紙の本
説得力がある
2017/07/14 13:32
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
巷の怖い話というのは何故そんな事が起こったのか理由も明らかにされて かえって怖さが薄れるが この本での作者さんの体験はなんだかわからない事が多い。これに説得力を感じた。世の怖い事はいちいち理由を説明してくれるほど親切ではないと思うので。
紙の本
秀逸の面白さでした
2017/05/20 21:22
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクション作家の工藤さんが語るお化け実話です。
1話15ページ程度で16話。脚色もせずに淡々と語り、オチのない話も多く、逆に説得力があります。私が読んだこの種の本の中では秀逸の面白さでした。
病院や池やホテルの部屋や坂道等に留まっている霊の話や知人の死の予知に関する話が大半です。中でも、川端康成夫人の語る三島由紀夫の霊の話や、死んでもなお工藤さんの兄を心配して出てくる愛犬コビーの話が印象的でした。
私は霊魂の存在は懐疑的ですが、私自身の体験から科学では説明できない不思議なことはあると思っています。
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醤油味の怪談。怖さでは「なぜオバ」よりは怖いが、ホッコリするお話も多く気楽に読めました。
解説で、角田房代も書いているが、お化け話もいいのだが、工藤さんの人生の方がもっと凄い。自分もそちらに興味を惹かれた。
確か、自伝的な要素の強い作品もあったと記憶しているので、そちらも読んでみたい。
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今、住んでいるジャカルタのアパートの図書室から借りてきた。休みの後は、一時帰国から戻ってきた日本人が本を置いてくれるので、本棚が充実してくる。
本書は、題名を知った時から読みたいと思っていた。著者の工藤美代子さんは、「神々の国 - ラフカディオ・ハーンの生涯」や「悪名の棺 笹川良一伝」の著書がある一流のノンフィクション作家。まずは、そのような作家が「お化け」という世間話をどのように記述するのか、興味があった。
工藤さんは、幼い頃から霊感があるらしい。本来は、そこにいない人を感じたり、見たりする。本書では、工藤さんの「お化け」体験が淡々と綴られてゆく。わざと、ドラマティックにしないのが良い。何となく、リアリティが湧いてくる。それでも、兄の飼っていた犬の話は、ホロリと来たし、三島由紀夫の首の話は鳥肌が立った。
なお、インドネシアでは、殆どの人が幽霊の存在を信じている。私も赴任から11年目で座敷童子(インドネシア語でトゥユール)を見るようになった。本書に出てくるブラックマジックの話も、インドネシアでは日常の話である。
子供の頃、大人のするお化けの話は良質のエンターテイメントだった。そんなことを思い出させてくれる★3つ。
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烏兎の庭 第四部 3.17.12
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto04/diary/d1203.html#0317
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作者の子供のころから今にいたるまでの不思議体験を綴った短編集。
私はおばけなど生まれてこのかた見た覚えがないので、こんな世界が本当にあるとは信じられないのだが、やっぱりノンフィクション作家がいうんだからやっぱりあるのか??などど終始頭を捻りながらも興味津々で読んだ。全編に昭和の時代の香りが漂っていて、そういえば子供の頃の怖い話ってこんな感じだったなぁ、と懐かしさも感じた。
様々な不思議な話の中でも三島由紀夫の話が特に印象的。これは本当に本当の話なんだろうか?川端康成と三島由紀夫を今度読んでみようと思う。
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何とも怪異に溢れた日常を送るにも関わらず、あまりに明確に「見え」「聞こえ」ること、そして当人の恐るべき無頓着さによって、不穏でありつつもどこか軽妙なエッセー……を装ってはいるが、内容は十分に実話怪談集。
著者の波乱万丈―と一言で言い切ってしまったら失礼かもしれない―な人生もなかなかに壮絶で読み応えある。また、幽明境を異にする存在を何度も目に、耳にしていながら、そのような存在であることに気付かず、後になってからそういう存在だった、状況だったと認識することを繰り返す……そんな並外れた鈍感さ、無頓着さは読み進めていくうちに、おかしさを通り越して薄気味悪さすら覚えてしまう。各話で描かれる怪異や実在しない存在よりも。
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怖さを求めて本書を手に取ると、少しガッカリするかもしれない。霊やお化けが見える人達のリアルは、見えない人が想像するほど恐怖の毎日ではなく、実は淡々としたものなのかもしれない。
本書で怖かったのは著者の体験談ではなく、著者が人から聞いた話、バリの黒魔術についての「悪魔の木」と、川端康成の奥様から聞いた「三島由紀夫の首」が印象的であった。
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20240423
『怖い顔の話』に続いてこちらも面白かった。こっちの方が好きかも。
作られた怖い話も好きだけど、やっぱり「本当」の見た、感じた話は面白い。確かに、ゾワゾワして背筋が凍るゾッとしたオチはないのかも知れないけど、それがリアルで良い。本当の怖い話って、明確なオチなどない事がほとんどだと私は知っています。
すぐに工藤さんの他の怪談エッセイも読みたいけど続けて読むのはちょっと怖いので、間をおいてからにしたいと思います。