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人口知能に関する本と思って入手したが、もう少し範囲を拡大した(人間とは?に至る各疑問を考察する点)本だった。チューリングテストという、聞いたこともない話題からスタート。この分野も非常に興味の湧くものであることを知る。大著で、注がやたらと多いので、注記を飛ばして通読。500p近くあるが、すんなりと読める(注記が多いのはより正確さを期しているのだろうが、本書に関してはやや多すぎかも。少し減らしてWEB等に記載という手もあるのでは)。
人口知能は、単なる一プログラム技術との認識だったが、大きく考えを改めることとなった。
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チューリングテスト(会話を通して機械の人間らしさを測るテスト)の大会では、コンピュータと競合し、自分をコンピュータでないと証明しようとする役割の人間がいる。つまり、そこでは、自分がコンピュータでないと会話を通じて相手に気付かせなければならない。そこで、著者は、そもそも人間らしさとはいったいなんなのかを考え、この大会に挑むこととした。コンピュータ、哲学、詩に詳しい著者が考える、人間らしさとはいったい何か。
前半のほうが哲学的な話などがあって楽しかった。後半は、「面白い会話とはなんぞや」という話や、情報量・圧縮の話は面白いが、人工知能とのチェスの話が長くてだるい。
翻訳は大変だったと思う。よくがんばったと思うが、結果としてあまり良い翻訳ではない。意味が通らない文が多くてわかりにくい。
全体として良本。
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読了
面白かった
話がとっちらかるけども、何かたった一つのことを伝えるのにこれだけ努力したし検討することがあるのだったよ、とチューリングテストやりながら思った膨大なことの追想のようにとりとめなく広がる
終わり方が、本人が文中で否定してた形になってるみたいで、つまらんかったけども
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読み応えたっぷりの本でした。本書はチューリングテストに、人間として参加した人の体験録です。そもそもチューリングテストに人間の参加者がいることもしらず、そこが興味深かったです。チューリングテストとは、コンピュータが自然な会話を人間とすることで、あたかも自分が人間であるかのように審査員(人間)を騙せるか試すテストです。そこで最も審査員を騙せたコンピュータ(AI)がローブナー賞を取るわけですが、それと同時に、人間も何人か参加していて、審査員と画面上で会話します。審査員は相手がコンピュータかもしれないと疑いながら会話をするのですが、そこで自分が本当に人間であるかを審査員に信じさせた人が、「最も人間らしい人間賞」を受賞する、というわけです(そしてこの著者はこの賞を受賞した)。
本書で気になった記述を以下にまとめます。人間らしいとは何か。またそれ以外にも重要なキーワードだと私が思ったものです。本書を読んで最も強く感じたのは、これからの人間は、人間らしいことが求められること、それはこれまで人間が「機械的な」行動を求められてきたことへの反動であり、私は総論としてまっとうな良い社会になるのではないかという印象を持ちました(あまりに楽観的すぎるかもしれませんが、私はそう感じました)。
・どのような自我でもいいので1つの自我でいること(p.58):出来の悪いチャットボットと会話をすると、相手が1つの自我ではないという感覚になる。複数人としゃべっている感覚。
・感情は優れた意思決定を行うために不可欠で、その根本をなす(p.115)
・最も人間らしい感情とは、地衣類のようにコンピュータと生物が融合した状態から生まれる(p135):つまり脳の左半球(コンピュータ的)と右半球(感情的)の両方が融合した存在こそ人間らしい。
・人間らしいとはチェス棋士のように「定跡から外れる」ことができるかにかかっている(p.187)
・バートランド・ラッセルは「子供だけでなく大人にも遊びが必要だ。つまり何の目的もなく活動する期間を持たなければならない」と言った。(p.263)
・ハーバート・サイモンは目的の最適化/最大化に代わる言葉として「満足化(satisficing)」(満たすsatisfying)+(足りるsufficing)という言葉を作った。(p.281)
・「7-38-55のルール」。相手と話すときに相手に伝わる内容の55%がボディランゲージ、38%が口調によるもので、選んで言葉によって伝わるのはわずか7%。
・ジョージ・オーウェルは「決まり文句を繰り返す話し手は少しずつ機械に近づいている」と述べている。人間は新しい意味を伝えるために複雑な表現を新たに作り出すことができる。(p.367)
・言葉は常に死を迎え、常に誕生している。言葉は決して身を落ち着けず、安定せず、平衡に達しない(p.376)。
・情報量を測ることは予想外(サプライザル)の度合いを測ること(p.402)。
・助言のエントロピーが最も高い人に相談せよ(p.431)。→つまり反応や回答を一番予測できない友人や同僚、相談相手にその問いをぶつけて見よ、という意味。
・小説が映画よりも「情報量」が多いと考えられている理由は、シーンのイメージや舞台装置を読み手に託しているからだ(p.454)。