紙の本
一番好きな作家
2015/10/21 04:53
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞を受けたのがきっかけで読み始めたが、一番好きな作家で、ほとんど読了。生い立ち、酒、DV、フーゾクのオンパレードだが、その生き方に共感するのは、誰しも抱いている心の所為だろうか。藤澤清造なる私小説作家にスポットを当てた点、のみならず、自身も今時流行らない私小説に執着している頑なさが良い。
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著者の分身である北町貫多の私小説。表題の無銭横町がやはり良い。著者は私小説以外の小説も書いたら、結構面白いと思うのだが、彼のこだわりとして、虚構の小説は書きたくない、私小説一本で行くと書いてある。なるほど小説であればどんなご都合主義や偶然もOKだからだ。これからも北町氏の悲哀に満ちた生活を読むことになるのであろう。
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【家賃に払う金なぞ、ねえっ! 最新短篇集】古書店に通いつめる若き日の貫多。田中英光の初版本や手紙を購うため、日雇い仕事に精を出すのだが。彩り豊かな六篇を収録。
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6編入り。前作『やまいだれの歌』の続きで要町に転居した「菰を被りて夏を待つ」、久々の秋恵もの「邪煙の充ちゆく」など。
「朧夜」の桜の描写、西村賢太作品で初めてほっこりした。親に駄菓子屋でお菓子をかってもらったというだけの桜からの回想なんだけど、やはり父親の性犯罪のせいで一家解体の憂き目にあっているせいかそういう当たり前の思い出のようなものが全くこれまで語られてこなかったから。お!と、なんというかうれしい気持ちになった。それは「酒と酒の合間に」のT・S氏の文庫本解説執筆からの回想での野球選手のサインをもらってきてくれた父親のエピソードもそうだった。「私は~」で書いていたときに近い読み心地に感じた。
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著者の分身、おなじみの寛多が暴言を吐き、暴動を働きまくる私小説6編収録。
本来ならエッセイで足りる著者の主張を無理矢理小説にした話など、この程度の作品群で小説集として発表されては、ファンとしては裏切られた気がする。同棲相手の秋江とのいざこざもパワー不足。
収録短編のうち、「菰を被りて夏を待つ」と「無銭横町」はいつもの寛多が登場。貫多の魅力は、一般社会では全く合理性がなく、貫多にしか通用しない理屈で自身の暴力・暴言を肯定してしまうところ。この2作品については、そんなアウトローな寛多が存分に活躍。しかし、いつもよりはおとなしい。
もはや「この乞食野郎!」と暴れまくる若さはなくなってしまったのだろうか。
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無線横丁のタイトルに、ついに無銭飲食に走ってしまったかと思いきや、然にあらず。どうやら警察沙汰にはなっていないようである。女もなく金もなく将来の希望とて何もない不毛な毎日を立ててはいても寸でのところで抑制が働く。激情に我を失い竿頭に追いつめられながらも何とか生き抜いている。気持ちさえしっかりしておれば生きていけるのだ。しみじみと心が広がっていく感覚を味わえた。
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うーん。。。西村賢太さん初読。苦役列車からでなくて、こっちからいっちゃったけど。。。映画はちょっときになってたんだけど。。。ふぅー。
なんか、何十年か経ってから、文学好きの若者らから「西村は読まなきゃ」みたいなかんじに偏愛されてそうなきがする。いやもちろん今もじゅうぶん評価されているから映画化もされりゃあ受賞もするんだろうけど。テレビでもその発言を拝見したこともあり、たしかにインパクトはあり、これからも作品、人物ともに話題にはなるんだろうけどなあ。
ほかを読んでないけど、この方の描く世界には結局貫多のような生き方の男が出て来るんだろうし、そして私は貫多みたいな生き方の男ほんきで嫌い。一本ネジが外れてて、そこからいやな毒がでてるかんじのひと。私も決して上等な人間じゃないけど、ほんとに嫌い。身勝手すぎて。なんで、もう、この方の名前の背表紙んとこで立ち止まって手に取ることはないかも。。。。
うーん。。いや、この筆の世界観で、もし、女性視点の女性が主人公の物語をいつか書くんだとしたら、それなら、興味があるから読むかも。それ以外は、シャッターを閉じるためだけに読んでしまったような出会いになってしまった本でした。個人の感想ですが。ごめんなさい。むり。
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なんだかんだでまた読んでいる西村賢太作品。たまに無性に読みたくなるものだから、その中毒性は凄まじい。
しかし、この作家の作品を読み続けていると、初めて出会った時の衝撃が今では遠い過去のものになり始めている。
自分には免疫やら耐性みたいなものができてしまったのか、破壊衝動や暴力的要素がないとなんとも満足できなくなってきている。今回の作品には「貫多もマルくなったなあ」と一種の余裕や物足りなさまで感じてしまう程。
もっと狂人的なパンチや毒が欲しい。貫多にそんなことばかりを期待してしまう自分が今はいる。もはや中毒を越えた病気です。
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相変わらず、読むとハマる。西村賢太の小説はニコチンに似ている。身体によくないし、読んで晴れやかな気分になるわけでもない。けれども、このいがらっぽい毒を身体に取り込んでやらないと、と思う。とびきりの嗜好品だ。
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嫌悪感を催させるというのもテクニックか?~『菰を被り夏を待つ』横浜での心機一転を図った貫多は造園業のアルバイトをしくじって,掛け布団をゴミ袋に詰めて,椎名町に戻ってきた。『邪煙の充ちゆく』秋恵と暮らす貫多は,リビングで煙草を吸わなかったが,決心した三日目にリビングで吸い始め,一週間で寝室でも吸うようになってしまったが,慣れているからという秋恵の一言に反応してしまったのだ。『朧夜』『酒と酒の合間に』お笑い芸人の書いた本が文庫になる際の解説を依頼された貫多は,些細な性犯罪を起こして一家を離散に追い込んだ父が神宮球場で,外国人選手から必死になってサインを貰ってくれたことを思い出し,一気に書き上げた。『貫多,激怒す-または「ある中年男の独語」』「その夜の,北町貫多の腹の底より湧き上がる怒りと云うのは,なまなかのものではなかった。慊かった。まったく,慊かった。いったいに,…根がエチケット尊重主義にでき,人一倍礼節を重んじる質にできてる彼は,畢竟この怒りには,はな,」『無銭横町』二十歳の貫多は7ヶ月も滞納した家賃と立ち退きを家主から求められ,町田の母親にたかろうとしたが果たせず,やむなく400円の文庫を百円で売って,55円の即席蕎麦を水で食い,私小説家の全集を1万2千円で売って,次の宿を借りる算段がついたが,古書店の目録に書かれた本を買うための懇請を送るための葉書を買い求めた~私小説ってのは,ややこしい。編集者でもフィクションであることを忘れてしまう。嫌だね。自分史を書けば,超大作ができるけど,それやっちゃったら,死ぬまで出来るか!しかし,誰が読む?
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いつもの貫多を主人公とした私小説形式だが、これは短編でも時系列もばらばらでテーマも別々。これまでの諸作の一片一片がファンには嬉しいが、これを最初に手にする人を思うと、他人事ながら忍びなく思う。ただ、さすが西村氏、それでもどの短編も面白い。特に氏の敬愛する作家、田中英光に対する一西村ファンとしての思いは深まった。
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久々に読んでみましたけれども、やはり面白かったですなぁ…! まあ、"相変わらず"な内容ですけれどもね…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
でも、青年期の寛多のみならず最近の…つまりは芥川賞を取って作家生活も安定期に入った今の西村さんをモデルとしているかのような短編も目立ちましたねぇ…。
苦役列車の頃はそれこそ若い頃の著者?の姿を描いたような短編が多かったのに…色々と変わりましたねぇ…。
でもまあ、基本は同棲話なんでしょうかね…今回も一篇収録されていました。さようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー
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これまでに読んだ事がない独特の世界観に、妙に引き込まれる。食う事よりもハマる作家の本に重きを置く彼なりの絶対的な価値観に、真似はできないが羨ましいなと思える何かがある。
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西村賢太「無銭横町」、2015.2発行、6話が収録されています。秋恵さんと同棲した時代を懐かしんでらっしゃいます。懐かしむくらいなら、なんで素直にならなかったのか。酒と煙草と暴言、暴行、ダメな西村賢太さんです。飛鳥山公園、音無川、いいところにお住まいでしたね!
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図書館借り出し
菰を被りて夏を待つ
邪煙の充ちゆく
朧夜
酒と酒の合間に
貫多、激怒す または「或る中年男の独言」
無銭横丁
いい短編集
とても読みやすかった