紙の本
中国朝鮮族という存在
2023/06/17 15:47
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投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読むまで、中国朝鮮族という存在を知らなかった。これを読むことで、これまで疑問に思っていた東アジアにおける諸々について、腑に落ちることがいくつかあった。読んでよかった。(4.5点)
紙の本
一般の人が経験するのは難しい
2017/01/17 12:48
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
ノンフィクションライターの著作なので誇張はあるにしても事実と思うが、波乱万丈な(バイタリティのある)中国籍の女性を描いた書籍である。
著者の考え方や行動は理解できるが、世の中善人ばかりではないので、自分が同じことをするのは難しいだろうと感じた。
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ウイグル人、ユダヤ人、クルド人、チベット民族、、、歴史に翻弄され、流浪と家族離散、差別に苦しめられてきた民族は少なくありません。
中国朝鮮族もまた、そのような民族の一つであり、本書は日本に渡り生活基盤を築いてきた一人の中国朝鮮族のの女性と著者(最相葉月氏)との交流をもとにしたノンフィクションです。
中国・朝鮮・日本、それぞれの国に深く関係しながらも、どこからも不当な扱いを受けつづける民族。日本の歴史に深く関係し、地理的にも近いにも関わらず、これまで私は、ほとんどその実態を知ろうとしたことがありませんでした。本書はそのきっかけを、強烈な形で与えてくれました。
安定した国家に生まれ、その国民として生きることができる幸せにしっかり向き合わなければならないことを、教えてくれる一冊です。
【本書抜粋 具恩恵(仮名)】
なぜクリスチャンになったかとか、文化大革命のこととか、少数民族がどうだとか、そんなことはこれまでまったく考えたことがなかったです。今日を生きるのに必死だったから。そんなことを考えられる人は余裕があるからですよ。
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最近ご無沙汰しているけど、私にも中国朝鮮族の知り合いが数人いる。この本に書かれている具恩恵(仮名)さんのような非常にアグレッシブの生き方にこちらが戸惑ったりもする。北京、韓国、日本、そして他の大陸へと彼らの動きはダイナミックで本拠地の中国東北部では人口減が進んでいるらしい。それはそれで問題だろうけど、彼らの動きを見ていると自分自身のステージは狭いと思ったりもするのである。
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私たちのすぐそばに暮らす
外国の友がいる
はたして 私たちは
どれほど 彼(彼女)のことを知っているだろう
「目の前にいるたった一人の中国人のことすらしらない。いや、これまで知うとすらしなかったではないか。その無関心は、ふだん苦々しく思っている一部の偏見や差別的言動と実は紙一重なのではないか。」
最相さんの言葉に
どきっ と させられてしまう
自分のすぐそばにいる
異国からの友のことを
思わず思ってしまった
きっと
そんなことを
意識するとこから
国際理解
とか
異文化交流
とかの
言葉が初めて言えるのだと思う
先ずは
ひとりから…
始めたい
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「ナグネ」の意味は最後くらいにわかります。
「青いバラ」の著者。
ノンフィクションライターを自称するだけに、しっかりした調査もありますが、偶然に出会ったヒトと十数年も付き合い、それを本にしてしまうのがすごい。
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地の塩、世の光は青山学院じゃないか。
クリスチャンは旅人、自分の本当の家は天国にあり、この世は通過点にすぎない。だからこの世には未練はない。
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最相さんの年下の中国朝鮮族の友達・具恩恵との十数年のかかわりを書いたもの。
日本に来てまもない恩恵に駅で道を聞かれた最相さんは、そんな行きずりを機に彼女に資料整理のアルバイトをしてもらったりしながら仲を深めていく。とはいえ、自分との接点以外には立ち入らないという一定の線を引きながら。ところが、細々と続く関係性のなかで、何度か危なっかしい恩恵の行状に触れもする。そして、本書を書くにあたり改めて彼女の話を聞くことで、自分がものわかりよく一歩引いているときに、いかに恩恵が大変な道を歩いていたかを知る。
最相さんは身元引受人になったり、まとまった額の金を貸したりと決していいとこどりのつき合いだけをしていたわけじゃないし、日本人の友としての責任を常々考えていたと思うが、それでも恩恵の来た道を知らされると、日本で異邦人として生きることの大変さを改めて知らされるようなことがいろいろあった。
特に、恩恵は中国朝鮮族だ。私も数年前に韓国に興味をもつようになってようやく知ったこの人々のことを日本のどれだけの人が知っているだろう。彼らのような境遇の人々の誕生にかつての日本が一枚かんでいたというのに。
ただ、恩恵も恩恵の家族も過去のことは「過去のことだから」と大して触れようとしない。それは渦中の人の本音でもあるだろうし、また恩恵が言っていたように、過去を振り返っている暇もないからかもしれない。そこに日本人はあぐらをかいているといえないか。
と、何だか硬い話になってきたけど、何があろうとやはり友達は友達。この仲が、国家とか形のないものを通じて生まれた恩讐を癒したり赦しや理解に導いてくれる。
東日本大震災の直後、もともと人間には期待しないと言っていた恩恵に対して、最相さんは「世の中が絆、絆と連呼している最中、私のすぐ目の前で、絆という文字がバラバラにほどけていく。私は、これほどの事態となっても日本に留まろうとした恩恵の日本人に対する信頼が失われる日が訪れるとしたら、その最終的な責任は私にあるのだと覚悟した。」(p.160)という。
このように、真剣に誠実につき合いたいもの。そういう意味で最相さんがこういうごく私的なつき合いをもとに一冊書いたのは素敵なことだと思う。個人的なつき合いとして書かれるなかに、普遍的な関係性のあり方が含められているような気がするから。
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さすが、最相氏の著作である。表層から真相へと導く。中国朝鮮族の軌跡。ノンフィクションとしても、交友録としても珠玉である。自省に基づく観察眼は、読む者の心を揺さぶる。著者は懐疑的だが、宗教への姿勢の深まり方も唸らされる。そして、極め付けのあとがきだ。ナショナリズムと人間の抜き差しならない緊張関係への配慮に涙する思いだ。
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どの国に住んでいるからとか、国籍はどこだからとか、〇〇教だからとか、そういうことで「こういう人たち」とひとくくりにするのは本当にバカバカしいことだな、と。まあ、あたりまえのことなんだけど。
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電車で聞かれただけの人と、こんなに長く付き合うとは、人との出会いってすごいなと思う。
この朝鮮族の中国人女性の努力する力に脱帽する。
山手線何周分か寝て、あとは仕事して日本語覚えてってすごい。