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著者初読み。ブクログで社会派ミステリーと話題になっていたので、読んでみた。
まず、一番最初に驚いたのが、介護の実情を10年前に問題になったコムスン問題に正確になぞらえてたこと。感想では見かけなかったので、そういう問題があったこと自体、忘れられているのだろうか?
当時、コムスンの親会社に近しいところで働いていた自分には、前半はそれだけにグイグイ引き込まれた。
そして、「彼」の正体が分かった時の衝撃!
それまでも、人間誰しも、迎える可能性のある将来や、どんなことがきっかけで人生を転げ落ちるか分からない未来など、とても小説とは割り切れない内容で、すごく考えさせられたのに、「彼」の正体と同機はさらなる問題を心に投げかけられた気がする。
主人公である大友がクリスチャンでなければならない意味も、ラストで理解出来た。
この作品がデビュー作のようだけど、これからも楽しみな作家さん。
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このミス、2014年版10位。つい最近、家族の希望で延命治療を停止する話しをTVで見て、昔は家族と医師で延命治療を中止したらダメだったはずだけど変わってきてるんだって思ったとこでした。これからは、ますます高齢化社会が進んでくると消極的安楽死(尊厳死)だけじゃなく、積極的安楽死についても認められていく可能性がありますね。ただでさえ非生産的な人口が半数程度になってる社会において、その他の弱者の人権をも尊重するための福祉への負担はホント大問題ですね。この本が問題提起しているように感情に流されずきちんと対応し制度を変えていく必要があると思います。あと、偶然に起因してるのはアレだけど、犯人を絞り込む手順も独自性があって凄い才能だなと感心しました。淡々とした抑えたスタイルで全体的に地味ですが、レベルの高い作品と思います。
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2017.09.18.読了
期待値が高過ぎたせいかなんかがっかり。
検事の大友秀樹が大げさでウザい。
安楽死は合法化すべきと改めて感じた
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すごく惹き込まれました!
人の場面ごとに年月日が記入されており、時系列を考えながら流れを追っていくと・・・
それぞれの流れや意味合いなどがうまく切り替えられて、テンポがあり、追っていくごとにスリル満点でした!
すごいですね。そして、内容もすごかった・・・。
でも、頷けるものでした。辛辣というか、これって風刺ですかね・・。ハマナカさん、もっとたくさん書いて下さい!どんどん読みたいです!楽しみです!
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これ不謹慎なのかもされないけど、すごく納得できる。過去の価値観の資本主義では成り立たない現代のゆがみが、この本そのものみたい。
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どんでん伏線ポインツについて、髪型とかはまあ良いんですが、セダン型の白い車については後出し感が否めない。しかしそれを差し引いても(例えどんでん返し系でなくても)★5である。ぐいぐい読ませる。
迫りくる自分の老後に、働けるうちにどれだけ貯蓄できるのかという不安が伸し掛かり、捨て捨て生活に磨きがかかっております。
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誰もが避けて通れない老齢介護を題材に取った小説。決して娯楽として面白い作品ではないが、読んで良かった。
色々思うところはたくさんあったし、登場人物それぞれに強い思い入れが入って冷静に読めてないのかも知れない。
感想は…ちょっと書けない。文章にしてしまうのが怖いところが大いにある。
あとがきで近藤史恵さんが書いているように、介護問題とは日本全体の社会問題である反面、極めてプライベートな問題でもあるんだということ、だからこそ感想は文章にできない。
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介護問題を扱ったミステリーです。
つらい描写から後半まで一気、でした。
心に重く残る。身近に感じる年になったという話もある。
クライム(犯罪)とシン(罪)。キリスト教的概念だけど、本作では重要ワード。
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介護問題は個々人によって様々で、いろいろ問題があり、ほんとに大変だと思う。でも、決して忘れてはいけないのは人間としての尊厳をどう扱うかではないか。考えさせられました。
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冒頭の「彼」の章から引き込まれる。彼は何をしたのか?何が目的なのか?
登場人物たちの立場での事件へと向かう経緯も興味深い。
ミステリーであるが、介護の問題や社会格差、善悪などたくさんの課題を投げかけられてしまった。
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現代社会が直面している少子高齢化社会、そして介護問題。果たして「彼」を罪人として裁くことが正義なのだろうか。考えさせられる問題作
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個人的には「絶叫」より衝撃的。犯人のミスリードにはまんまと引っ掛かった。"黙示"された危機を看過し、膿を溜め込む現代社会。<彼>のメスはその膿を背徳的に抉り出す。「絶叫」の綾乃同様、大友は在るべき姿に縛られ苦悩する。佐久間の感じた"厚い壁”もそうだが、社会のシステムが恐ろしい速さで変革する時代、従来の在り方はどこまで通用し意味を成すのだろうか。"お前はどう思うんだ?"と鋭利な刃物を突き付けられたような読後感。<彼>の物語が世界を変えることを願わずにいられない…。
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介護の問題がクローズアップされて、
介護は、美味しいビジネスとされた時期があった。
高齢化、少子化の中で、介護する老人が増大し、
その財政的な裏付けをどうするのか?
が問われている。それから、介護保険制度ができた。
しかし、現実はさらに深刻な事態が存在している。
老人が、健康でなくなり、寝たきりになる。
もしくは、認知症になり、介護している人さえ認識できない。
老人として、生きている意味があるのか。尊厳をどうするのか?
などが蓄積している中で、介護を受けている老人で、
家庭の負担になっていることを見計らって、ニコチン注射で殺人する。
という事件が、まず自分の父親から、そして、毎月のように
四十三人もの人を 殺したとする犯人。
その犯人が、実に巧みに姿を隠し、そして、その殺人を
捕まった時には、自供をする。
老衰による死と薬殺による死が 検視では見分けられない。
それを追求するのが、大友検事。
佐久間という同級生との対比が実に優れている。
佐久間は、営業でトップの成績を収め、
この介護ビジネスの幹部として、登場するが、
介護ビジネスが、傾きかけた時に、顧客リストに基づいて
振り込め詐欺に転身する。実に危うい存在である。
一方で、着々と 老人殺害が進んで行く。
犯人を捕まえた時点で、
犯罪と罪とのあり方、人を殺すことは悪いことですか?
では、検事さん。あなたは、私を死刑にして、殺人犯にならないのですか?
と日本の現実をリアルに、告発するのである。
その巧みさに、驚いた。その中に、深くクリスチャンであることを
染み込ませているのに、物語作りのうまさがある。
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戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決、何を目的に犯したのか、何が正義で、何が悪なのか、正義を強く信じる検察官の耳の奥に響く痛ましい叫び、悔い改めろ!
介護現場の実情と社会システムがもたらす歪み、誰もが直面する逃れられないテーマを緻密な構成の展開により吸い込まれていきます(^^)
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親の介護における、社会システムの限界について描かれた作品。社会派ミステリーだけれど、体感としてはノンフィクションに近いものを感じた。それでいて、しっかりミステリーとしても成立していて、これがデビュー作とは。。いやー完成度が高い。
葉真中さん作品を読んだのは2作目。いずれも、表面上は理性的で論理的、でも内面から熱いメッセージが噴出している。これは葉真中さんの作風なのですね。やみつきになります。