紙の本
国内外の知らない作家に出会いたい人へ
2017/09/28 23:21
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
インパクト大の表紙の、国内外の実力ある作家のアンソロジー。
論説あり、奇想あり、純文学ありで、ごった煮状態の一冊なので、誰が読んでも知らない切り口に出会えそうな気がしました。海外作品だと奇想系の「黄金の枝」、国内作品だとリアルな孤独感が切ない「インフルエンザの左岸から」が良かったです。
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英語圏の文芸誌『GRANTA』の日本版、第2号。日本版といっても単純な翻訳刊行ではなく、かなり自由な編集がなされているようだ(これは日本以外で刊行されている、「国際版」でも同様)。
目当てはカズオ・イシグロ『忘れられた巨人』の第1章、第2章の先行掲載。4月の下旬には単行本が刊行されるのだが、我慢出来なかった……。その『忘れられた巨人』は、先行作では『充たされざる者』を思わせる雰囲気で、これこれ! という感じ。『わたしを離さないで』の人気は解るのだが、やっぱりイシグロにはカフカ的な不条理世界を描き出すことを期待してしまう。単行本が楽しみ。
翻訳短篇はどれも良かったのだが、どれかひとつを選ぶならサルマン・ラシュディ『黄金の枝』。収録作中、最も短いが、最も切れ味が鋭いのがこれ。次点はヒカルド・ジリアス『トリア』かな〜。ジャネット・ウィンターソン『ガートルード・スタインについて知っていること』と迷うが、ここはやっぱり前者を推したい。
国内短篇は島田雅彦『ヴェネチアの死者』、堀江敏幸『徳さんのこと』、黒田夏子『道の声』が良かった。
作品の内容云々とはまったく無関係なのだが、『横書き』を前提に書かれている黒田夏子を一番最初に読むと、全部横書きでも思ったほど疲れなかった……というのは発見と言えるのだろうかw でもやっぱり疲れるのは疲れるので、何とか縦書きにして貰えんものだろうか。大元の『GRANTA』と、ある程度合わせるのは仕方ないとはいえ、全部横書きは読むのが疲れる。マジで。
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カズオ・イシグロ ★★
ジャネット・ウィンターソン ★★★★★
エドウィージ・ダンティカ ★★★★★
ジョナサン・サフラン・フォア ★★★
ダニエル・アラルコン ★★★★★
サルマン・ラシュディ ★★★
ルシア・プエンソ ★★★
ヒカルド・リジアス ★★★
窪美澄 ★★★
藤野可織 ★★★★
島田雅彦 ★★★
堀江敏幸 ★★★★
木村友祐 ★★★
黒田夏子 ★★★★
松家仁之 ★★★★★