投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
切ない。
謎解きみたいな話の進め方なので、最後まで読まないと結末がわからない。
死してなお人の心に残り続け、人を動かす力となった篠さんは影の主人公のように思える。
新兵衛のこと本当に好きだったんだな〜。その思いを隠して偽ってまで生きてほしかった、、、。
人を想う形っていろいろあると思うけど、これは切ない。
篠さんの遺言で生きている人の運命がガラリと変わった。すごい人だ。
個人的に榊原采女が好きだったので、なんとなくやるせない気持ちになったけど、散り際は見事だったと思う。
映像化しないかな。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
世評は高い作品ですが駄目でした。
ストーリーが粗く、ガチャガチャした印象があります。
ちょっとしたミステリー仕立てですが、単に事実の露呈を遅くしただけで、かえって話を混乱させているだけのようです。逆に細部の書き込みが足らず、登場人物の心の動きが読めません。
葉室さんはもっと力のある作家さんです。この作品が発行された2012年には6作品が発刊されてます。一気に流行作家になり大量の作品を要求され、十分に練った作品が書けなかったのかなと思います。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
内容(「BOOK」データベースより)
かつて一刀流道場の四天王と謳われた勘定方の瓜生新兵衛は、上役の不正を訴え藩を追われた。18年後、妻・篠と死に別れて帰藩した新兵衛が目の当たりにしたのは、藩主代替わりに伴う側用人と家老の対立と藩内に隠された秘密だった。散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの―たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いた感動長編!
平成29年5月24日~30日
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
人が人を想うことの深さに打たれ、しかし想いは必ずしも素直に伝わるとは限らない…
人の世の哀しさ虚しさ、そしてだからこそ美しい、そんなことを感じた。
映画化楽しみです
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
さすがに葉室麟の時代物小説は切ない内容ですが、つくづくいい話ですね!
いろいろな宿命を背負った主人公瓜生新兵衛が一度は藩を追われ、なかなか戻れずじまいだったのだが、妻の遺言に託されたことを実現するために藩に戻り、旧友との再会・対峙だったり、側用人と家老の対立に巻き込まれたり、妻の妹親子との関係だったりと、いろいろな事柄に巻き込まれつつも、妻の遺言の真の意味を意味を知ったとき、新兵衛はどんな覚悟をもって生きていくことにするのか!という展開が面白かったですね!
新兵衛と妻の妹の息子藤吾との関係性の変化も良かったです!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
妻の遺言で因縁の故郷に帰る凄腕の剣士瓜生十兵衛、そこで彼ら自身が出て行かざるを得なかった勢力争いに巻き込まれる。
葉室燐らしい設定の、葉室燐らしい人間ドラマ、友情愛情義理渡世人情…、色々なものに縛られ色々な義を守って生きていく人間模様が切なく描かれている。渋くて上手い泣かせる小説である。
難点を言えば、勢力争いの構図が少々分かりづらいことか、2派の争いかと思えば単純にそうでもなく、それが小説の味わいになり切れていればいいのだが、どちらかというと読みづらくさせてる印象が残念。
映画化されるらしい、全く知らなかった。
そして、この本を入手してから数日後に作者がお亡くなりになられた。なんてタイミングで読んだんだろうと思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
どこまでも不器用でどこまでも誠実な男達の切ない物語。
最愛の妻の最期の願いを叶えるため、男は一人故郷に戻ってきた。
妻に褒められたい一心で。
そして因縁深い幼馴染みと決着をつけるために。
過去に起こった事件の真相を解き明かすにつれ、浮かび上がる亡き妻の想い。
妻が願いの奥に潜めた想いは実に切ないものだった。
散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていける…潔くて儚いセリフに泣きそうになる。
葉室さんは男同士の友情を描くことが本当にお上手な作家さんだったのだと改めて思った。
岡田准一さん主演の映画も楽しみ。
葉室さんも楽しみにされていたんだろうな…。
本当に残念。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
葉室さんの小説の登場人物はみな似ている。
特に主人公とその妻は別の小説と入れ替えてもよいのではないかと思うくらい。だが不思議とそれが心地よい。
人としての奥行きのある魅力的な主人公と、人間味溢れる脇役達が織りなす物語は、意外に結末も予想し易いのだが、それでもなお面白い。
以前はプロットに凝りすぎて、無理矢理な設定だと思う部分もあったけど、蜩の記あたりから良い意味で構成がシンプルになったように思う。夫婦の関係だけでなく、四人の幼い頃からの友情も静かに深く、海のようなありようが素敵だと思った。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
「散り椿」(葉室麟)[電子書籍版]を読んだ。何だってこんなに涙が出るんだ(鼻水も)と自分でも呆れるくらいにグジュグジュになりながらの終盤であった。電車の中では絶対に読めないです。武士の矜持だとか人の道だとかとにかく真っ直ぐな人たちがいいなあ。葉室麟さんは何冊目だっけ。どれも好き。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
瓜生新兵衛と榊原采女との因縁と藩の闇の動きを暴く。悲しいけど、しっかり物語が終わりまでまとまっている。非情に上手く出来ているなあ。 さすがは映画の原作になるはずだ!
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
葉室麟さんの作品はいつもパワーをもらえる。
大きな組織力にはびこる悪に対して、無力かと思われる小さな正義が、友情や家族愛の強いきずなで実を結ぶ長い過程が物語の主軸になっている。
今回特に心に残ったのは、大きな組織の中で自分の身を守るために悪を悪と指摘せずに組織の残ることで精いっぱいだった若い侍が、小さな正義に次第にひきつけられて、自分の身を守ることより大切な人を守り、悪を懲らしめる側に成長していく姿だった。
若い世代に身をもって生きざまを知らしめるようなぶれない信念を、果たして今の大人は持っているのだろうか。
自分を見つめるに、恥ずかしながら未だにぶれて迷って後悔を繰り返す日々を過ごしている。
人とかかわると何かしら思いを残す。「あー言えばよかった、こー言えばよかった」は常で、あんなこと言ったけどどう思ったかしら?あの話はどういう意味?本音では私に何が言いたかった?など、会話の一つ一つが気になったり、表情を思い出して私の気持ち伝わったかしら?と思い出したりし始めると、結局出会って話したこと自体を後悔するようになる。
十年以上前のわずかな会話や文のやり取りから、相手の本心に心を寄せ、それを生きていく糧にして目の前の正義を貫いていく物語に、今更ながら自分の未熟さを思い知らされる。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
時代小説で定番ともいえるお家騒動が背景。
さらに、男同士の友情と、彼らが想いを寄せる一人の女性。これもよくあるパターンだけれども、著者は、叙情豊かに美しく一編の詩の如くに、物語を紡ぎだした。
人が人を想う気持ちと、それが相手に伝わらず、それでもそれぞれが誠実に生きようと葛藤する人々。
現代を舞台にしたら、陳腐となってしまいかねない設定も、時代小説では、切なく美しい物語となる。
やっぱり、時代小説って、いいですねえ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
――ひとを愛おしむとは、自分の想いを胸にしまい、相手の想いを叶えることなのか。
かつて、藩の不正を糺そうとしながら、それゆえ扇野藩を追放された瓜生新兵衛は、妻の最期の願いを胸に18年ぶりに藩へと帰参する。
それは、闇に葬られた過去の罪を今に呼び覚ます行為でもあった。
親子、夫婦、友人、そして主従。人が生きてゆくなかで切っても切れない深い結びつきと、死にゆく人の切なる願い。それぞれに気持ちを伝えること、受け取ることの「ままならなさ」に翻弄される人びとの姿を、一木に白から紅までさまざまに咲き分けながら、最後には一片一片花びらを散らせてゆく散り椿に寄せて描く。
同じ道場で鍛錬し、四天王と並び称された新兵衛と彼のよき友人たち。
彼らの上に流れた18年という歳月は重く、溌溂と輝いていた若者たちを、皆それぞれに生きてきた澱を身にまとい、複雑なものを抱えた中年の男に変えてしまった。
生きることは難しい。
おのれを殺して生きようとする。しかしそれが他の者の生きる道を閉ざしてしまうこともある。
誰かを生かすために、心にもない言葉を吐かねばならないこともある。
大切なものを守るために投げ出した命が、ほかの誰かの人生を大きく変えてしまうこともある。
扇野に生きる人びとの、不器用なことといったらない。傷つき、傷つけられながら、それでも誠実に生き尽くそうとしている。その姿がとても愛おしい。
「生きてくださいませ、あなた――」「生きろよ、新兵衛」
自分の死を前にして、なぜそんな風に願えるのだろう。その答えもまた、彼らは残してゆくのだ。
「散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていけるのだ」、と。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
毒のない安心させる文章、伏線が張られていてストーリーの骨格も整っていて、人物もそれなりに色づけされている。いい話‥‥と言えなくもないだろうけど‥‥私的には何か物足らない。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
少しこじつけのように感じられるところもあったけれど、面白かったと思う。
出世のため、お家再興のために努力して生きていた藤吾が、次第に、石高よりも大切なことがある、と気持ちを変化させていく姿が清々しかった。
新兵衛は一途に篠を思い続けるが、篠は采女から新兵衛へ気持ちを移すところとか、男の人の書いた作品だな、とは思う。