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トンガに青い海と広い空があるように、人々の営みも、新たな希望と再生が必ずあると言いたくていくつかのややこしい話しが、編みだされた。
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作者の体験なのでしょう。これを描いた作者の思いは伝わりましたが、内容はだんだん苦手になってきました。最初の頃のドキドキが感じられなくなったけれど、それでも手にとっています。もう一度スリルに出会いたい、そんな思いでまた読むと思います。
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トンガのゲストハウスを訪れる、心に大きな傷を負った日本人女性たちを描いた連作短編集。
共通するのは、阪神淡路大震災をきっかけに、様々な形で自分の大事なものを見失って、途方にくれているということ。それぞれの抱えている問題は、かなり深刻。でも、なかば逃げるようにして訪れた青い空と海のトンガで過ごすうちに、女性たちは再生していく。
やはり、立ち直っていく物語は、読みながら自分自身も力をもらえて、気持ちも落ち着く。
個人的には、身につまされたことも。
生まれも育ちも関東の私には、関西方面に住む知人はない。でも、出身が兵庫県という友人がいて、震災について軽い気持ちで尋ねてしまったことがある。大変だったよと視線を逸らした姿を見て、飲み会の席の話題として、安易に口にすべきではなかったとその場で後悔した。この作品のタイトルにもなっている「絶唱」を読み、改めて部外者でしかない自分の無神経さを思い出し、大いに反省した次第。
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阪神大震災を経験した、現状から逃げ出したい
もう一度自分を見つめ直したい…
いろんな思いを抱えてトンガという国にやってくる4人の女性のお話…
湊作品はいつもこれでもか、というくらい破壊的な登場人物が多い中、こんな日常的に起こりそうな事を描ける人なんだと思いました。
ただ震災を通した描写なので、心打つ場面もあり
とても素敵な作品だと思いました。
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ざっくり言うと、阪神淡路大震災をテーマにした短編集。
おもしろくないなぁ、というところは1つもなかったので、面白かったのだと思う。
でも、被災した人が色々な気持ちをため込んでいて、それを開放するチャンスがないまま何年もそのままの状態である、ということが割とたくさんあるんだな、と、思ったのと同時に、そういうことに対して、自分がどんな感想を持つべきなのか戸惑う、というのが正直な気持ちでした。
まぁ、たとえそれが震災、という場合だけでなく、どんな理由でできた傷であったとしても、やはり心の傷を治すのは難しいのだな、と実感しました。
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阪神淡路大震災とトンガ王国で繋がる5人の女性。
それぞれが何かにけりをつけるため、何かから逃げ出すため、あるいは何かを求めてトンガに向かう。心に傷を抱えた女性たちの、希望と再生の物語。
登場人物が繋がっている連作短編だけど、最後の章「絶唱」に登場する作家の千晴が前の三つの物語を書き綴ったかたちで、四話が意味を持ったまとまりのある長編のように心に響いてくる。
前に読んだ「物語のおわり」と同じ系統の心温まる湊作品。
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トンガが舞台の連作短編4編。出版日付からもわかるように、登場人物達は阪神淡路大震災を経験しており、著者もまた同様だそうで、その深い思い入れを感じました。この人には珍しい、イヤミス度0の読後ほっこり感がたまりません。
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関西の震災とトンガにまつわる連作短編集。
* * * * *
あの日、若かりし私は夜通し呑み続けて
仲のよかった遊び友達とノリではいったラブホで
明け方なにげつけたTVから流れるこのニュースに驚きはしたものの
思きしそれは『他人事』だったんだ。
目の前のイロゴトのが最優先だったし
あまりにも大きなそのニュースがリアルのできごとだとは、
どうも感じられんかったんだよ。
それくらいこの厄災と(トンガとも)無縁に生きている私だと言うのに
最終話で自覚もなしに涙が落ちてびっくりした。
これが「ものがたりのちから」なんかな。
* * * * *
読後は、タイトルが沁みる。
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「楽園」「約束」「太陽」「絶唱」
4編の連作短編集。
連作短編のよさが発揮された一冊。
「楽園」で嫌なヤツとしか思えなかった
杏子も、「太陽」を読んでみると
杏子の行動もちょっとは許せる気もするし
やはり人間それぞれの立場になってみないと
分からないことに気づかされる。
私自身20年前の震災を経験しているので
「絶唱」が一番こたえた
確かに自分のことばかり考えてたかも、
とへこまされた。
セミシさんの言動が素敵すぎて
トンガってあんまり知らない国だが
これを読んでちょっと行ってみたくなった。
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storysellerで読んだ話がこんな繋がりにまとまるとは。『外から内側へ向かう者。その拠点となる場所にいるというのに迷わず外へ向かった者』
突き刺さりました。
湊さんは20年かけて書いてくれたのですね。
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南の島トンガと、阪神淡路を経験した人との、連作集。
相変わらず、読みやすくてサクサクと進む。
構成がスッキリしてて良い。
楽園・・・生き残ったまりえちゃんと、双子のお話。
約束・・・理恵子先生の過去のこと。
太陽・・・杏子さんの過去と現在と未来。セミシさんは尚美さんの旦那さん。
絶唱・・・作家になった千晴の震災時のこと。
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トンガに行きたくなった。
湊さんの人となりがでてるようで楽しかった。
震災のときに感じた感情も共感できるものが多かった
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阪神大震災とトンガを絡めて
時間もうまくからめて
短編をつないでる
もがきながら懸命に生きる人
《 死を抱え さよならを言う 青い島 》
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2015年1月17日に発行された湊かなえの連作短編集――「楽園」、「約束」、「太陽」、「絶唱」。
南太平洋のトンガを舞台として、それぞれの編の主人公が他の編では脇役になっている。また、それぞれの主人公が何らかの形で20年前の阪神淡路大震災に繋がっている。
トンガという地上の楽園を舞台に繰り広げられる、喪失のどん底とそこからの再生の物語たち。
最終章「絶唱」はおそらくは作者――湊かなえ――の自伝であろう。
地上の楽園の青い空と青い海に包まれて読み進んでいくうちに、痛いところを持ちつつ生きてきた人間は滂沱の涙に襲われる作品。
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阪神淡路大震災、そして東日本大震災と天災を経験した日本人の心の奥底にある「死」への想いを、著者ならではの表現で書かれた作品。同名の大江賢次作品とは全く異なるもの。