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伊坂幸太郎と阿部和重の完全合作書き下ろし。
双方共に自分の世界を保持する大人気作家だけに、合作という実験が
どう転ぶか注目されていた。おかげで前評判は異様に高く、僕も発売
を知った瞬間に速攻で予約。この3日間でずっと読み続けた。
・・・いやぁ、かなり凄い話。
そもそも速読な僕が、500ページ読破に3日間もかかったのは、
調べ物をせずには居られなかったから。作中には歴史的な事件や実在
する人物名や団体が多々登場し、リアルなのかフィクションなのか
解らなくなる瞬間が多々。印象的な描写が出てくる度に事実を確かめ
たくなってしまうのだから、もちろんスリリングで面白い。そして、
ある意味では厄介でもある。
そして、実験結果は「良好」と判断する。
僕は完全なる伊坂フリークであり、阿部和重という作家の作品は殆ど
読んだ事が無かったのだが、いつもの伊坂作品とは少し違った緊張感を
全編で感じられただけでも実験は大成功。ドキドキするだけでなく、
シニカルこの上ないユーモアも、読んでいて思わずニヤっとしてしまう。
両作家、おそらくお互いに手抜き一切無し。さながら、名勝負数え唄
時代の藤波vs長州を観た時のような、すばらしい感覚を味あわせていた
だいた。
かなりの大作。これは絶対に読んでおいた方が良い、と太鼓判。
Kindle版も出ているので、お好きな方をオススメ。繰り返す。凄いよ、コレ。
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阿部和重さんの本は読んだことないのですか、伊坂幸太郎さん感ともちょっと違う感じが合作なんだろうなぁと。
すぐにでも映画化されそうです。ただ主人公が、「相葉」と「井ノ原」なのでどうしても国民的アイドルさんたちの顔が…ちらついて…イメージは全然違うのになぁ。
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おもしろかったー!
ええ、意外に、逆転はあるんです。どんなことにも、思ったよりも。諦めさえしなければ♪
阿部さんの作品は読んだことないけど、伊坂作品として読んだとしても、まったく違和感なし。
あまりの違和感のなさに、これ、ホントに交互にとかで書き分けてるのか?と調べてみたら、まったくの合作ということで納得。それにしてもすごい!お二人が書きたくて書き上げた作品とのことで読者冥利に尽きますw
伊坂さんは震災の後、もう書くのをやめようと思った、というお話しは、想像するだけで泣きたくなる。
私は、震災のあと、ちょっと本が読めなくて、しばらくして手に取って読んだのが伊坂さんの作品で、伊坂ワールドに浸れて、とても救われたので、伊坂さんが作家を続けていてくれて、この作品を生み出したかったおかげだったのかもと、阿部さんと気が合って、また新しいこの小説にも出会えて、ホントにホントによかったなぁと思いました♪
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伊坂節全開。阿部成分はどこにあるのだろうかと思うほど。序盤の引きはいいのだが結局は田舎のチンピラが右往左往しているだけという話
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凄い時間かかってやっと読み終えた(笑)
間に他のことやってたから、本を読む時間がなかなかとれなくて、でも最後の方は一気に読んじゃったわ。
後半面白くてハラハラしました。
たまたま録画していたアニメ映画がちょうど終戦辺りの時代背景だったのと、あちこちで読んでいたのが東京大空襲の頃だったので、なんという偶然かと。
今でもというより、最近はもっとテロが身近になってきて、こんな兵器使われたら敵わないなぁ。
あの二人ギリギリで間にあって良かったよぉ~
「偉い人たちは正直、僕たち国民のことしか考えてねぇからな」拍手喝采(*^^)//。・:*:・゚'★。・:*:♪・゚'☆パチパチ
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ドキドキしながら一気に読み終えました。
馴染みのある場所が舞台になるのも好き。
映画化されてもいい作品でした。
阿部さんの作品は読んだことがなく、伊坂さんの作品が好きだったので買いましたが、阿部さんの作品はも読んで見たくなりました。
蔵王に墜落したB29、公開中止になった戦隊物の映画、やたら強いガタイの良い外人さん、村上病という致死率が高い感染症。いろんなものが絡み合い、最後までドキドキしながら楽しみました。
映画を観終わった後のような。興奮冷めやらぬ状態です。
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合作とのことで、いつもよりボリューミー、そしてスケールも大きい。読むのに時間はかかったけれど、素直に面白かった。細かいネタが次々と消化されてゆくのも心地よい。
相葉と井ノ原でジャニーズ?と思ってはいた。でも、最後の最後で、ジャニーズネタなんて忘れた頃に一言。今さら?ねえ、今さらなの?(笑)
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今回は、仕事やら会合やら本を読む時間が皆無で、この本を読むのに過ごし時間を要してしまった・・・
既に読了の方々も沢山おられると思うけれど、久々にハラハラドキドキのストーリーで面白かった!!
戦中のB-29の爆撃機墜落に隠された真相とは何か!?
時を経て世界で同時多発テロが勃発!
その間に何の関係もないようにあるところを一つの糸で結びつけていく!
最後の結末は、まさかの展開で面白かったです!
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子供の頃の自分にとっての特別な“ヒーロー”を思い出させてくれる作品だった。
大人になるまでにいろんなことを忘れたり諦めたりして、昔夢中になっていたものも全て手放しているような気になっていた。
けれど自分でも気付かないところで、そういったものたちに支えられてるのかもしれないと思い直すことが出来て、とても救われた。
「これは全部、ガキの頃の思い出のおかげだ。あの頃に見聞きして、味わったことのすべてが、今の俺たちを守ったんだ」(p.511
)
ちなみに、阿部和重さんと伊坂幸太郎さんの完全合作ということで、どんな文体になっているのだろうと少し不安もあったが、読み始めるとそんなことは忘れて物語にのめり込むことが出来た。
本当に、読んで良かった。
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2014.12.08読了。勿論発売日に購入した、伊坂先輩最新作は、芥川賞作家阿部和重さんとのコラボ作品。読んだことないんですけどね(笑)
東京大空襲の日、山形蔵王に墜落したB29の謎、突然公開中止になったヒーロー映画、『村上病』という感染病の恐怖、強制的な予防接種、パンデミック。疎遠になっていた昔の野球少年が十数年ぶりに組むバッテリー(?ピッチャーキャッチャーじゃなかった気がするけどw)ゴールデンスランバーやモダンタイムズ的な『常識を疑え』なストーリー。国が決めたものはしょうがない、と思ってしまうけど、何かを隠すため、利益を得るため、に国が決めたものって、実際いっぱいあるんだろうな。権力者は苦手です。
伊坂先輩は大好きな割に実はいつも、始め100ページ超えるまで、あまり乗れず。先日ブランチで紹介されていたけれど、谷原章介や男性はB29墜落の謎、と言うだけで興味が湧いちゃう人が多いらしい。が、私その辺全然なので、触手が動かない。でも、中盤伊坂マジックが発動しだすと一気にのめり込み、一気読み。最後はドキドキしながら読みきりました。合作といいながら、先輩色強め?こんなにもドキドキ興奮しながら読んだ本は久し振り、な気がします。
作品上では蔵王の『五色沼』より『御釜』という名前が一般的だ、と言っていたけれど、『五色沼』の名前の方が一般的じゃないの?学校行事で行ったよ?と思っていたけれど、どうやら別物な模様。ともかく、長めだけど、オススメ!
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「いくら人気作家同士だからって、合作になるとそれぞれのよさが失われちゃうんじゃないか?」っていうのが、この本の情報を聞いた時の最初の感想。
でも、そんな先入観はものの見事に打ち砕かれた。もちろん、いい方向に。
幼なじみの相葉と井ノ原は、ともに金を必要としていた。大金をもたらすと信じた情報を追ううちに、世界規模の陰謀に巻き込まれていく2人。戦時中に墜落したB29の謎、上映中止に追い込まれた戦隊ヒーロー映画、“奇跡”を実現すると信じられた水……。一見なんの関係もなさそうなこれらの要素たちが濃密に絡み合いつつ、やがてタイムリミットに向けて物語は思わぬ方向に転がり、野球少年だった2人の思い出も手伝って、納得の大団円を迎えるのだった。
陰謀論やテロリズムなどの全体的な世界観は阿部氏の、小気味よい会話のテンポや細かな伏線の回収具合は伊坂氏の、それぞれの強みが存分に発揮されていたように思う。
著者をまったく知らずに読み終えたとしても、「なんだか、阿部和重と伊坂幸太郎が2人で書いたみたいなお話だなあ」って感じたかも、と言ったら言い過ぎだろうか? それくらい自然で、1+1が10にも100にも思えた素晴らしいコラボレーションだった。
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伊坂さんの本。
前にも読みかけた事あったけど、私にはどうにも読めなくて、途中で放置。
これは読めるかなぁ?
で読み終えました。
中盤以降、ちょっと都合良すぎる感が。否めない・
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世紀の大合作!!
伊坂さんの雰囲気が強いような気がしたけれど、純粋に最初から最後まで楽しく読めた。この二人の合作が読める時代に生まれたことに感謝。
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エンターテイメント小説として100点の出来であり、今年読んだ本の中でのベストかもしれない。ここまでワクワクしながら、あっという間に読めてしまう小説はそうそうない。
東北の山形を舞台に、謎の奇病・B29・世界同時テロなどのキーワードが蠢く世界を、少年野球を共にした2人の青年が駆け巡るアクション作品。
エンターテインメント領域を代表する伊坂幸太郎と純文学領域を代表する阿部和重の2人の合作ということで、どんな作品か想像がつきにくかったが、結果としての作品は極めて真っ当なエンターテインメント小説であると思う。思えば、阿部和重の魅力も、『シンセミア』、『ピストルズ』にしても、奇妙な符号が重なり合い、ドラマティックな結末へ物語を導く語り口にある。その点で、伊坂幸太郎との相性は極めて良いと感じたし、合作による違和感は微塵も感じさせない傑作になったと思う。4年の歳月をかけたというのは全く大袈裟には感じなかったし、編集者の力も多分に感じる一冊。
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本作は、阿部和重さん、伊坂幸太郎さんによる完全合作書き下ろしである。交互に書き進めて手を入れたという。僕は阿部和重さんの作品を読んだことはないが、本作を読む限り、全編の空気感は伊坂幸太郎作品そのものだ。
山形のホテルでの部屋番号の取り違えが発端だった。図らずも世界的陰謀に巻き込まれた、かつての少年野球のチームメイト2人。それぞれ金が必要だった彼らは、一攫千金のチャンスと危険に飛び込んでいった。おいおい…。
一方、ある特撮映画について調べている女性がいた。直前になって公開中止になった幻の作品。表向きには、主演俳優の不祥事が原因とされていたが…フィルムには、ロケが行われた蔵王のお釜には、何が隠されているのか?
東北を舞台に、こんな一大スペクタクルを描くとは、いやはや。蔵王のお釜はpH3.5であり、一切生物がいないのは事実だが、蔵王のお釜が発生源だという村上病なる病気は架空です、念のため。怪人は、この蔵王のお釜の水がどうしても必要らしい。
手段を選ばない怪人の冷酷さと対照的な、男2人に女1人と犬1匹という組み合わせの軽妙さ。いくらでもシリアスに書けそうなのに、重苦しくならずに読めるのは、合作効果と言えるだろう。そんな彼らに、日本の命運がのしかかってくる。
有名景勝地にこんな秘密があったとは。阿蘇山にミサイル基地があった映画『007は二度死ぬ』もびっくり。東北出身の僕は、何だか愉快になってきたぞ。そういえば、陰謀を描きつつも基本的におバカという007シリーズに通じている気がする。
決死の覚悟で約束は果たしたが、カウントダウンは始まった。日本を救うための、彼らの発想の転換にはびっくりだ。やけっぱちになったのかと思ったよ。思惑が一致したとだけ書いておきましょう。とばっちりを受けた人は気の毒だが…。
伊坂流の軽妙な会話は資質であり、まねできない。合作を通して、阿部さんはそう思ったという。阿部作品の作風を知らない僕は、何か読んでみようかなあ。