紙の本
読者に媚びず、これまでの「維新論」をアカデミックに否定
2015/03/08 00:41
22人中、20人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:時次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これほど読者に媚びない本も珍しい。これによって著名なサイトなどでいわゆる「ネット右翼」と称される一群からヒステリックな反発を受けているが、著者が極右でも極左でもないことは明白で、極めてアカデミックな視点で「明治維新」の実相を明瞭にさらけ出している。京における長州過激派のむごたらしいテロ、戊辰東北戦争における「官軍」の、人間の行為とは思えないような残虐行為には激しく怒る。底流に「倫理観」を重視するスタンスで語る史実には迫力すら感じる。何よりも「昭和維新」から解き明かす「明治維新」の実相、テロを生みだす論拠となった「水戸学」との関係を詳しく解説しており、これまでの維新論を明瞭に否定している点には説得力がある。
刀の話や真剣勝負の恐ろしさ、戊辰戦争に使用された武器(小銃と大砲)の解説など、結構、横道にもそれる部分があるが、これが逆に表の歴史事実を見事に補強している。
あちこちの書店、サイトで品切れ状態が多いが、知人への贈呈用に必死に予約している。
紙の本
今もつづく、長州の支配
2016/05/06 22:32
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
安倍さんは、長州のためにがんばっているのかな?小生、40年近い昔、大学の卒業論文の冒頭に、「明治維新など、なければよかったのに」とうように書きました。その後、いろいろな観点から、周りの人たちには、明治維新をおこなった長州と薩摩のやつらが、大日本帝国を作り、そして、崩壊した、と叫んでおります。その想いをこの本の筆者が上手にまとめてくれました。筆者とは、立場も考え方も違いますが、長州に任せてしまった「近代日本」の過ちについては、同じ思いです。安倍さんなどの松陰先生信者にもぜひ読んでもらいたい。
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維新の暴挙を暴く会津鎮魂の書
2016/03/11 15:08
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:枯甃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何が維新か! 学校教育で教えられた歴史がいかに酷いものかを痛感させられる。「勝者の語るものが歴史であり、敗者は汚名を被せられて廃棄される」ことを事実として示される。歴史へは複眼的な視点が欠かせない。会津鎮魂の念を持ってこそ日本人としての矜持を辛うじて守れようか…
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一読すべし
2017/02/24 03:46
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投稿者:mimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそも幕末の動乱、クーデターに対する認識が、後世の作り話と歴史の隠蔽・改竄によって、現在まで誤った形で教育され、事実のように伝えられていることに不信感を抱いていたが、この本ではまとまってそのことを教えてくれている。
幕末の志士などといって、京都や江戸、東北、函館まで非道の限りを尽くした
長州、土佐、薩摩を持ち上げてきた結果が現在の政治経済まで繋がっている
という事実を、そろそろ日本人は認識すべき。
そういった意味で、司馬遼太郎の竜馬は罪深い。(敢えてフィクションであることを
意味して龍馬ではなく竜馬とした話はあまりに有名だが、その意図も伝わらず
盲目的に龍馬が幕末の英雄のように取り扱かわれる結果を導いた)
紙の本
納得しました
2016/06/03 21:27
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投稿者:tyokoya - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕は歴史修正主義者ではありません。だから、意見をする立場にありません。
富国強兵、軍国主義化するかつての日本を理解するためのイメージとしては僕と共有できる感想を持ちました。
人は間違いをするものだ。それ以上に考えたり、反省したりして、将来をつくる活動をすべきです。
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内容的には、興味をそそられるもの・というか
新しい視点での論述もあるように思えましたが。
あまりにも、著者の偏った見方が少しついていけない
感じがしました。あくめでも政変や政権をとる
ということに対しては、それなりの暗い汚い部分も
いつの時代もあるのではないかと思うし、それを帳消し
にして後世につたえるのは当たり前の話のようなきが
します。著者は薩長特に長州に対して個人的な恨み
みたいなものがあるような気がします。
日本をダメにしたのは長州人みたいは考え方は少し
ついていけないかなと思います。
太平洋戦争に突入した昭和陸軍(海軍)の重鎮のなか
には奥州出身の人も多くいたようで。。
それは明治維新におけるルマンチサンのような想いから
日本自体を滅ぼしてしまおうみたいな精神構造が
なかったとはいえないのではないかと思ったりします。
まあいろんなものの見方があって、それは多様であれば
多様なほうがいいと思います。よって、こういう意見が
発表できる環境はいいことだと思うのですが。。。
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これまで、高評価の明治新政府から、第二次世界大戦へ泥沼の戦争に入って行くまでの流れが、よくわからなかったのですが、この本を読んで、理解できたと思いました。
世間知らずで尊王攘夷を唱えて、外国船に戦争を仕掛けたり、皇居に大砲をぶっぱなしたり、天下を取った途端、日本古来の伝統を否定してしまう、長州のやり口は、大陸への侵攻、兵站を軽んじたアジア戦線にも繋がっていると思へば理解しやすいです。
阿部首相、長州人色濃いと思います。
心情的には、会津の方に共感出来ます。
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長州に正義なし。テロで成した明治維新。それに乗っかった公家。ということか。
日本精神文化の崩壊は明治維新から始まった?
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幕末に関していろいろ本を読み始めてから(特に初歩的な本が多かったのですが)感じていたさまざまな疑問が半分ぐらい氷解しました。
そして、「歴史って(勝者によって)こうして作られるのか~」ということもわかりました。
「吉田松陰ってすごい人」っていうのは後世で薩長が自分たちを正当化した歴史のために祭り上げられたとか、
奇兵隊はならず者の集まりとか、しかも高杉晋作ははならず者の親玉とか・・・なんとなく感じていたことを半ばボロクソに近いぐらいの書き方でした。これ大丈夫かしら?と本気で心配します。
攘夷を唱えながら御所を襲撃するという論理思考はわけわからん、という意見には賛成。
ただ、薩長が仕切ったせいで太平洋戦争の悲劇が起こったというのは言い過ぎというか飛躍しているような気がします。これについてはここに至る思考プロセスをもうちょっと詳しく書いてほしいですが別著にしたほうがいいんでしょうねきっと。
これ登録の際に知ったのですが、「明治維新の過ち」会津版というのも出ているのですね。そっちも読んでみたいです。
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維新への見方が変わる。長州藩の志士は大義の為に無差別殺人も辞さないテロリストと断罪するが、なるほどと思わせる。歴史は勝者が書くものだから、明治から教えられてきた幕末史を鵜呑みにしてはいけないだろう。
筆者はテロリストが作った明治国家が、二次大戦のカタストロフィに帰結したと結論づける。これも腑に落ちる。
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タイトルから期待した内容とは違いました。戊辰戦争までの明治維新というクーデターがいかに品性下劣であったか、特に長州の蛮行について一方的に書かれています。歴史書としては客観性に乏しく、繰り返しや冗長な文章に読み終えるのが一苦労です。ただ、明治維新の負の面を知ることは必要であり、あのプロセス以外にどんな選択肢があったか?また、功罪についても、今一度確認したく、改めて他書を探すことにします。
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歴史を別の側面から見る事は重要であり、なかなかタイトルからすると衝撃でありましたが、腑におちる所はありました。ただ福島の原発問題とかまで、話を飛躍させるのは、ちょっとやりすぎかと思います。また、この時期にこの本というのも作為的ですな。
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面白かった。
視点の変化による評価の激変、価値観の転換てのは大好きなんだけど、そうだよ、確かにそう言える。
勝てば官軍負ければ賊。
歴史は勝者が作るもので、埋もれた史実は掘り起こさなければならない。
うーん。
今になって判らないのは、江戸幕府の当事者能力を推し量れないということか。
茨城県民としては、水戸藩を酷られるのは厳しいけども、そういうことなんだろうな。
教育は、二次資料、三次資料によって行われるのが大概であり、本当に怖い。
この作者の視点が正鵠なのかどうかは、勿論浅薄に語れないが、こういう切り口がなかったことは問題だよね。
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長州がテロリスト集団。その通り。まともなのは幕府。その通り。水戸学にかぶれた武士道も知らない若い下級武士の狂騒。明治以降の日本文化の否定とか廃仏棄釈とか、国家神道を作ったりとか、あげくの太平洋戦争とかが長州閥の悪影響というのは一理ある。なにかあると天皇をかついだクーデターを起こそうとする軍部の体質も明治維新の成功例があるから。開国がもっと早いというのは、おっと思った。
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筆致が強く内容が理解しにくい。話も被る箇所があるがもっと具体的事例が欲しかった。作者の姿勢として大いに共鳴できる。会津の悲劇に焦点を当て、意欲的である。