紙の本
登場人物
2020/04/07 00:23
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投稿者:藤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
やっぱり、登場人物みな面白い。
仕舞いには、悪役までも憎めなくなってきて…伊東はかわいそうだったなぁ。
御殿様と将監も仲直りできたらよかったのに。
最後はブチの場面で物語は終わり(笑)
人物だけでなく、登場馬も面白かったな。
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江戸時代を旅気分
2015/10/21 08:40
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻で明らかになった、蒔坂左京大夫の後見人、蒔坂 将監のお家騒動の企み。お殿様を亡き物にして、自分が取って代わろうと言うその企みに、いよいよ一路は気付いて阻止しようとするが、相手ははるかに目上の存在。自分から手を下すわけにもいかず、相手の出方に神経を張りめぐらせる日々。しかし参勤交代共頭の立場から、次々に降りかかる災難を振りはらわねば元も子もなく、日に日に憔悴して行く一路であった。また普段はうつけものの馬鹿殿のと言われるお殿様であったが、実は深い思いがあっての行動だった事が明らかになってくるにつれ、物語はクライマックスを迎えてくる。そしてとうとう業を煮やした将監が、河渡しを最後の機と見てお殿様に直接手を下そうとするが・・・。
いよいよ江戸入りした一行を待っていた、驚くような展開。「大団円」、そんな言葉が、胸に浮かんだ。
作品を読むに連れ、自分も参勤交代の列に加わり一緒に厳しい旅をしている気分になれた。だから初めて、参勤交代と言う物を身を持って感じる事が出来たと思う。そういう点でも本当に意味深く、味わい深い物語でした。
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左京太夫の一所懸命に拍手
2015/10/12 14:58
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投稿者:さんしろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
車も電車もない時代に、冬の中山道を歩いて岐阜から東京までとは、考えると気が遠くなる。その道中をコミカルに書いた本作だが、道中次々に降りかかる災難に殿様を悪家老から守ろうとする闘いがプラスされた難行軍は、実に読み応えがあった。ただ、ぜいたくを言わせてもらうと、終わりがあっさりしすぎであり、少し肩透かしを食ったような感も残った。
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主人公及びお殿様は、無事江戸にたどり着けるのか、最終頁まで目が離せない。
サスペンスフルな反面、馬が言葉をしゃべり、池の鯉が話を聞くという、奇想天外があり、如何にも浅田次郎氏らしい物語の展開で、エンターテイメントの楽しみを満喫できた。
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江戸へ向かう参勤行列も後半戦。
この辺まで来ると、誰が悪役なのかもはっきり。
そやつが、今度こそ、とほくそ笑むたびに、タイムボカンかポケモンよろしく、どうせ、失敗するんでしょ感満載。
次から次へと押し寄せる難局をいかに鮮やかに、時に全然鮮やかでなく、やり過ごすのか・・・というのがこのお話の醍醐味。
最終盤には、御供頭の一路と老中の、お殿様と上様(第14代将軍・家茂公)の対面あり。
それにしても、浅田次郎さん、ひぐらしの浅次郎とは(笑)。
お殿様と浅次郎の間で、どんな言葉が交わされたのやら・・・、それを描かないのがこの物語なのでしょう。
それと、ただ一人、切腹した哀しい人のこと。この人だけがこの物語の中で異質に映ります。この人の目線からなら、同じ筋立てのまま、全く違う物語が成立するのではないかしら。
やっぱり、この物語の大団円には、馬市で売れ残り、桜鍋寸前で、周りから必死で取り繕ろわれて、お殿様のお手馬になったかの馬の、その後の運命がふさわしいのかも。
楽しゅうございました。
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やや淡泊に感じられる読後感.全ては描かない,察しろという浅田さんらしい想いなのだろう.良い作品だったと思う.
以下あらすじ(背表紙より)
中山道を江戸へ向かう蒔坂左京大夫一行は、次々と難題に見舞われる。中山道の難所、自然との闘い、行列の道中行き合い、御本陣差し合い、御殿様の発熱…。さらに行列の中では御家乗っ取りの企てもめぐらされ―。到着が一日でも遅れることは御法度の参勤交代。果たして、一路は無事に江戸までの道中を導くことができるのか!
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ポイント毎に「御供頭心得」の一節が掲載されているが、解説にもある様に「御供頭心得」も作者の創作。
次々と発生する事件とその解決も意外で面白いが、冒頭に主人公「一路」の名前についての話があり、最後に「一路」の名前の由来が明らかにされるなど、伏線とその回収も面白い。
しかし、全編を貫くのは、若者の一所懸命な姿が、周囲の人の気持ちを動かし、どこからか手助けが入り、とても難儀な問題を乗り越えてゆくところ。
TVドラマではどの様に描かれるのか?見てみたい。
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お殿様の描き方が素敵です。
どこが、うつけものなんでしょう?
そして、一路のパパもいいですね~。
一所懸命 これにつきますね~。
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すっきりと大団円のクライマックス。
下巻は(泣)が多め。
結果的に死人がけっこう出てしまい、ちょと残念。
この殿様なら平和裏に解決してくれると思ったが。
ワル一味が改心するとかで。
幕末の人々が、武士のなんたるかの矜持を思い起こす、と。
良い話でありました。
んで、最後がウマー?
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これは素直に面白い。ザ時代劇。時代劇に期待するすべての要素が盛り込まれた話。すべての登場人物がいかにも時代劇としてこうあるべきという立ち位置と性格で配され、そこに参勤交代というよく知ってはいるが、どうやってこなしていたのかという詳細がわかっていないものを、主人公とともに紐解きながら語られるので、それだけでも十分に楽しい。それにもまして一番はお殿様であろう。武将は神秘でなければならないということを体現しようとするお殿様。でも時代は幕末の動乱の時代幕開けで武士の権威が凋落する一方であり、その後、どうなったのかは語られないが、このような武士が武士として範を保っていられたのであれば、もう少しその後の時代は変わった展開があったのであろう。
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下も申し分なく面白かったです。
どこまでも一途に己の領分を守り、周囲に何と言われようと前を進む登場人物たちの生き様が善悪関係なく、胸を打つものがありました。
特に、お殿様の「正体」にはじわじわとわくわく感が募って、面白いです。他のお殿様も皆個性的でくすりと笑えたりで良い味出してます。後半に登場する浅次郎に「いまさら新しい登場人物?」といぶかしく思いながらも、彼がいないと無事に参勤交代が終えられない結末には唸りました。船上の鮮やかであっけなくて切ない展開と、江戸入りした一路の心境に、涙が滲みました。
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時は幕末、主人公「一路」の故郷、西美濃では、参勤交代の時期。火事により不慮の死を遂げた父に代わって、一路がその参勤交代の道中御供頭(つまりは参勤交代の手配と指揮、運営の総責任者)になるところから物語は始まる。
不慮の死を遂げた父親からは何一つ引継を受けておらぬ一路は全く戸惑うばかり。頼りは代々伝わる家宝の「行軍録」のみ。それは、250年前に取り行われた参勤交代の記録。それを読んだ一路は、太平の世が続いてきた御蔭で、参勤交代は多くの儀式やしきたりが省略され、武士の威厳が損なわれていることを知り、今回はこの「行軍録」に従っての行列と交代を行うことを決心する。
参勤交代の目的は行軍、すなわち戦に参上することを前提として江戸に参上すること。従って本来は槍や刀、武具の一式を持ち揃え、昼夜休むことなく江戸に向かって進行するのが基本。それがいつの頃からか武具は持たぬ、江戸までの日程は長くなり、殆ど物見遊山な行軍となっていた。従って参勤交代を命じられた武士たちは皆不可能と抵抗したが、お殿様以下賛成して応援する者もおり決行することに。
こうして始まった参勤交代のための江戸への行軍は、途中、木曽路の山、前日の雨で山崩れた崖を必死の覚悟で踏破したり、大雪に見舞われたり、江戸から下ってくる元老中職の行列と鉢合わせをして、道を譲れ、譲らぬの騒動があったり、加賀百万石の姫君が一路に一目ぼれしたり、そしてお殿様のお命狙うお家転覆の企てがあったりと、波乱万丈な行軍となる。
参勤交代の行軍にはいくつかのルールがあるようで、例えば
・参勤交代では、あらかじめ江戸に届け出た到着日より、一日でも遅れて到着したらお殿様は切腹、お家は断絶。行軍は戦に参上することが目的なので、遅参したのでは戦に間に合わないという理由から。ただし、1日前までに遅参する旨の連絡を江戸に届けておけばお咎めなし。
・庶民が行軍に出会った場合、必ず道を空け、行軍の行列が過ぎるまで土下座して見送る。短い行列であればすぐ終わるが、加賀百万石の行列になると、延々と何時間もかかって行軍するので、その間多くの人が足止めを食らう。土下座中に頭をあげて行列を見ようとすると、即首が飛ぶ。
・行軍同士が街道上で鉢合わせした場合は、当然格下の大名が道を空ける。また、宿も本陣は格上の大名が泊る。そのため、どの大名がどれほどの位なのか一覧表があり、双方その一覧表を見て譲る、譲らぬを決めていたよう。
といった感じ。
最後の結果としては、無事行軍は江戸に到着し、それと同時にお家転覆の企ても潰えますが、途中の波乱万丈な話の展開は、時にクスリと笑え、時にジンワリと心にしみます。特に加賀百万石の姫君の許されぬ恋は、大いに笑うし泣かせます。さすが浅田次郎は話がうまい。
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読了。左京大夫の正体が明らかになっていくのが面白かった。その反面、将監が左京大夫の正体に最後まで気づかない。 それにしても魅力的な登場人物ばかりだ。特にひぐらしの浅次郎。誰がモデルかは言わずもがな。
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最後ちょっと泣けた…。都合よすぎるところもあったけれど、泣いて笑っての旅が楽しめてよかった。ドラマがとても楽しみ。
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下諏訪から和田峠を越えて、江戸までの下巻。殿さまの正体があらわになったり、クライマックスを迎えたり。浅田次郎の作品は、そもそも映像化されるのを目的にして造られているんじゃなかろうか、そう思ったりします。人によっては、賛否両論なんだろうけど、シナリオという観点でみると秀作なんだろうなぁ。