーバでの歌い手の筆致が
文章なのに音が聞こえてくるような感じで
とても感動しましたし、
さすがの作者の力量を感じました。
4つの短編を所収した作品なので、
気軽に読める作品でもあります。
シリーズで読んだ方が当然よいのですが、
これだけ単体でも充分に読める作品です。
ぜひ通勤のおともにどうぞ!
自らの働くスタンスなどを見つめ直せる快作ですよ。
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ただ今日なすべきことを熱心になせ。
たとえ明日のことを考えていなくても、
懸命に日々を生きてさえいれば、
そのうちに何かが見えてくる。
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今までのほうが面白かった気がする・・・と思いながら読み進めた。私も村上みたいな仕事(相手の行動や表情から心情を読み取り、面接を進める)してみたい。
リブ・フォー・トゥデイがいちばん「君たちに明日はない」らしかった。勝ち逃げの女王は、「ん、そういう終わり方?」っていう感じ。あっけない。女として、考え方はすごく共感できるけれども。
やっぱり「借金取りの王子」がいちばんよかったな~。あれを超える話はないな~。
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シリーズ4作目。多少マンネリという感じがしないでもないが、生きること、働くことの意味を問う短編群には考えさせられる。
特に表題作には感動した。クサい話ではあるけれど、全力投球で生きなくては、と力をもらった気がする。
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リストラ面接官・村上真介の今度の相手は、航空会社の勝ち組CA、楽器メーカーでくすぶる元バンドマン、ファミレスの超優秀店長、おまけに、破綻した証券会社のOBたち。企業ブランドも価値観も揺らぐ時代、あなたは明日をどう生きる?全ての働き人たちにパワーを届ける、人気お仕事小説第4弾!